575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

新茶うれしや   鳥野

2008年05月13日 | Weblog
「八十八夜の別れ霜」と言い習わされているように、5月の初旬を過ぎれば、冷えの戻りはないもの。農事の目安にもされてきました。
にも拘わらず、宛にならない今年の気象。茶摘みは無事でしょうか。

 ・ 新茶つぐしづくしづくの珠玉かな  鷹羽狩行

若緑色の新茶を汲むとき、しみじみと初夏の到来を想うのは年のせいかも。

ところで、お茶の色。「茶色」といえば、緑とは全く無縁の褐色系で、土の色、樹木の幹肌の色です。

この矛盾。前々から不思議でしたが、そうです、あの番茶なんです。

渡来したころのお茶は、刈り取って干したものを煎じ、薬のように貴重に扱われました。
葉緑素を残して、美しい飲み物に仕上げる製法ができたのは、ずーっと後のことです。

茶の色は茶色。ムリヤリの合点としましょう。

  摘みたての今年の茶なり呑む前にこころほぐるるあさみどり  長沢美津


コメント (1)
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