来月の句会のお題「余寒」「春寒」を歳時記で調べていたら、「薄氷」というのがあった。
氷が張るなどということは、私の小学生時代には当たり前のことで、学校の行き帰りに路に張った氷を踏みつけて割ったし、防火用水の氷を割ったり、プールに張った氷を割りに行って危うくプールに落ちかけた友達もいた。
「初氷」は十二月で大切に割って触って、しばらく観賞したものだ。
しかし、春になって張った「薄氷」にはそれほどの愛着もなく、急の寒さに驚いただけだった。
薄氷手にする程のこともなく ぐ
しかし、この季語にはいい句がありました。
薄氷の裏を舐めては金魚沈む 西東三鬼
薄氷の風に吹かるる重さかな 田の上豊作
うすらひの上やうすうす水流れ 辻 桃子