575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

サルくん脱走   鳥野

2010年01月26日 | Weblog
おサルさんがまた騒動を起こしました。
上野動物園の猿山から脱走し、5時間近く逃げ回ったあげく、飲食店の地下階段で捕獲されたというもの。

このサル君、北限に生きるニホンザルで、国の天然記念物。下北半島のむつ市脇野沢の静寂な里山から、大都市へ拉致されて、どんなに怖かったことか。

絶滅の恐れのある動物の指定を受けて保護されていた北のサルが、住民の生活に侵入するからと、いまや有害鳥獣。漁業専業から農業へ。住み分けが混乱し、その上、自然林も激減して、サルは猿智恵を駆使せざるを得ないのでしょう。

裁かれねばならぬのは、はたして誰。

わが師、青井史がズーラシアで詠んだ秀歌を思い出しました。

 ・ 人間こそ検証さるべし増殖し地球を蝕みはじめて二世紀

 ・ 夕焼けの天地の間のズーラシア擬似密林にけものの声なし

 ・ 天の階あらば逃れよ金糸猴日本の荒星こよひ間近し

 ・ 夕暮れを猿かホァエー寒いと鳴く来てよとは鳴かぬその声透る






コメント (1)
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