575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

初あかり小さき古墳を抱く街に  亜子

2019年02月05日 | Weblog

初あかり。元日の朝、東の空がほのぼのと明るくなること。
また、さしてくる明け方の光のこと。

名古屋市のど真ん中、大須に小さな古墳があります。
那古野山古墳(なごのやまこふん)です。

6世紀の初め、継体天皇の時代に築かれた古墳群のひとつ。
被葬者はわかっていませんが、尾張氏の一族では、と考えられています。
いくつも古墳があったのですが、唯一残ったのがこの古墳。
江戸時代には半分に削られて、庭の築山として活用されていました。
明治に入っても破壊の危機を免れ、公園の一部となって生き残りました。
現在では周りをビルに囲まれた状態となっています。

小さな古墳を抱くように眠っていた街。
新年の光がさしてきます。高い視点からの映像が浮かんできます。
変化をしながらも古い遺跡をのこして発展してきた街。
その長い時間を感じさせる句です。(遅足)

コメント
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