575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ひと口感想です。   遅足

2019年02月21日 | Weblog
恒例のひと口講評、今回はピンチヒッター。よろしくお願いします。

①春寒や古き良き邸更地なり・・・○○邸と呼ばれたお屋敷も更地に。季節も世代も移り変わるのは常とは言え・・・。

②春寒を独り舞台の幕間かな・・・作者は舞台を観ているのか?舞台に立っているのか?その幕間は春寒の頃。

③獅子舞うや明日大輪の牡丹の芽・・・連獅子。子が舞う姿を観て大輪に、と願うココロ。牡丹の芽ならではの一句。
                
④天の原無音デシベル梅香る・・・空は真っ青。音もなく静寂。梅の香が。視覚・聴覚・嗅覚を動員した一句。中七の「無音デシベル」この斬新な表現!

⑤風を受け何やら秘める牡丹の芽・・・まだまだ小さな芽ですが、おおきなものを秘めています。明日はどんな姿?

⑥獣(じゅう)の爪やがて見参牡丹の芽・・・あの強い獅子も虫には弱い。牡丹によって守られているという。

⑦人知れぬ老女の覚悟牡丹の芽・・・人はそれぞれ心に秘めたものを持っています。もう一花咲かせる夢でしょうか?

⑧春寒や引越し荷物山高し・・・子供の旅立ち。山のような引っ越し荷物。さみしい親心・・・

⑨料峭を楽しみペダル踏む親子・・・こちらは、まだ小さな子供。ともに冷たい空気を切ってペダルを。

⑩春寒の路上にふたりパンを売り・・・ひとりではなくふたり。その暖かさ。

⑪海からの風に濡れたる牡丹の芽・・・心象風景でしょうか。

⑫春寒や晩学の書を積むばかり・・・日差しも長く、暖かくなったら読書三昧。気持ちがよくてつい居眠り・・・

⑬春浅し 寒さの中に つぼみあり・・・中七の「寒さ」を推敲したら良い句に。

⑭花の名を思ひ出せずに春寒し・・・名前が出てきません。イメージは右脳、名前は左脳が担当。左脳よガンバレ。

⑮稚児の舞う五十鈴神楽の春寒し・・・鈴の音は神様にこちらを見て下さいという合図。可愛らしい子供の舞う神楽。春はそこまで。


次回の題詠は「亀鳴く」あるいは「草餅」です。

                 

コメント
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