575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

草紙洗(さうしあらひ)といふ名の椿まだ咲かず  佐保子

2019年02月15日 | Weblog


殿様の評を紹介します。

草紙洗。能の演目です。シテは小野小町。ワキは大伴黒主。
二人は歌会で競うことになりました。
勝ち目がないと思った大伴黒主は一計を案じます。
小町の歌を盗み聞きして、歌会に臨みます。
当日、小町が歌を詠むと、黒主は、万葉集からの盗作であるといい
加筆しておいた草紙(万葉集)を示します。

その草紙をじっと見ていた小町。水を張った銀の盥に投げこみます。
すると加筆された文字は水に流れ消えてしまいます。
嘘がばれた黒主は自害しようとしますが、小町は嘘は水に流れたと
寿ぎ、美しい舞いを披露するという一番です。

この句、読み手が想像の羽を広げれば、椿を小野小町とし
「小野小町の舞いは、まだみれぬ」とも解釈できます。
奥深い句として評価。
とまれ、作者が小野小町の一差しを楽しめるのはしばらく先のようです。

           

すばらしい読みですね。
草紙洗、という椿。どんな花なんでしょう?遅足
コメント (1)
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