私にとって、幼い頃から蓬を摘み取ることは草餅をつくることでした。
今でも春に若い蓬を見ると故郷の景色が浮かびます、と幸泉さん。
ある年齢から上の世代には懐かしい風景です。
私も母に連れられて蓬を摘んだ記憶がよみがえってきました。
あの大きな、田舎風の草餅・・・
老健に少女訪なひ母子餅 千香子
こちらは、今の子供たちを詠んだ句。
お店で買った草餅が手土産ですね。
きっと、お祖母さんのお気に入りの店のもの。
おしゃべりをしながら、春の味を楽しんだことでしょう。
昔は、草餅のことを母子餅と言ったようです。
この句の場合、少女・母・祖母という女系を連想。
季語が生きていると思います。(遅足)