575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

亀たにし鳴けど帰らぬ拉致の人   等

2019年03月31日 | Weblog

亀鳴く、とともに、田螺も春の季語。
タニシ科の巻貝で、水田や池沼などの泥地に棲んでいます。
冬は泥の中にひそんでいますが、水が温かくなると、
泥の上を這いまわります。
季語に「田螺鳴く」がありますが、鳴くことはありません。
作者は亀だけではなく田螺も鳴かせました。
しかし拉致された人々は、日本へは帰ってきません。

  汚染土はそのままだねと亀鳴きぬ  能登

福島の原発事故から8年。こちらは亀の声を聞いています。
事故による汚染は一向に解消されていません。
亀は本当のことを言います。
ともに作者の希望を亀に託した句です。             

明日、新しい元号が発表されます。平成から新しい御代へ。
しかし、もの言えば唇寒しの時代にならなければ良いですが・・・。
亜子さんからお便りをいただきました。
歌人の永田和弘さんの講演を聞きにいったそうです、
そのなかで心に残った永田さんの一首。

  権力にはきつと容易く屈するだろう弱きわれゆゑいま発言す

亀も人間も自由にものが言える世の中を守りたいですね。(遅足)

コメント
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