575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

よもぎ餅練りこむ鉢の青臭さ  殿

2019年03月27日 | Weblog

香りとか美味しいとか、とかく情緒に流れそうな題を
冷静に観察し、特に“良いかおり“とされる匂いの素を
”青臭い“と感じ表現したことは良いと思います、と等さん。

殿さまからは。
「よもぎ餅」は白玉と蓬を使用。
しかし平安時代は蓬ではなく、春の七草の御形<ごぎょう>を使用。
御形の別名は「母子草」<ははこぐさ>。
そのため、江戸時代になると、母子を一緒に煮るのはよくないと
験を担ぎ蓬になったといわれています。

落語の「蛇含草」<ジャガンソウ> 。餅の食べ過ぎがあらすじ。
強力な消化能力の薬草で、身体まで溶けてしまうというちょっと怖い話。
ちなみに、蓬の薬草名はガイヨウで、ゲンノショウコ、センブリと同じ胃腸薬。
しかし甚平を着て餅の食べ過ぎにはご注意。
その理由は落語でお楽しみください。

https://rakugonobutai.web.fc2.com/231jagansou/jagannsou.html

遅足の蛇足です。
平安時代の歌人・和泉式部の歌集には、
手筥(てばこ)にくさもちひ(草餅)入れて奉る、と前書きして

  花のさと心も知らず春の野に いろいろつめるははこもちひ(母子餅)ぞ

という歌があります。
この「ははこ餅」が草餅ですね。砂糖が普及するのは江戸時代以降。
和泉式部が食べた草餅は、どんな味だったのでしょう?
コメント (1)
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