575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

払暁に 病葉<わくらば>散りて 心ゆれ <殿>

2020年06月07日 | Weblog


注釈。未曾有のコロナ禍。世界は過渡期を迎えてい
るのかもしれません。早朝、微かな物音で目覚めま
した。病葉<わくらば>の散り落ちる音でしょうか。
心が揺れ動きます。

病葉<わくらば>は夏の季語。青葉の生い茂る季節
に病害虫などで朽ち落ちゆく葉のことです。コロナ
禍にざわめく心を詠んだ時事句のつもりだったので
すが稚拙な表現のため凡句となりました。

実は、この句の発想のスタートは万葉集「この里は
継ぎて霜や置く 夏の野に 我が見し草は もみちたり
けり」<万葉集 巻19-4268> この歌の題詞「黄葉せ
る沢蘭一株」は世界最古の植物ウイルスの記録とい
われています。この万葉集に詠まれたヒヨドリバナ
のウイルスについては英科学誌ネイチャーに掲載。
ちなみに、名前は「ジェミニウイルス」との由。

「病葉落つ 輪廻をひとつ 終えし夜に」<石田波郷>

構成と写真<殿> 
コメント (1)
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