575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

枇杷の実や 隠れ平家の 味を秘め <紅>

2020年06月27日 | Weblog


枇杷と平家から 小泉八雲 著「耳なし芳一」を
連想しました。小泉八雲。本名「ラフカディ・
オハーン」<Patrick Lafcadio Hearn>彼のオリ
ジナルではなく、一夕散人著の 臥遊奇談 第二巻
「枇杷秘曲泣幽霊」が原典とされています。舞台
は「馬関」いまの山口県下関。安徳天皇や平家一
門を祀ったとされる阿弥陀寺はいまの赤間神社の
こと。物語のあらすじはあまりにも有名なのでこ
こでは記しません。類話は日本全国にあり、信濃
の善光寺でもきわめてよく似た伝承を聞いた記憶
があります。

日本の山深い里に残されている平家の落人伝説。
柳田國男によると武士というより平家にゆかりの
ある人々が逃れ移り住んだと考える方が無難のよ
うです。ところで、壇ノ浦で亡くなったされる幼
い安徳天皇。高知県の越知<おち>には安徳天皇陵
があり非常に深い山奥にも関わらず歴代の皇族と
変わらない贅を尽くした石陵が現存しています。
俳句に話を戻します。作者は、平家物語に思いを
馳せ枇杷の実を食しています。風にのり枇杷の音
も聴こえたかもしれません。

写真と文<殿>

コメント (1)
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