575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

新蕎麦の香の恋しかり夫の病む 佐保子

2020年11月27日 | Weblog
新蕎麦というのは、やはり香りが違うのでしょうか。
そば通の方に聞いてみたいです。

選んだ方のコメントです。
◆香が恋しいという表現からまた一緒に食べたい、だけでなく
楽しかった頃を思い出す切なさを感じました。(竹葉)

◆病に襲われた時はつらいですよね。 香り少しでも心安らぐといいですね。 病を少しでも忘れて・・・。(結宇)

私もとりました。
今年の新蕎麦を食べることは叶わないのでしょうか。ちょっと切ないですね。

辛いとき、人は楽しかった思い出を手繰り寄せます。
そのときに「香り」は重要な役割を果たしてくれます。
というのも嗅覚は、視覚や聴覚とは違い、
偏桃体と海馬という記憶と感情を処理する部位につながっているからだそうです。
花の香りや食べ物の香りなどが、記憶を呼び覚ますきっかけになったりもします。


この句は、香の恋しかり~ですから
作者の「香り」にともなう記憶はあざやかでしょう。おそらく夫との共通の思い出。
たくさん年月を重ね、思い出も多ければこその夫婦の情愛を感じます。
逆に思い出を語りあうことで、香りがたってくるのかもしれませんね。郁子

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする