575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

「窓烏」

2020年11月28日 | Weblog


吉行和子<よしゆきかずこ> 1935年 都内の生まれ。
父は詩人で作家の吉行エイスケ、母親は連続テレビ
小説「あぐり」のモデルになった美容師。兄は作家
の吉行淳之介で妹は詩人の吉行理恵。吉行は文筆業
の家に育っています。そのため、家族間の会話がな
く孤独になれた子どもといった印象があります。

「とげぬきの 地蔵洗ふや 夏の雲」<窓烏>

1954年に女子学院高等学校を卒業。劇団民藝の裏方
に入団。しかし「アンネの日記」の主役に急遽抜擢さ
れ女優の道を歩むことになります。1974年「紀伊国
屋演劇賞」を受賞。1978年の「愛の亡霊」では「日
本アカデミー賞」を受賞するなど与えられた役柄を大
胆に演じきる女優として賞賛を浴びています。

「眺めよき 夏の野菜を 買ひ揃へ」<窓烏>

俳句は、岸田今日子と冨士眞奈美に勧められ始めて
います。俳号は「窓烏」 <まどからす> いまは亡き
冨士眞奈美と「おんなふたり奥の細道 迷い道」を共
著。出版記念会では、女優業より随筆を生業とした
いと黒柳徹子やタモリに語っています。

「恋といふ 字の遠ざかり 梅雨明ける」<窓烏>

吉行は「伊藤園おーいお茶新俳句大賞」で審査員を
務めています。当賞は応募句数200万。応募人数50
万人を数える日本を代表する俳句の祭典といわれて
います。吉行は選定にあたり、花鳥風月に縛られな
い自由で明るい句に出会いたいと語っています。

「語ること 多く残して 寒椿」<窓烏>

吉行和子。現在85歳。女優、エッセイスト、俳人。
最新の著作「老嬢は今日も上機嫌」新潮文庫刊。孤
独と向き合う女性。爽やかな読後感が楽しめる一冊。

「そしていま、一人になった」<窓烏>

写真と文<殿>
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