575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

殊更に強面で来た三四月 朱露

2009年03月22日 | Weblog

     陽気といい人事といい春はざわつく。
     勝手な感慨だが私の心身に良くない。
     桜は散らず人は落第しなければいい。
     春不機嫌な人物は我が党の士である。

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栃木にいろいろ雨のたましいもいたり  阿部完市

2009年03月22日 | Weblog
ひさしぶりに「なんだコリャ俳句」
難解で知られた阿部完市の句です。

☆ 最初、女子高生の句かな?と思ったり。
栃木と言われてもイメージが沸かないけれど、
栃木で電車を降りたら、雨がふっていて、もやっとしている。
ビニール傘を広げると雨粒が・・・
そこには雨のたましいもいたり・・・猫もいたりして・・・。

○ そういう句なの?

○ とにかく読んでも全然何を詠っているのか、分からない。

○ なんだコリャ度は高い。

◎ ユニークな句。作者は精神科の医者。
現代俳句のなかでもユニーク。
いのちの瞬間、瞬間の、我々が気付かない生(なま)の動きをおさえている。
栃木は、イメージは関係ない。語感。
群馬ではカタイ。埼玉ではダサイ。栃木くらいが丁度いい。
イメージがわかなくていい。語感だけのとちぎ。
とちぎにいろいろ雨のたましいもいたり。

○ 歌詞になりそう。

○ 井上陽水さんが歌っていそう。

   

阿部完市の句をいくつか。

鮎たべてそっと重たくなりにけり

やらやらと朝やってくる蝶氏など

すとんとすわりけり陸奥のくにの奧雨男

遠方はざらざらしてるかんけり

(写真は庭に咲いた菫です。  遅足)


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3月句会の最終結果です。

2009年03月21日 | Weblog
立雄さんの選句が届きました。

題 詠「春の宵」
1 艶やかにひとさし舞うや春の宵(愚山)
2 ぬる燗で花林糖齧る春の宵(朱露)狗子・郁子・晴代・結宇
3 春の宵閑所にひとり子の駆けり(結宇)亜子
4 鬼退治艦隊出撃春の宵(愚足)静荷
5 小走りの文目濃き裾春の宵(晴代)静荷・狗子・結宇・能登
6 手を引かれ公園ぶらり春の宵(立雄) 
7 老いてなお二人がいいな春の宵(能登)郁子・静荷・鳥野・愚山
8 含め煮に箸そろう音春の宵(郁子)麗子・晴代・遅足・鳥野・能登
9 春宵をひろげて尾張名所図会(遅足)愚足・亜子・狗子・結宇・能登・朱露・立雄
10 丁寧に夕刊を読む春の宵(麗子)晴代・鳥野
11 往年の美女番台に宵の春(亜子)愚山・童子・朱露
12 句座を得てふと命惜し春の宵(静荷)愚足・麗子・亜子・郁子・遅足・愚山・立雄
13 春の宵少年たちの秘密基地(狗子)愚足・麗子・遅足・朱露・立雄 
 
自由題
1 梅林に響く羽音とシャッター音(麗子)亜子・能登
2 雛しまい今年も部屋の広さかな(愚足)麗子・晴代・童子
3 納棺の所作こまやかに梅の花(亜子)静荷・狗子  
4 茎立ちや国のプライドあはれとも(静荷)愚足・遅足
5 不器用な愛とも思う犬ふぐり(遅足)亜子・静荷・結宇・立雄 
6 山並みを眺めて暮れる春炬燵(朱露)晴代・能登・立雄
7 托鉢のたもとに透くや梅数片(結宇)郁子・狗子 
8 白木蓮曲尺光る道具箱(晴代)静荷・狗子・結宇・郁子・愚足・麗子・亜子・遅足・鳥野・朱露
9 啓蟄や狭きサウナのうす灯(狗子)愚足・晴代・遅足・鳥野・童子・朱露
10 「それでよい」と背中ゆするや春列車(郁子)結宇・能登・朱露
11 乳色のつぼみのうぶげ風光る(能登)
12 うどん屋のおしながきにも春見つけ(愚山)麗子・郁子・鳥野・立雄
13 ティータイム匂いこぼれるヒヤシンス(立雄)  

☆次回は、4月15日(水) 6時 安田屋
 詠題は、「草餅(蓬餅)」「蕨餅」「鶯餅」「桜餅」
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春深し湿原の朝人に会う   朱露

2009年03月21日 | Weblog

    近くて遠い「葦毛湿原」へ何年ぶり。
    太古多米の山裾は全て湿原だと思う。
    傍若無人に鶯が鳴く静寂の中に入る。
    突然青年が出現し双方ギョッと挨拶。



       (写真は白木蓮です。遅)

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水雲酒妻妹と旅に出る   朱露

2009年03月20日 | Weblog

  私が遠出を嫌うので妹と旅に出た妻。 
  大威張りで妹と遊べる私の深慮だが。
  妹は亭主を亡くしていて渡りに船だ。
  モズクを水雲と当てるセンスは流石。

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ヒヨドリ        草女

2009年03月20日 | Weblog
11月頃から、庭に来る鳥のため蜜柑や林檎などを木の枝にさしている。いつもは3月下旬頃ヒヨドリが大量にやってくるので、餌やりを終える。あの騒々しい鳴き声となんともいやな色の糞に降参している。嫌いな鳥ランキングのアンケートすれば上位になるだろう。今年は一か月も早く群れをなしてきたので、餌やり中止がはやまった。
可哀そうなのはメジロで、暫く庭でうろうろしていて姿をけした。
五箇山のこきりこ節のなかに「向かいの山になくひよどりは、ないては下がりないては上がり、朝草刈りの目をばさます。」という歌詞がある。ヒヨドリは深山の鳥であった。 信じられないが6,70年前から町に出てきて、すっかり町の鳥になった。キジバト、ハブトガラスも同じように山や森から町にでてきた。住処を奪われて町に来てみたら、意外にも住みやすかった。といってもそれだけ彼等の順応性が高いということの証、何でも食べ、何処でもねぐらのすることができるのだ。
1年中いるヒヨドリだが、渡りをするものもいる。伊良湖岬でサシバの渡りを観察していたとき、ヒヨドリが群れて渡って行くのにであった。羽が日に透けて美しく固まった群れはオブジェのようであた。 なぜ留まったり、渡ったりするのか?個体は同じか違うのか?弱いものが渡り、強いものが残るという説や木の実の出来具合という説などがあるが、本当のところはわかっていない。
深山に留まり、個体の数を減らしていれば、「あっ、ヒヨドリ!」なんて言われるかも。でも今は、「なーんだ、またヒヨか。」といわれている。バードウオッチャ-に嫌われても、そんなの平気。この町で生き抜く賢さに脱帽。

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奥伊吹    

2009年03月19日 | Weblog
先の日曜日、奥伊吹のほうに行ってきました。
伊吹山が前日の雪で白くなっていました。
山をバックに梅と、狙ってみました。

            角壽


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大昔のジャック・ヒギンズ読む彼岸   朱露

2009年03月19日 | Weblog

      12年前の「鷲は舞い降りた」をまた読む。
      埃だらけのすっかり黄ばんだハヤカワ文庫。
      全部忘れているから実に新鮮で呆れ果てる。
      これじゃ彼岸も此岸もあったもんじゃない。 

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春の宵   麗

2009年03月19日 | Weblog
昨夜の句会の兼題は「春の宵」。
安田屋さんでにぎやかな春の宵でした。

私が選ばせて頂いた静荷さんの

      句座を得てふと命惜し春の宵

この句を声に出して読んだ時なんだか幸せな気持ちになりました。その
静荷さんからはもぎたてのなばなを頂きました。感謝の気持ちを込めて。。

      句座を得てなばな頂く春の宵  麗

パクリですみません。

ところで郁子さんの

      「それでよい」と背中ゆするや春列車

の解説を聞いて思い出したユーミンの歌。
ユーミンが列車のガードレールに響く音を聞いて作ったと言われている曲は
「情熱に届かない~Don't Let Me Go」でした。

[Don't let me ,don't let me go」というフレーズが
走りゆく快速列車のガタンゴトンに聞こえます。

1991年の発表されたアルバム「DOWN PURPLE」の中に収録されているので
久しぶりにCDを引っ張り出して聞いてみました。
あの頃感じていたことや、夕暮れのちょっぴりせつない気持ちを思い出しました。

「忘れたくないあのときの夢 今は情熱に届かない」
という歌詞もなんだかぐっと来ました。
忘れていた曲を思い出させて下さった郁子さんの句に感謝しながら
CDを聞いています。

     句座を得てユーミンを聴く春の宵   麗
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三月の句会の結果です          愚足 (遅足)

2009年03月18日 | Weblog
題 詠「春の宵」

1 艶やかにひとさし舞うや春の宵    (愚山)
2 ぬる燗で花林糖齧る春の宵      (朱露)狗子・郁子・晴代・結宇
3 春の宵閑所にひとり子の駆けり    (結宇)亜子
4 鬼退治艦隊出撃春の宵        (愚足)静荷
5 小走りの文目濃き裾春の宵      (晴代)静荷・狗子・結宇・能登
6 手を引かれ公園ぶらり春の宵     (立雄) 
7 老いてなお二人がいいな春の宵    (能登)郁子・静荷・鳥野
8 含め煮に箸そろう音春の宵      (郁子)麗子・晴代・遅足・鳥野・能登
9 春宵をひろげて尾張名所図会     (遅足)愚足・亜子・狗子・結宇・能登
10 丁寧に夕刊を読む春の宵      (麗子)晴代・鳥野
11 往年の美女番台に宵の春      (亜子)
12 句座を得てふと命惜し春の宵    (静荷)愚足・麗子・亜子・郁子・遅足 
13 春の宵少年たちの秘密基地     (狗子)愚足・麗子・遅足 

 
自由題

1 梅林に響く羽音とシャッター音     (麗子)亜子・能登
2 雛しまい今年も部屋の広さかな    (愚足)麗子・晴代
3 納棺の所作こまやかに梅の花     (亜子)静荷・狗子  
4 茎立ちや国のプライドあはれとも   (静荷)愚足・遅足
5 不器用な愛とも思う犬ふぐり      (遅足)亜子・静荷・結宇  
6 山並みを眺めて暮れる春炬燵     (朱露)晴代・能登
7 托鉢のたもとに透くや梅数片      (結宇)郁子・狗子 
8 白木蓮曲尺光る道具箱         (晴代)静荷・狗子・結宇・郁子・愚足
                          麗子・亜子・遅足・鳥野
9 啓蟄や狭きサウナのうす灯       (狗子)愚足・晴代・遅足・鳥野
10 「それでよい」と背中ゆするや春列車 (郁子)結宇・能登
11 乳色のつぼみのうぶげ風光る     (能登)
12 うどん屋のおしながきにも春見つけ  (愚山)麗子・郁子・鳥野
13 ティータイム匂いこぼれるヒヤシンス (立雄)  

☆次回は、4月15日(水) 6時 安田屋

 詠題は、「草餅(蓬餅)」「蕨餅」「鶯餅」「桜餅」
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3月句会の投句が揃いました。  遅足

2009年03月18日 | Weblog
今回の題詠は「春の宵」
なかなか力作揃いです。

1 艶やかにひとさし舞うや春の宵  
2 ぬる燗で花林糖齧る春の宵
3 春の宵閑所にひとり子の駆けり
4 鬼退治艦隊出撃春の宵
5 小走りの文目濃き裾春の宵
6 手を引かれ公園ぶらり春の宵  
7 老いてなお二人がいいな春の宵
8 含め煮に箸そろう音春の宵
9 春宵をひろげて尾張名所図会  
10 丁寧に夕刊を読む春の宵
11 往年の美女番台に宵の春  
12 句座を得てふと命惜し春の宵  
13 春の宵少年たちの秘密基地

 
自由題

1 梅林に響く羽音とシャッター音
2 雛しまい今年も部屋の広さかな
3 納棺の所作こまやかに梅の花  
4 茎立ちや国のプライドあはれとも  
5 不器用な愛とも思う犬ふぐり  
6 山並みを眺めて暮れる春炬燵
7 托鉢のたもとに透くや梅数片  
8 白木蓮曲尺光る道具箱
9 啓蟄や狭きサウナのうす灯
10 「それでよい」と背中ゆするや春列車
11 乳色のつぼみのうぶげ風光る
12 うどん屋のおしながきにも春見つけ  
13 ティータイム匂いこぼれるヒヤシンス  

さて、今回はどの句が注目を集めるのでしょうか?
句会が楽しみです。
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哀愁のピエロ  鳥野

2009年03月17日 | Weblog
このところ、美術の話題の中で、ルオーとマティスの往復書簡がよく取り上げられます。
画風の全く異なる巨匠2人がお互いに「親愛なる・・・」と呼びかけあって、手紙をやり取りしていたことは、耳新しい。
そのうえ、2つの大戦の戦火をくぐって実物が残ったことは稀有といえましょう。

そんな話題に触れるたび、昨秋名古屋で開催された「マティスとルオー」展を思い出します。

この展覧会は出展された作品の選ばれ方や構成が、素人目にも出色。3度も観に行ったという人が今も生き生きと感激を語ってくれます。

重いのを我慢して持ち帰った図録は、編集も発色も上出来でわが愛蔵書。折々開いては、鈍った感性を刺激してもらっています。

絵を詠うことは、至難。冒涜にもなりかねませんが。

 ・ 今もなお亜麻仁油のにおい立つごとくルオーのおんな息づきており

 ・ 傷隠すすべなきピエロ眼差しのうちにルオーの視線こもりて

 ・ たっぷりと黒ふくませた筆のあと女体の窪みにためらいのなく

                         鳥野

   
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草競馬          愚足

2009年03月16日 | Weblog
 温かさと空の青さと、連れ合いに急かされて木曽三川に土筆を摘みに行った。
夕食に卵とじにできる程度には摘むことが出来た。

 ところで、帰り道、の公園に多くの人々がいききしていて、入口に「多度草競馬会」とある。あわてて引き返し「草競馬」なるものを見学することにした。

 市のふれあい公園の一部に立派な競馬場がある一周五百メートルはありそうだ。
 つぼみが膨らみかけた桜に囲まれた土手には三四百人の人々が座り込んで声援している。
 司会・仕切り役の老人が仮設メインスタンドで、もうすっかり一杯機嫌でおもしろおかしく進行していた。

 私たちが見たのは最終のメインレース。
 地元三重県と長野からやってきた駿馬? 五頭。
 なぜか 老人の「じゃあ・・行こうか」で何となくスタート。春泥の馬場五周である。しかし 結構迫力はあった。カメラに向かってくる馬たちは一生懸命であった。

 ちなみに一着は、「とってもいい子」二着は、「勝っていいのか」であった。

   春泥に声の飛び交う草競馬     愚足
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春霖やソマリアへ行く鉄の船   朱露

2009年03月16日 | Weblog

      シュンリンは春の長雨。ソマリアは、
      アフリカ東端の民主共和国人口百万、
      その北方アデン湾に海賊が出没する、
      などを抜きに、句だけを見て下さい。


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敗戦と希望 ④            塩田丸男

2009年03月15日 | Weblog
私には秋元氏や安住氏のような秀句は残念ながらないが、一句披露させていただく。
   敗兵となりたる汗を掌で拭ふ      

 昭和二十年の八月は記録的な猛暑であった。ソ連軍の追撃をかわして内蒙古から山の尾根伝いに北京まで逃げる道のりの長かったこと!!!!!
 ハンカチもタオルもない。あふれるように噴き出す汗を何百回掌で拭ったことか。ああ、あの汗!! 敗兵の汗!!
という気持ちを素直に述べただけの句ではあるが、私には忘れられない一句なのである。

☆小学館「週刊日本の歳時記」より

★短歌ならまだしも、十七文字の俳句で戦争体験を表現するのは至難の業である
 しかし、この三句を読んでその可能性を知った次第である。(まもる)
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