575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

稲光り          愚足

2009年06月22日 | Weblog
 次回の句会のお題は「雷」だそうである。
 雷の魅力は雷鳴と稲光にある。
 いずれかが無かったら、オヤジより下位にランクされたであろう。

 近くの雷鳴はの脳天を打たれた様な衝撃があり、
 稲妻の閃光は体を貫いて障子に骸骨が映る。

  稲光りわたしは透きとほらねばならぬ  富沢赤黄男

 日本中に稲妻が落ち続け、諸悪を閃光で焼き透明にせねばならぬ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

徳田秋声文学碑     遅足

2009年06月22日 | Weblog
金沢へ遊びに行ってきました。
卯辰山には泉鏡花や鶴彬の句碑のほか、
徳田秋声の文学碑もありました。

昭和18年に亡くなっていますが、
添え書きは室生犀星の手になるもので、
絶句が記されていました。

 生きのびてまた夏草の目にしみる

   

夏のような暑い日でした。

なお、6月句会の最終結果が出ました。
水曜日をごらん下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

虱いる暗い日本の餓鬼だった   朱露

2009年06月21日 | Weblog


       シラミという昆虫で哺乳類の血を吸う。
       羽根はなく眼も退化し縫目に行列する。
       こう書いていて総毛立つ虱の日の暗さ。
       虱をもたらしたもの全て絶対に許さぬ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「かぐや」お役目終了   遅足

2009年06月21日 | Weblog
月探査衛星の「かぐや」が月面に投身、
お役目を終えたそうです。
このニュースを読んで、この句を思い出しました。

水の地球すこしはなれて春の月  正木ゆう子

科学は俳句にどんな影響を与えるのか?
そんなことを考えさせる句です。
この句の視点は地球でも月でもなく
まさに宇宙船のなかからのもの。

作者の想像力がつくらせた句であっても
読者の側に読み取る力がなければ句として成り立ちません。
つい、半世紀前までなら、この句は荒唐無稽として退けられたでしょう。

しかし、ソビエトの人工衛星が飛び、人間が宇宙空間に出る。
さらに「かぐや」からの映像が月に上る地球の姿を映し出す。
こうした科学技術の成果があって、
読者のなかに、この句に共感できる条件が整ったわけです。

俳句が自然を詠むものであるとしたら、
科学は、自然の境界を大きく広げてくれたわけで、
それだけ俳句の領域も広がったことになります。

「かぐや」さん、ご苦労様でした。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梅雨の朝全米オープン矢野東   朱露

2009年06月20日 | Weblog


       今年は断固矢野東の追っかけに廻る。
       今田竜二も無論いいが女房が居るし。
       ゴルフは爽やかでカッコ良くないと。
       どんなに上手くても威張る奴はダメ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラショウモンカヅラ(羅生門蔓)      草女

2009年06月19日 | Weblog
 いかにも曰くありげな名前のこの花に初めて会ったのは上高地である。6月初
め上高地では様々な花を見るとことができる。 大正池から河童橋、河童橋から
明神池、高くてコーヒーすら飲めない帝国ホテル周辺など、地面を少し注意してみれば、たくさんの花にあえる。河童橋から明神池まで行かれるなら右岸の砂利道がお勧めである。

 ラショウモンカズラはどこにでもあるが、田代橋のトイレ付近に群生している。 花の茎20~30cmなのに花が10個近くも付く。花の長さ(シソ科なので筒状)が4~5cmもあり、豪華でもあるがアンバランスな感じをうける。この長い花を羅生門で渡辺綱切り落とされた鬼の腕(肘から下)になぞらえての名前。

 昔父親からきかされた話を思い出す、京の都では夜な夜な鬼が出て人々を苦しめていたのを源頼光の家来の渡辺綱が退治することになったが、鬼も強くて彼は鬼の腕を切り落とすことができただけ。鬼は乳母に化け、綱から腕を取り戻すとたからかに大江山にかえっていった。そこから源頼光の鬼退治の話につながる。

 シソ科には他にも花の筒が長いものがおおくある。でもこのラショウモンカズラは異様に花が大きい。それを鬼の腕に見立て、婉曲に羅生門と言っているのがいかにも憎い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水無月句会

2009年06月18日 | Weblog
梅雨の晴れ間に行われた水無月句会。
なぜか架空の兜太先生が登場しました。
(安藤さんが兜太ばりの批評をして下さいます)

六月の重たい感覚を詠んだ句が多いなか
静荷さんの

     六月や空気の読めぬ人といて  

というKYという流行語をうまく読み込んだ句がトップ賞に。
時代を象徴することばを17文字に入れ込むのは瑞々しい感じがします。

同じく静荷さんの
オタマジャクシが降ってくる怪奇現象?を詠んだ

     蛙の子天から降って水無月来

も鮮度ナンバーワンでした。

立雄さんの

     出口なき記事の溢れる梅雨の入り

現代のいいようもないニュースに気が滅入る今日この頃、

なぜか申し合わせたように俳句の中で恋に走る

私と郁子さんでした。
ちなみに私の俳号は
麗子あらため「もどか」になりそうです。
「黛まどか」もどきだからです。

     水無月やまどかの恋のまねをして   もどか
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6月句会の最終結果です。  遅足

2009年06月17日 | Weblog
出席が7人と、ちょっとサミシイ感じでしたが、
相変わらず笑いのあふれた句会でした。
立雄さんの選句を頂きました。最終結果です。


題詠「六月」

①父の日や水無月の菜食卓に(立雄)能登
②水無月や飛行機雲の崩れ行き(結宇)朱露・鳥野・遅足
③六月や園児の腕に雨重し(晴代)鳥野・童子・狗子・静荷
④六月の湧き水眩し和紙の里(亜子)愚山・愚足・晴代・静荷・郁子
⑤六月の死は重く空に漂う(能登)狗子
⑥六月の穴があくびを噛み殺す(遅足)愚山・愚足
⑦六月やアザラシのただ周遊す(愚足)鳥野・童子・麗子
⑧水無月やアクアマリンの恋をして(麗子)狗子・亜子
⑨六月や空気の読めぬ人とゐて(静荷)愚足・朱露・能登・童子・亜子・郁子・立雄
⑩六月予行演習する幽霊(狗子)能登・晴代・静荷・郁子・麗子
⑪六月やよくぞここまで生きてをり(愚山)遅足・亜子・麗子・立雄
⑫水無月の波紋ひろがる恋心(郁子)愚山・朱露・遅足・晴代・立雄


自由題

①切れそうで切れぬ現世の蜘蛛の糸(亜子)愚山・遅足・狗子・立雄
②川べりに咲くくちなしの白さかな(愚山)鳥野
③帰り途しばしを月のあじさいと(遅足)亜子・郁子・麗子
④胸元にターコイズの青夏来る(麗子)能登・童子・遅足・晴代・郁子
⑤部活動声かすれあり夕葵(晴代)朱露・狗子・静荷
⑥蛙の子天から降って水無月来(静荷)愚山・愚足・朱露・鳥野・遅足・亜子・麗子
⑦五月雨に風鈴を聴く夜明けかな(愚足)愚山・能登
⑧今日傘いる?聞くのが日課かたつむり(郁子)晴代・静荷・麗子・立雄
⑨つくばひや天蓋余る雲の峰(結宇)愚足
⑩梅花藻の咲きたる村に天女住む(能登)童子・狗子・郁子・立雄
⑪出口なき記事の溢れる梅雨の入り(立雄)愚足・朱露・鳥野・童子・晴代・静荷・亜子
⑫昭和の灯夜店のお化屋敷かな(狗子)能登

番外  六月や金魚の墓を立てにけり(麗子)

    

次回は7月15日(水)午後6時 安田屋

    

題詠は「雷」です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

気がつけばひたと海月の包囲網   朱露

2009年06月17日 | Weblog

     くらげ(海月・水母)は鉢虫網刺胞動物。
     囲まれたら絶対触らず突破するしかない。
     確固たる信念がないその日暮らしの輩だ。
     だがチクチクチクる猛毒があるので注意。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サビタの花         鳥野

2009年06月16日 | Weblog
「あれはサビタの花ですよ」 宿の女将は、山裾に残雪のように見える花群れを指して、説明してくれました。

サビタの花、なんという叙情的な名。思い出すのは、アイヌのメノコと和人の悲恋の歌、そして原田康子の挽歌。

ところが、この花。またの名は「糊空木」。日本中のどこにでも自生し、樹皮の粘性が製紙用の糊に利用されてきました。

糊空木、ノリノ木、サビタ、同じ花なのに、こんなにも印象の異なる呼び名。

 ♪ たれを待つのかメノコの胸に悲しく咲いたサビタの花よ・・・

先日の草女さんのBLOG投稿からの連想です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6月句会の投句が集まりました。  遅足

2009年06月16日 | Weblog
梅雨に入ったものの、雨はほとんど降りません。
梅気象台が、雨入りを発表したら、
天気が続くには毎年のことのようです。


題詠「六月」

①父の日や水無月の菜食卓に
②水無月や飛行機雲の崩れ行き
③六月や園児の腕に雨重し
④六月の湧き水眩し和紙の里
⑤六月の死は重く空に漂う
⑥六月の穴があくびを噛み殺す
⑦六月やアザラシのただ周遊す
⑧水無月やアクアマリンの恋をして
⑨六月や空気の読めぬ人とゐて
⑩六月予行演習する幽霊
⑪六月やよくぞここまで生きてをり
⑫水無月の波紋ひろがる恋心


自由題

①切れそうで切れぬ現世の蜘蛛の糸
②川べりに咲くくちなしの白さかな
③帰り途しばしを月のあじさいと
④胸元にターコイズの青夏来る
⑤部活動声かすれあり夕葵
⑥蛙の子天から降って水無月来
⑦五月雨に風鈴を聴く夜明けかな
⑧今日傘いる?聞くのが日課かたつむり
⑨つくばひや天蓋余る雲の峰
⑩梅花藻の咲きたる村に天女住む
⑪出口なき記事の溢れる梅雨の入り
⑫昭和の灯夜店のお化屋敷かな

番外  六月や金魚の墓を立てにけり





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雀の句         愚足

2009年06月15日 | Weblog
 庭の雀が騒がしい。窓際に樋で作った餌台に妻が気前よく餌を置くからである。
 騒がしいが可愛くもある。暫くは見ていて飽かない。
 雀と言えば一茶の句を思い出す。一茶も餌を蒔いたのかも知れない。
 先日の一茶記念館で買った「一茶 生きもの句帳」をめくってみた。
 流石に一茶の雀の句は多く雀への愛情が感じられる。数句列挙してみる。

  むつましや軒の雀もいく世帯
  雀子がざくざく浴びる甘茶かな
  親雀子を返せとや猫を追ふ
  子雀を遊ばせておく畳かな
  茶の花に隠れんぼする雀かな
  雀らも相伴したり蓮の飯
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

俳句で孤独が・・・      愚足

2009年06月14日 | Weblog
友人が連れ合いを亡くした。
「おまえも覚悟しておけ、孤独だぞ」という。
「俺はお前ほど情が深くないから大丈夫さ。」と答えておいた。
しかし、辛いだろうとは思う。

 俳人の岸本尚毅氏が孤独感を薄めるには俳句は有効だと言っている。
 俳句によって感情が普遍化・共有化され「私の孤独」が「我々の孤独」になるからだという。そしてこんな句を紹介していた。

 悲しさの極みに誰か枯れ木折る    山口誓子
 淋しさや竹の落葉の十文字      阿部青鞋
 暁は宵より淋し鉦叩         星野立子

俳句で孤独は深まるばかりだ。先に逝くにかぎる。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

荻原俳句教室「梅雨」    遅足

2009年06月13日 | Weblog
先日の教室、もう一句は「梅雨」でした。

   

下ろし立ての礼服を着て梅雨の通夜  狗子 

先生のコメント
亡くなった方が、とても親しいわけでもなく、
といって、そんなに遠い関係でもない。
そんな微妙な距離感がうまく捉えられている句。
日常のなかで、ちょっとひっかかることを
上手く掬いあげた句。
一種のユーモアのようなものも感じられる。


釣糸のまきつく空は梅雨曇  晴代

先生のコメント
梅雨曇りの空は、釣糸のまきついた空、
という意味の語順。それよりも

釣糸の空にまきつく梅雨曇

として、釣糸の空にまきついたような空。
そんな梅雨曇の空に出会った、
と素直に描いたほうが良いのでは。


助手席に黙ある梅雨の走りかな   遅足

先生のコメント
梅雨の走り、が、梅雨のなかを車で走っているのか?
走り梅雨、なのか?はっきりさせた方が良い。
「黙ある」を「黙が続く」にしたら。 


人間に浮力の記憶梅雨きざす  遅足

先生のコメント
科学的な知識を下敷きにつくるのは良いが、
浮力と水という取り合わせより、
もっと飛躍させたほうが良い。
夏の終わりの空のような季語を
取り合わせると面白くなるのでは。
(狗子さんは水中出産かと思ったとか。)

   
  
また、魔法のような添削がありました。


樹齢千年大楠のまとふ梅雨湿り   Tさん

大楠は樹齢千年梅雨まとふ






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

目が覚めて憂い顔やめ桜桃忌   朱露

2009年06月13日 | Weblog

      高校の頃太宰治で夜も日も明けず・・・
      昭和23年6月19日玉川上水で自殺。
      大先輩に心中されてはどうにもならぬ。
      「頬杖の憂い顔」を見るのも嫌になる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする