575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

みちのくの花   麗

2011年03月24日 | Weblog
震災から明日で2週間。

今年は桜の開花予想もどこかへ飛んでしまい、このまま
春が来ないような気持ちになってしまいますが
それでも桜のつぼみは確実にふくらんできています。

何もかもを奪った津波ですが生き残った木々もあるはず。。
阪神大震災の時、被災から2ヶ月して白木蓮の開花に慰められた人が多かったと聞きました。

みちのくの花はいかがでしょうか?
気仙沼で被災された方が常緑樹の「ユズリハ」が残っていた
という話をラジオでされており、これは「譲り合いなさい」という
メッセージかと思ったとのこと。
その心持ちに頭が下がりました。

前回の句会で遅足さんの

    みちのくの花をたよりに待ちにけり


心にしみる一句をありがとうございました。
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桜咲くブラジル人と笑み交わす   朱露

2011年03月23日 | Weblog
大地震からもう、10日余り。
被災地では、今も行方不明になった方たちの捜索が続いています。
多くの方たちが助け合って、避難生活を。
テレビの画面に笑顔が映ると、ほっとします。花が咲いたような感じです。

笑顔ほど、人を勇気づけるてくれるものはありません。
私達まで、勇気付けられます。

句は、桜が咲き、人間にも笑みの花が咲くと詠んでいます。

作者の家の近くには、ブラジルから働きにきている人たちが
多いと聞いています。
コンビニでの顔馴染みというか、時々、顔をみる間柄なのでしょうか。
目と目があって、思わず、どちらからともなく笑みを交わす。

日本人は相手の目を直接に見ることは礼儀に反する、と考えてきました。
私は相手の目を見て話すのはとても苦手です。
ブラジルの人はどうなんでしょうね?

                      遅足




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何気なく発音出来ぬ虚子忌かな   朱露

2011年03月23日 | Weblog
    昭和三十四年四月八日没八十四才。
    虚子忌のシとキを囁くように言う。
    「母音の無声化」という難しい音。
    三音朗々と響かせると納得出来る。

               


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オリーブと鳩  鳥野

2011年03月22日 | Weblog
優しい「反戦」に会いたくて、春まだ浅い日、小豆島に行ってきました。

岬の分教場も、おなご先生もすでに遠い彼方。島は新しい観光一色。
主要道路は拡幅整備が行き届いて、フェリーが大型観光バスを運んできます。

小豆島の今のシンボルはオリーブでしょうか。

文久年間に薬用として、オリーブの栽培が奨励されたのは、三重、鹿児島、そして香川。
唯一、地中海の気候によく似た小豆島に根付いたものでした。

オリーブは鳩とともに平和のシンボル。小豆島によく似合います。

ギリシャのミコノスとは姉妹島。オリーブ公園では珍しい地中海スタイルの
風車もみられます。

オリーブは、しっかりした革質の葉で、島の寒風に耐えていました。

 ・ オリーブの硬質の葉は風に耐え一途に平和を希求するかたち

                            鳥野
  人間が触れてはならないのは「核と遺伝子」
  それは人間の領域ではない。
  夫はまるで遺言のように繰り返していました。
  ふと、思い出して。





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俳句的生活と震災     遅足

2011年03月22日 | Weblog
「週刊俳句」に、俳人の小野裕三さんが、「今回の大地震に関連して思うこと」
  ~次の時代の日本へ。次の時代の俳句へ、と、いう文章を掲載してました。

俳句と大地震という珍しいテーマなので、要約して、紹介したいと思います。

             

今の日本人の生活は過度に電力に依存し、原発はその生活様式を支えていた。

俳句をやっていると、こうした今のスタイルとは違う生活があったのだ、
ということを感じる。
自然と共に生き、人々と共に生きる、いわば「俳句」的生活があった。

便利な生活とともに「俳句」的生活は少しずつ失われ、
もはや、かってのような「俳句」は、ないのだ、という人もいる。

今こそ、「俳句」的生活の哲学を見直すべき時ではないのか。
火鉢と団扇の生活に戻れ、と言って戻れるわけではないが、
過度なエネルギー依存の生活を見直すことは、できるだろう。
今のライフスタイルをデザインしなおすことはできるはずだ。

「復興」も自然環境の犠牲の上に、過剰な資源やエネルギーを
消費し続ける元の社会に戻すことであってはならない、と思っている。

             

俳句的生活とは何か?今ひとつ明確ではないですが、良い指摘ですね。
小野裕三さんの句を紹介します。

 白木蓮そこから先が夜の服
 
 イルカショー始まる淋しき国家


週刊俳句のURLです。

   http://weekly-haiku.blogspot.com/2011/03/204-2011320.html


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貧しさも幸せのうち犬ふぐり   静荷

2011年03月21日 | Weblog
一読して、子供の頃に返ったような気持ちに。

  家々や菜の花いろの灯をともし

木下夕爾の句。昭和三十三年の作というから、私が中学生だった頃。
菜の花色の灯の家々は、決して裕福ではなかった。
しかし、幸せのイメージに満ちている。
貧しいけれども、幸せな家族・・・

今回の巨大地震・大津波・原発事故・・・
あの阪神大震災・オーム真理教のテロ事件よりも、
日本人の生活に、大きな影響を与えるのでは?
と、いう予感がしてなりません。

大地に根を張って、空色の小さな花を咲かせる犬ふぐり。

貧しさも、という表現には、
有り余るモノに囲まれた生活ではなく、
質素を楽しむ、新しいライフ・スタイルのあり方が
示されているのではないでしょうか?

大きな声ではなく、つぶやくように・・・

                   遅足
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心ない政治家が居て辛夷咲く    朱露

2011年03月21日 | Weblog
   その人が誰だか好みで決めて下さい。
   春分の日の朝もやの中で次々に咲く。
   カウント・ベイシーが流れる中咲く。
   東日本大震災十日目の朝は静かな雨。

             


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原発事故は・・・       遅足

2011年03月20日 | Weblog
自衛隊や消防隊の皆さんの決死の消火作業で原子力の火は、
少し抑えられているようです。

消防隊員の方が、出発前に家族と交わしたメールのやりとりは
涙なくしては聞いていられませんでした。

本当にご苦労様でした。

事故の終焉までは、まだまだ時間と危険な作業が必要のようです。

   原子炉の映像見んとリモコンに
      また伸ばす手 支配するものはなに  

事故現場で献身的な作業をしている皆さんの無事を祈っています。



  

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残酷な昭和ヒトケタ自戒の春    朱露

2011年03月20日 | Weblog
  大東亜戦争の最中「国民学校」入学。
  敗戦後、新制中学・新制高校で混乱。
  「はき違えた民主主義」という言葉。
  何が何だか分らないまま頑固な老人。

           


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春寒し麒麟プチ缶睨みつつ    朱露

2011年03月19日 | Weblog
  戦後最悪の災害で六千人以上悲惨な死。
  機銃掃射で殺された漁師以来六十数年。
  折に触れあの漁師達が現れて六十数年。
  残り少ない年月麒麟プチ缶を睨みつつ。

          


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海神にひれふせし野に人生きる   能登

2011年03月19日 | Weblog
巨大地震につづく大津波。
ヘリコプターからの映像を息を呑んで見守っていました。
あの津波のなかに人がいるのではないのか?
逃げて無事だろうか?
大自然の巨大な力を前に、コトバが届かない、もどかしさを感じました。

時間が経ってから浮かんできたのが、神話です。
荒ぶる神々、八岐の大蛇・・・
古代の人々は、科学の力で自然をコントロールできずに
生身のまま大自然に対峙せざるを得なかった。

その時、コトバによって自然の脅威を
想像力のなかに閉じこめようとしたのでは?
現代人が科学の力で原子力を炉のなかに閉じこめたように・・・
自然の脅威に名前を与えることによって。

この句、海神、という神話のコトバによって
成立しているのではないでしょうか?

神話の時代は、決して、過去のものではなく、今につながっており、
古代の人々のこころに近づいたような思いがします。

人間は決して負けない。
下五の、人生きる、が、作者の被災者の方々への
強い共感を、語っています。

                    遅足
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梅林や海原吠える崖の下     朱露

2011年03月18日 | Weblog
    三月十七日の月例句会に出した句。
    ストレートに地震を言う句が多い。
    俳句ごときが言挙げしていいのか、
    ということを言わないままお開き。

           北は




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ユキヤナギ                    草女

2011年03月18日 | Weblog
 確かに雪のような柳である。遠くから見ても美しいし、近づいて見ても美しい。綺
麗な5弁の花がぎっしり咲いている。但し、柳とは名ばかりでバラ科シモツケの属落
葉低木。中国原産という噂があるが、日本にも自生している。渓流沿いに自生する多く
の植物が増水で流されることが多いのに、しっかり根を張ったユキヤナギは、枝も葉
も細く、流れになびいて生き残る。増水が他の植物を除いてくれることで繁茂できる
というしたたかさは、その美しさから思いもしない。

 近くの公園や街路樹の下のユキヤナギは毎年のように刈り込まれているが、それで
も平気で毎年美しい。

 ああ、私達もユキヤナギのようにこの災害をやり過ごすことができますよう。来年
の今頃はなんの憂いもなく、春を楽しむことができますように。

 
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悲しい花句会    麗

2011年03月17日 | Weblog
東北の大地震のあとということで
想像できない苦しみを抱えた方が何十万人もいらっしゃる中で
句会に参加してよいものかどうか実は迷っていました。

亡くなった方のご冥福と一日も早い救出、復興、そして日本の安泰を祈りました。
あまりに厳しい現実を目の当たりにすると
素人の私には俳句を作ることも鑑賞することも難しいことを知りました。

私の選句はちょっとでも明るい方へ目を向けたい気持ちが基準になったような感じです。

トップ賞は郁子さんの

     シャンプーのふわふわもこもこヒヤシンス

窓辺に咲いたヒヤシンスにふわふわのシャンプーの泡を見る。その取り合わせの妙と可憐な感性に救われました。

一方、自由題のトップは

晴代さんの

     白髪の左ハンドル風光る

この白髪の主が女性だったとは!!私を含め多くの方が男性の白髪を思い描いていました。

どちらも頭髪がらみというのもおもしろいですね。

花句会が幸せな花々で彩られなかったことが残念でしたが
来月は少しは落ち着くことを祈りながら。。。。
お題は「おぼろ」。私の頭もおぼろです。テンション低くて申し訳ありませんでした。
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3月句会の最終結果です。     遅足

2011年03月16日 | Weblog
雪もちらつく寒い日となりました。
8人が参加。
知人には被災した方もいるという人も。
最初に、亡くなられた方々のご冥福、祈って黙祷。
また、一日も早い復興、原発事故の被害が大きくならないようと、
一同、祈念しています。
立雄さんの選句が届きました。最終結果です。

            

句会の風もいつもとは少し違っていたようです。

題詠

①桜咲くブラジル人と笑み交わす(朱露)鳥野・能登・郁子・亜子
②亡き人の前庭に咲く桜草(麗子)愚足・能登・遅足
③植込みをパンジー犇めき縁取りす(晴代)結宇
④シャンプーのふわふわもこもこヒヤシンス(郁子)鳥野・値遇・遅足・麗子・狗子・晴代・立雄
⑤手にとればいのちの重み落椿(亜子)値遇・能登・朱露・郁子・立雄
⑥みちのくの花をたよりに待ちにけり(遅足)愚足・麗子・亜子
⑦第2打はころがり出たり芝桜(立雄)朱露・麗子・静荷
⑧貧しさも幸せのうち犬ふぐり(静荷)愚足・鳥野・遅足・郁子・立雄
⑨瀬戸際の蓮華草咲け人の声(値遇)晴代
⑩梅林に烏呼ばわる曇りかな(結宇)狗子
⑪くろつちにサファイヤを撒くいぬふぐり(能登)狗子・結宇・静荷・晴代
⑫枝中に一重の木瓜(ぼけ)の重なりぬ(狗子)値遇・結宇・静荷
⑬白椿 花片の染みも 愛しけり(愚足)亜子

 
自由題

①裘(かわごろも)脱ぎて舞ふかに白木蓮(静荷)郁子・結宇・亜子
②すみれ咲く畦道ぬけて墓参り(立雄)晴代
③春泥を行く爪先を尖らせて(亜子)鳥野・麗子・狗子・結宇・静荷・晴代
④陸呑みて大蛇となりぬ春の海(遅足)愚足・能登・朱露・郁子・立雄
⑤早春の光を浴びて坂上る(麗子)
⑥「こだわりの柿ピー」齧り山笑う(朱露)愚足・鳥野・値遇・遅足・立雄
⑦白髪の左ハンドル風光る(晴代)鳥野・値遇・能登・朱露・遅足・麗子・狗子・静荷
⑧菜を茹でる静かな時間(とき)の余白かな(郁子)愚足・値遇・能登・立雄
⑨耕せる土の匂ひを太き指(値遇)郁子・狗子・結宇・亜子
⑩椿落ち地の鳴動す止め(トドメ)かな(結宇)
⑪海神にひれふせし野に人(ひと)生きる(能登)亜子・静荷
⑫解答のメール届かず落第す(狗子)遅足
⑬ランドセル カタカタ踊る狭き庭(愚足)麗子

次回は4月20日(水)午後1時15分 東鮨
題詠は「朧」です。

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