575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

存在感籐椅子にあり蔓の艶     朱露

2012年07月12日 | Weblog
     私が座る籐椅子は私専用デアル。  
     買った覚えがないので女房のか。
     女房に一日座られては食えない。
     籐椅子でもめるのは大人げない。


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「ハンカチ」句会近づく      遅足

2012年07月12日 | Weblog
7月句会の題詠は「ハンカチ」です。
私事で恐縮ですが、ハンカチを詠もうと考えていて、
ふと、何時ごろから、ハンカチを持つようになったのか?と
記憶をたどってみました。
正確にいえば、母に持つように言われたのは、幾つの時だったのか?
正装をして小さく畳んだハンカチを手渡されてような記憶もあるような・・・
全然覚えていません。
一番古い記憶は、小学生の頃でしょうか、ハンカチ落とし、で遊んだこと。

正装が好きではなかったので、成人してからも、
あまりハンカチのお世話にならなかったようです。
歳時記をめくってこんな句が目に留まりました。

 まっ白いハンカチ心理学教授    鷲見緑郎

ちょっとキザで、オシャレな大学教授の姿が浮かんできますね。
こんな先生は今はお呼びじゃないかな?

 一日の疲れハンカチーフにあり   山崎房子

外回りをしてきたサラリーマンのすっかり草臥れたハンカチ。
あるいは接客に忙しかった女性社員かも。

句会には、どんなハンカチが詠まれるのでしょうか?
幸せの黄色いハンカチの句もあるかな?

句会は18日(水)です。

                        遅足


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若き日を悔いて疲れて夏至の朝    能登

2012年07月11日 | Weblog
この句、一年で一番短い夜を詠った、いわば夜派の一句。
夏至の太陽が遠い昔を思い出させる・・・
若き日を思い出せば、後悔の念止まざることが一つ、二つと。
今も心が疼き、寝付かれません。寝返りを打っても・・・
あっという間に夜が明けて・・・疲れだけが残っています。

こんな句を詠む人には、
「今夜、一杯飲みにいきません?」と誘いたくなる、と亜子さん。
女の人は、こうはならない。後悔などしないそうです。
そんな時は、お腹一杯食べて・・・忘れるそうです。
健康的ですね。
                     遅足

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ポケットに詰めて留める夏至の光    郁子

2012年07月11日 | Weblog
夏至の光そのものを詠んだ句。
作者は夏至の光を宝物のように感じて、
消え去っていく光を保存しておきたいと願う。
子供の頃には、なんでもしまって置いたポケット。
そんな魔法のポケットがあれば、
どんどん詰め込んでいきたい・・・・。

こんな感じは冬の長い北国、あるいは、
山の囲まれた木曾などでは、実感されることかも。

                   遅足
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呼吸する昭和九年の夏以来     朱露

2012年07月11日 | Weblog
    七十八年吸ったり吐いたりしている。
    幼児の頃疫痢で息が止まったらしい。
    少年の頃グラマンに撃ちまくられた。
    モスグリーンのアメリカ軍の戦闘機。 
 

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館長は猫    鳥野

2012年07月10日 | Weblog
信越の国境いに近い信濃町柏原に「小林一茶記念館」はありました。信濃富士とも呼ばれる秀麗な黒姫山は間近かです。

この記念館は昭和35年に、史跡の指定を受けていた一茶旧宅を、平成15年にリニューアルしたものです。

鄙には稀、と言いたいほどの瀟洒な外観。資料も驚くほどに集まっいて、展示の方法もよく工夫されています。

何より、印象に残るは、車を止めて、すぐに目に入る張り紙。

「ここは猫館長が横断します。運転に注意してください」

じーんと温かさが伝わってきます。

生涯に膨大な数の句を詠んだ一茶宗匠。中でも動物に向ける目は優しい。

とりわけ小動物を愛して、蛙、雀、蟻から蚤、虱までが詠まれています。

もっとも多いのは猫。300句を越えるとか。

記念館の館長が猫というのも、頷けました。

 ・ 猫の子がちょいとおさえる落ち葉かな

 ・ 猫の子が手で落とすなり耳の雪


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生ゴミを置きに青葉の朝の路    朱露

2012年07月09日 | Weblog
      ここ十数年二人だけの暮しに戻った。
      成る程これで喧嘩するとオオゴトだ。
      オオゴトにならないのは誰のお陰か。
      生ゴミ一つでこれだけの事を考えた。


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今日もまた曇りのち雨夏至の空      狗子

2012年07月09日 | Weblog
日本の夏至祭。
二見が浦の夫婦岩の間から昇る太陽を海に入って拝む。
20年ほど前から始まった祭とか。
これまで朝日が拝めたのは5回くらいだそうです。
日本の夏至の空模様は句の通り。
この句、では他の国では?と想像させる。
冬の長い北欧では夏至は大切な祭。
スウェーデンでは、広場の中央に大きな柱を建てて、
季節の草花で美しく飾りつけます。
そして広場に集まって人たちは、踊りや、ごちそうを楽しむ。
当日だけではなく前夜祭も華やかだそうです。

                       遅足


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夏至の夜や百物語せわしくて      結宇

2012年07月09日 | Weblog
百の蝋燭を立てて、一話終わると一本蝋燭を消してゆく。
お話は怪談。灯が消えていって・・・だんだん怖さが・・・
そんな夏の遊び。
闇が身近にあった時代ならではの夏の過ごし方ですね。

実際は、そんなに気ぜわしいことはないのでしょうが・・・
そう感じさせるところが、この句の面白さ。

                        遅足


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パリ祭シャンソンでたらめすぐやめる    朱露

2012年07月09日 | Weblog
    1789年7月14日フランス革命始まる。
    何とルイ16世夫妻ギロチンで処刑される。
    王妃マリー・アントワネット38才だった。
    この日が近づくと関係ない私も首筋が寒い。



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つばくらめ祈りは人を重くして   遅足

2012年07月08日 | Weblog
船団・星野ドクターの診断です。
 
燕の飛び交う空の下に、心に祈ることのある人たちを想像して見ました。
燕が空にあり、地に人があるのは自明の構図なのですが、
人が地にある理由を「祈りは人を重くして」に暗示されたような気がしました。

ありがとうございます。
祈りは人を重くして、という七五ができましたが、上五になにをと迷っていました。
ある日、飛んでいくツバメを見て、この句が生まれました。




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食卓に一皿足りぬ夏至の夜    すみ

2012年07月06日 | Weblog
 干鱈の骨まで煮しめ田植どき   成田千空

煮炊きのひまも惜しい田植の季節。沢山つくっておいた干鱈の煮しめ。
今日の夕食も、煮返します。わが家も祖母の時代までは農家。
田植えから草取りと、夏の間は、句のような食生活だったのでしょう。

一方の掲句。これこそ平成の食生活。
なにかと忙しい一日。日が長いので夕食の支度が
ついつい遅くなって一皿少ないことに。
一皿足らないには、つい遊びすぎて・・・

わが家も、遊んで帰ってきた日の夕食は皿の数が少なく
食器洗いは簡単にすみます。
                       遅足
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夏至の夕あと三千歩歩けそう    晴代

2012年07月06日 | Weblog
まだまだ路は明るいし、歩こうというところでしょう。
少し情が欲しい感じもするのですが・・・、と結宇さん。

夏至の句は、昼の長さへの着目、逆に夜の短さへの思い、
このいずれかになりますが、これは何時までも明るい太陽派。
健康のためには一日一万歩あるくと良いそうです。
夏至の今日なら、さらに3000歩は大丈夫。お元気ですね。
三千歩といえば、どの位かかります?と聞けば、
20分くらいかな、と作者。

三千、といえば、三千世界など、
数多くの、という意味で使われる中国伝来のフレーズ。
こんな句がありました。

  三千の俳句を閲(けみ)し柿二つ   正岡子規

三千もの句を選ぶのは、肉体労働でもありますね。

                       遅足


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舟を編む   麗

2012年07月05日 | Weblog
2012年の本屋大賞に選ばれた三浦しをんの「舟を編む」を読みました。
少ない予算と人材で新しい辞書「大渡海」を作る心温まる物語。
辞書を作り上げる情熱と愛情が伝わってくる一冊です。ラストはホロリとしてしまいました。
言葉という大海原を渡っていく舟を編むような地道な作業をかいま見る事ができました。

「記憶は言葉だ」という一文が心に残りました。言語化することの重要性。もちろん視覚や聴覚から思い出されるものもあるでしょうがそれをあえて言語化してみる。
俳句の基本はまさに有形無形のものを言語化する作業。
ある意味、舟を編んでいるのかもしれませんね。

        五七五言葉の海を渡りけり   麗
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梅仕事終えて今年も夏至となり     麗子

2012年07月05日 | Weblog
梅酒か、或いは梅干か、毎年恒例の収穫の喜び、と鳥野さん。

  梅を干す真昼小さな母の音   飯田龍太

昔は多くの家庭で梅干を作っていました。
今でも梅干つくりを楽しむ人は多いようです。
我が家でも母が梅干をつくっていました。
母から娘へと受け継がれる技と味。我が家の味の一つですね。
昼が長いので、仕事は捗ります。作業が一段落するともう夏至です。
生活の一齣を捉えた一句。

今年は梅の出来が悪く、ちょっと高値だったとか。
我が家の梅の木から採れた実は、ほんの数えるほど。
貴重な梅酒になっています。       

                   遅足
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