私は最近 、耳が聞こえにくくなり 、総合病院の耳鼻科で診察を受けた
ところ、難聴と診断されました。
そこで、この病院に出入りしている補聴器を扱う業者の方に相談する
ことにしました。
補聴器も色々あるようで すが、私が勧められたのは、ドイツ製のもので、
値段を聞いて驚きました。14万円から50万円まで。しかも片方の耳だけ
とのこと。
保険は適用されないそうで、年金暮らしの高齢者にこの高額の負担は
どうにかならないものか、叫びたい気持ちですが、致し方ありません。
私の場合は両耳が難聴。でも、両耳は煩わしいし、費用もかかるため、
右耳だけということにして、しばらくの間 、借りて試聴してみました。
自分でも高音、低音を多少、調整できましたが、どうしても満足いきません。
例えば、テレビの音量。喋っている人の言葉が聴きたいのに、BGが邪魔して
聴きにくいとか 。テレビからかなり離れて話し合っているのに、
テレビの音量が高すぎて、相手の声が聴きにくいなど。
主治医がおっしゃるには、人間の耳は良くできていて、長年の間に、
自分が必要とする音を優先して脳に伝えてくれているが、補聴器は
どんなに性能が良くなっもそこまでは無理、慣れて行くしかありません
といわれました。
音量といえば、テレビのドキュメンタリー番組を制作する過程で一番 、
神経を使うのは、ナレーションとBG 、元々 映像を撮る時に入っている
風や騒音のような自然音をミックスする時です。今は各種の音量の波形
を見て、予めコンピュータにその適量のデータを入れ、最後に自動的に
ミックスしているようですが、私たちの頃はミックス作業の際、音調さん
の音感に頼ることが大でした。
また、私の場合、どうしても音楽が高すぎることで、BGを選曲する音効
さんとよく言い合ったことを思い出します。
音量というのは、人それぞれ、状況によっも微妙に違っており、厄介な
ものだと思います。
今は、主治医がおっしゃるように、慣れるより仕方がないと思って、
補聴器を使っています。
写真は放送直前に私が載せた中部日本放送の社報 ( 昭和50年10月号 )
この番組は当時の芸術祭優秀賞を受賞しましたが、私はこの作品で初めて音楽を 作曲してもらいました 。当時の社報より
「 … この作品では音楽が大きな役割を果たすことになります。 音楽は信州出身の作曲家、小山清茂さんが担当されます。… 木曽の山々にいる珍しい鳥の声を音楽的にアレンジしたものや、廃村のシーン では、もの悲しい土俗民謡「 須原ばねそ 」を素材にした音楽を使用するなど 小山さんの音楽は作品を一層、効果的にしてくれることと思います 。」
期待通り、小山清茂氏が作曲した音楽は映像のイメージによく合っていました 。
私もしばらく前から補聴器のお世話になっています。
でも充分使いこなせていません。遅足