575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

忙しき サンタの指に 指輪あり<殿>

2019年12月21日 | Weblog


イベントに雇われたのでしょう。
片隅で昼寝をするサンタクロース。
投げ出した手先に光る指輪。

英国のサンタは緑の服。
露国のサンタは青い服。
独国のサンタは黒い服。
サンタの服が赤くなったのはこの頃のようです。

サンタは、4世紀、東ローマ帝国の司教であった
「ニコラウス」がルーツといわれています。
ちなみに、ロシア正教では老父マーロスが、
孫のスネグーラチとプレゼントを運ぶといわれています。

ところで、マーロスの容姿と役割。
日本の「なまはげ」に酷似。
どこか知らない糸で繋がれていたのでしょうか。
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自由題・感想   遅足

2019年12月21日 | Weblog
簡単な感想を。

①マント着て凍土持つ手の尚ありや(結宇)
どこかで見たことのあるような気がしませんか?
マントの男は誰?なぜ凍土をもっているのでしょう?
宮沢賢治の写真だそうです。土の改良を目指した賢治。
賢治の志を継ぐ人はあるのでしょうか?

②音立てて木の葉散りこし父の里(佐保子)
岐阜県山岡町。寒天作りの里。作者の父のふるさとです。
訪れたのは冬のある日。木の葉が散っていました。

③街中なれど空地いつしか芒原(静荷)
町内のあちこちに空地が目立つようになって何年か経ちました。
赤土からセイタカアワダチソウの原っぱに。
そして気がつけば芒原に。散歩から生まれた句です。

④冬ざれの街行く今日は何曜日(亜子)
毎日が日曜日の日々。「脳内冬ざれ」でしょうか?身につまされる方多し。
自虐的な一句ですが笑えます。

⑤いつまでもおしゃべり止まぬ木の葉かな(遅足)
擬人化かと思いきや、亡きお母様のおしゃべりが止まらなかったことを思い出して句に。

⑥はしゃぎ猫脇駆けぬける大掃除(郁子)
年の瀬のバタバタ感が共感を呼びました。
日頃掃除しないところに猫ははしゃぎ、ちっとも丸くなりません。

⑦冬空を ゆるり回すや 観覧車(紅)
見事な視点の転換。そうです。回っているのは天。天動説。

⑧待った無しの 九州場所の 年の瀬(幸泉)
お相撲の「待ったなし」を年の暮れの慌ただしさにかけました。
九州場所も季語だそうです。
負け越しがかかった力士の名前を入れると面白い句になりそうです。

⑨蝶の医師水を掘り出し銃撃死(千香子)
蝶にあこがれてアフガンへ渡った医師。非業の死を遂げた中村哲さん。
溢れる思いが強すぎて銃撃死がややきつい?

⑩亡き人へメールよ届け冬銀河(麗子)
手紙は手から手へ。メールは空のかなたへも。
銀河に帰っていったひとにも届けと。

⑪クリスマス市サンタに抱かれ泣き出す子(等)
クリスマス・セール。サービス精神あふれたサンタさん。
でも逆効果だったかな。

⑫日記買う 少女の指や 何ぞ書く(殿)
少女の指にひきつけられ官能的だという声あり。
平安の昔から日記を書いていた少女。その指から生まれるのは?

⑬黒マスク不気味に動く眼かな(すみ)
マスクは白という時代は終わったようです。
ピンクは見たことがあります。
黒は昭和の色かな?とも。
香港の光景を思い浮かべた方も。

⑭支那そばの湯気上がりゆく冬の空(狗子)
懐かしい昭和の景。あるいは現代の風景。
「支那」は差別用語か?という問題提起も。

⑮純白の斜光のふるえ冬薔薇(能登)
五七を冬薔薇の形容と読むか、それとも・・・
得も言われぬ繊細さ。冬の花嫁と感じた方も。

⑯石蕗の花昼より夜道ひきよせる(晴代)
石蕗の花は日陰の花。それを夜道ひきよせる、と捉えました。

⑰冬の暮飛行機雲や真東に(竹葉)
爽快な一句。「真東」がいいですね~。
晴れ渡った冬、陽が沈みゆく景色が好きでよく見ますが、
薄い雲を従えて陽が沈む中、飛行機雲を発見。
沈む方向と異なる方へ行く姿が印象的でした、と作者。
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12月句会の結果です。  遅足

2019年12月20日 | Weblog
今年最後の句会はごらんのような結果となりました。

題詠「冬ざれ」
①冬ざれの 富士見えるかと 鷺に問う(殿)竹葉・紅
②冬ざるる登山バスに来(き)ねだる猿(等)
③冬ざれや面会時間の終わる頃(麗子)等・千香子
④冬ざれやビーカーの青濃い赤へ(千香子)佐保子・遅足
⑤冬ざれの 溢るる涙 誰ぞ知る(紅)殿
⑥冬ざれよ 辺り一面 水墨画(幸泉)紅・すみ
⑦冬ざれや点滅信号ひとりぼち(郁子)能登・結宇・等・晴代・亜子
⑧首塚の主は光秀冬ざるる(遅足)狗子・静荷・亜子・郁子・麗子
⑨冬ざれの欅の根かたに野良のゐる(佐保子)能登・竹葉・千香子
⑩電飾の剥がされし樹々冬ざるる(亜子)殿・結宇・紅・遅足・晴代・狗子・静荷・すみ・郁子
⑪冬ざれの街下校時の声高し(静荷)佐保子・郁子
⑫冬ざれや暖とり不動ハシビロコウ(竹葉)
⑬冬ざれや林立ビルの墓石めく(晴代)亜子・麗子
⑭冬ざれや子等一群(ムラ)に帰り路(結宇)能登
⑮冬ざれやいきり立つ波散るしぶき(すみ)竹葉・等・晴代・狗子・幸泉・千香子
⑯冬ざるるまん丸の鳩寄り添いて(能登)殿・結宇・幸泉・静荷・すみ
⑰単線の一両電車冬ざれる(狗子)佐保子・遅足・幸泉・麗子

自由題
①マント着て凍土持つ手の尚ありや(結宇)亜子
②音立てて木の葉散りこし父の里(佐保子)
③街中なれど空地いつしか芒原(静荷)佐保子・遅足
④冬ざれの街行く今日は何曜日(亜子)遅足・晴代・静荷・郁子
⑤いつまでもおしゃべり止まぬ木の葉かな(遅足)能登
⑥はしゃぎ猫脇駆けぬける大掃除(郁子)結宇・竹葉・等・狗子・すみ・麗子
⑦冬空を ゆるり回すや 観覧車(紅)殿・結宇・佐保子・幸泉・麗子・千香子・静荷・すみ・亜子
⑧待った無しの 九州場所の 年の瀬(幸泉)
⑨蝶の医師水を掘り出し銃撃死(千香子)
⑩亡き人へメールよ届け冬銀河(麗子)能登・殿・竹葉
⑪クリスマス市サンタに抱かれ泣き出す子(等)
⑫日記買う 少女の指や 何ぞ書く(殿)紅・狗子・静荷
⑬黒マスク不気味に動く眼かな(すみ)等・紅・晴代・狗子・幸泉・郁子
⑭支那そばの湯気上がりゆく冬の空(狗子)能登・結宇・佐保子・紅・晴代・幸泉・千香子・すみ
⑮純白の斜光のふるえ冬薔薇(能登)竹葉・等・千香子・亜子・郁子
⑯石蕗の花昼より夜道ひきよせる(晴代)遅足
⑰冬の暮飛行機雲や真東に(竹葉)殿・麗子

この一年、ここまでやってこられたのも皆さんのおかげです。
ありがとうございました。
次回は第4週の1月22日(水) 題詠は「寒夜」です。



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冬ざれ句会   麗

2019年12月19日 | Weblog
早いもので、令和元年最後の句会。10名の参加でにぎやかに行われました。
今年の冬はまだ暖かく、昨日の最高気温、名古屋では16度もありコートが重いほどでした。
まだ「冬ざれ」という感じはありませんでした。
冬ざれは、全てが荒れ果て冬のもの寂しい様子を表す季語。
「ざれ言」は得意ですが、「冬ざれ」は難しい季語でしたね。(笑)
では今年最後の一言講評です。

題詠 「冬ざれ」

1 冬ざれの 富士見えるかと 鷺に問う

「鷺」がいいのか?他の鳥ではいかがでしょう?

2 冬ざるる登山バスに来(き)ねだる猿

「来」の使い方にもう一工夫との声あり。

3 冬ざれや面会時間の終わる頃

「終わる頃」という漠然としたものより、具体的なものを描いた方がいいというアドバイスあり。例えば「終わる窓」など。

4 冬ざれやビーカーの青濃い赤へ
こちらは具体的です。研究室での実験。何やら謎めいていますが、冬ざれの色のない世界に青や赤のビビッドな色が映えます。

5 冬ざれの 溢るる涙 誰ぞ知る
どんな悲しい出来事があったのでしょうか?やや演歌の世界のようという指摘も。

6 冬ざれよ 辺り一面 水墨画

山陰地方の日本海が目に浮かびますが、季語の説明になっている感があり。
「雪舟の水墨画」のように具体性を持たせるほうがいいようです。

7 冬ざれや点滅信号ひとりぼち

具体的な点滅信号。信号を擬人化したそうですが、なぜか、信号を待つ中高年の女性の姿が見えました!

8 首塚の主は光秀冬ざるる

来年の大河ドラマは「麒麟がくる」。光秀です。冬ざれに怖いほど似合う「首塚」。そしてその主は悲運の武将光秀。見事な寂しさです。英語でいうところの「THE MOST LONELY」

9 冬ざれの欅の根かたに野良のゐる

「野良」は野良猫のこと。野良犬では冬ざれになりませんね。

10 電飾の剥がされし樹々冬ざるる

街を彩る見事なイルミネーション。年明けには電飾を剥がされ丸裸の痛々しい樹々。都会ならではの風景がよく見え、見事トップ賞!!おめでとうございました。

11 冬ざれの街下校児の声高し

寂しい夕方にも子供の声はよく響きます。

12 冬ざれや暖とり不動ハシビロコウ

上野動物園や掛川花鳥園でも大人気の動かない鳥ハシビロコウ。「暖とり」にもう一工夫欲しいところ。

13 冬ざれや林立ビルの墓石めく

都会の高層ビルから下界を見下ろすと長方形のビルがなぜか「墓石」に見えるような。今ビルは生きているが、もう100年もすればビルも老います。そのころ街はどうなっていうのでしょうか?

14 冬ざれや子等一群(ムラ)に帰り路

「一群」に込めた意味は?押しくらまんじゅうのようでしょうか?

15 冬ざれやいきり立つ波散るしぶき

中七の「いきり立つ」が北斎の絵のように荒々しいですね。

16 冬ざるるまん丸の鳩寄り添いて

「まん丸の鳩」がほほえましい感じです。

17 単線の一両電車冬ざれる

地方の今の風景。季語につき過ぎ?という声もあり。

いかがでしたでしょうか?抽象的な季語には具体的なものをぶつける(二物衝撃)か、より細部にこだわる(一物仕立て)か、俳句は奥が深く正解はないようです。
いかに共感や発見があるのか、来年も楽しくおしゃべりしながらやりましょうね。今年はメンバーも増え、変化も発展もしました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
次回は新年の第4水曜日22日。題詠は「寒夜」。会議室Cでお待ちしています。麗子






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12月の投句が集まりました。 遅足

2019年12月18日 | Weblog
一日一日と冬が深まり、あたりが寂しく「ふゆざれ」に。
どの句があなたのこころに届きますでしょう?
また、共感をよぶのは?

題詠「冬ざれ」
①冬ざれの 富士見えるかと 鷺に問う
②冬ざるる登山バスに来(き)ねだる猿
③冬ざれや面会時間の終わる頃
④冬ざれやビーカーの青濃い赤へ
⑤冬ざれの 溢るる涙 誰ぞ知る
⑥冬ざれよ 辺り一面 水墨画
⑦冬ざれや点滅信号ひとりぼち
⑧首塚の主は光秀冬ざるる
⑨冬ざれの欅の根かたに野良のゐる
⑩電飾の剥がされし樹々冬ざるる
⑪冬ざれの街下校時の声高し
⑫冬ざれや暖とり不動ハシビロコウ
⑬冬ざれや林立ビルの墓石めく
⑭冬ざれや子等一群(ムラ)に帰り路
⑮冬ざれやいきり立つ波散るしぶき
⑯冬ざるるまん丸の鳩寄り添いて
⑰単線の一両電車冬ざれる

自由題
①マント着て凍土持つ手の尚ありや
②音立てて木の葉散りこし父の里
③街中なれど空地いつしか芒原
④冬ざれの街行く今日は何曜日
⑤いつまでもおしゃべり止まぬ木の葉かな
⑥はしゃぎ猫脇駆けぬける大掃除
⑦冬空を ゆるり回すや 観覧車
⑧待った無しの 九州場所の 年の瀬
⑨蝶の医師水を掘り出し銃撃死
⑩亡き人へメールよ届け冬銀河
⑪クリスマス市サンタに抱かれ泣き出す子
⑫日記買う 少女の指や 何ぞ書く
⑬黒マスク不気味に動く眼かな
⑭支那そばの湯気上がりゆく冬の空
⑮純白の斜光のふるえ冬薔薇
⑯石蕗の花昼より夜道ひきよせる
⑰冬の暮飛行機雲や真東に

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雨・雨・・・   遅足

2019年12月17日 | Weblog


朝から雨。木蓮の葉はすっかり落ちてしまいました。
梢から落ちてくるのは木蓮の涙でしょうか。

山茶花は別名、姫椿というそうです。
空いっぱいに咲き切った白い花。
他界からこの世へひらいている。
そんな感じがしました。

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木犀と風もつれつつ夜を織る  晴代

2019年12月16日 | Weblog


夜。風が吹いています。木犀の香りが漂っています。
視覚を遮断し、触覚と嗅覚に絞った句。
下五の「夜を織る」が素晴らしい。詩的な表現です。

<ことば>でなければ表現できない美しさがあります。
木犀と風が織りあげる夜。どんな夜でしょう?
ちょっとエロチック?
一瞬にして消えてしまう幻のような夜でもあります。遅足
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見上げれば 雪虫舞うや 鉛<にび>の街 <殿>

2019年12月16日 | Weblog


雪虫は雪が降る前に現れる白い綿毛のような虫。
熱に弱く捕まえると体温で弱り死んでしまう。
飛翔力も弱く冬の北風に流されていきます。

地方により呼称が違い京都では「白子屋お駒はん」
井上靖 著「しろしばんば」は伊豆地方の呼称です。

雄は口がなく摂餌できず7日間ほどの命。
雌も産卵までの命。
まさに、溶けて消えゆく雪のような虫。

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白き壁歩み止めたる枯蟷螂   竹葉

2019年12月15日 | Weblog

蟷螂は、冬になり、あたりが枯れゆくに従って
保護色の枯葉色に変わっていきます。
しだいに生気もなくなり、やがて死に。
この様子を「蟷螂枯る」と。




「白き壁 歩み止めたる 枯蟷螂」

この中七の主語はだれでしょう?

白い壁に枯れ草色の蟷螂。
作者は枯蟷螂を見て歩み止めただけです。
これだけでは作者の気持ちは伝わりません。
次に上五のみ変えてみます。

「玄関に 歩み止めたる 枯蟷螂」

玄関に、枯蟷螂です。誰もが踏みつけることなく歩みを止めるでしょう。
すると、句に枯蟷螂を踏まないとする憐憫の念が見えてきます。
殿様の読みです。

私は、歩みを止めたのは蟷螂、と読みました。
作者は蟷螂の様子を写生しただけで読みは読者にゆだねています。

どちらの読みが良いかは人それぞれ。
枯蟷螂をみて感ずるもの。それはすでに季語に含まれているのです。
季語を生かした読みが良い読みといえるでしょう。遅足



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首里城炎とともに秋の星  幸泉

2019年12月14日 | Weblog

首里城。しゅりじょう、
沖縄県那覇市首里金城町にあり、那覇港を見下ろす丘にあったグスク。
作者は、この3月に訪れ、本土とは違う琉球王国の美しい建物に感動。

しかしニュースで炎上を知って驚き、悲しくなりました。
燃えている映像を見て、それが星になったように感じて詠んだそうです。
素晴らしい発想です。

首里城。沖縄ではスイグスクというそうです。(遅足)

 秋天に星 首里城炎上 
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凍て蟲や 末期の歩み 羽震え <殿>

2019年12月14日 | Weblog



本来の俳句は縦書きの手書きによる墨書です。
従って、三段の縦書きや句間を適宜空けることが可能。
ところが、明治期に活版印刷が導入された際に俳句は横書きとなります。
活版印刷は鉛文字を組む凸版。
文字間を自由に空けることができません。
そのため、活版印刷の職人は組版の面倒を避けるため句間を無視。
しかし、現在は全てがオフセット印刷。
文字間など数ミリ単位で調整できます。
また、文字も手書きではなくパソコンやスマホ入力へと移行しました。

私はグラフィックデザイナーです。
デザイナーが大切にすることは文字の判読性。
文字は読みやすく、内容を読み手に的確に伝えることを最優先します。
たしかに、書籍など紐とけば句間はありません。
しかし、これは死滅した活版の時代に生まれた印刷上の慣習です。
これは和歌や短歌など古文を教える友人も同意見。

下記の拙句。句間の空きなしと句間の半角空けを表記。
どちらが詠みやすいでしょうか。

凍て蟲や末期の歩み羽震え
凍て蟲や 末期の歩み 羽震え

俳句の文字表記が変遷するのは時代の流れと考えます。<殿>


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紅葉かつ散るや生前遺作展  遅足

2019年12月13日 | Weblog

会社の美術部門の先輩でお世話になったEさんから、
生前遺作展を開きます、との案内状が届きました。
会場は栄の地下にある小さなギャラリー。
そっと覗くと、車椅子に乗った先輩は元気そのもの。

「なぜ生前遺作展を開こうと思ったんですか?」
「死んでから遺作展をしようとしても、どの作品を選んでいいのか?
と奥さんに言われてね」とわらって答える先輩。

若いころは「青」。最近の絵は「赤」と正反対の色使い。
赤い絵も小品ながら味があって、欲しいなと思う絵が。
会場には懐かしい顔も。久しぶりに昔話を楽しみました。

「紅葉かつ散る」は晩秋の季語。
紅葉しながら、ちりゆく紅葉のことです。
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「冬ざれの 石段ひとつ 吐息つき」<殿>

2019年12月12日 | Weblog


麗氏とご両親の罹患。
さらに、遅足氏のパソコン故障と重なり、
拙筆を取らせていただきました。
先輩諸氏のご理解をお願い申し上げます。

毎日、俳句を詠む。
私にとっては石段を登り続ける感。

とまれ、麗氏とご両親の全癒をお祈り申し上げます。<殿>
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感謝を込めて   麗

2019年12月12日 | Weblog
3週間ほどブログお休みさせて頂きました。殿さま、お助け下さり本当にありがとうございました。

私のひどい風邪、そこへ母危篤の知らせ、一目会いたいと新幹線に飛び乗り大阪入り。実家に行くと父も大風邪をひいており熱が下がらず。母と同じ病院に頼み込んで父を入院させて来ました。
おかげさまで、母は一命を取り留め、予断を許さない状況ですが落ち着いています。父も昨日ようやく点滴が抜けたそうで、私の風邪も完治しました。
この間、色んな方に祈り、支えて頂きました。心から感謝しています。ありがとうございました。

ふらふらになって自宅に戻ってみると喪中はがきが数枚届いておりました。その中に、私が現役の時にお世話になったSさんの訃報があり目を疑い愕然となりました。

実は私が5年前に大病をしたあと、ラインで励まし続けてくださり、時折たわいないおしゃべりをしていました。
私がご紹介したミニ盆栽に興味を抱かれ即座に入会。以降、作品展のご案内をいただき鑑賞する機会を得ていました。
盆栽はもとより、盆栽を乗せる台もご自身で作られたり、一つのテーマで小宇宙を生み出されていました。
今年の春、もう盆栽の会を辞めたとの連絡がありました。
それから2ヶ月後の6月に亡くなっていたのです。私は何も知らずに「Sさんお元気かな?」と時々思っていたのにお尋ねもせず。。。あんなに私の体調を気にかけ励まして下さっていたのに、私は何も恩返しをしないままSさんはこの世を去っておられたのです。
最後に交わしたラインが「みっちゃんが今幸せな暮らしがあるのも両親のおかげです。しっかり親孝行して下さい。」というものでした。それを読み返して、今両親が大変な時に、またSさんがメッセージを下さったのだと思い泣きました。
私はこの訃報が信じられなくて、届くはずのないラインを打ちました。
永遠に既読にはならないメッセージだけど、もしかしたらデジタルの海の中、宇宙の虚空に届くかも?とかなわぬ期待を抱いて感謝の言葉を送りました。
Sさん、本当にありがとうございました。親孝行します。

         永遠に既読にならぬラインかな  麗

追伸
写真は一昨年のSさんのミニ盆栽の作品です。私がプレゼントした小さな太陽の塔が飾られていました。「感謝」という文字も見えます。
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熟れザクロ赤き裂け目に光入る  紅

2019年12月11日 | Weblog

石榴の原産は中央アジア。秋に実が熟すると、皮が裂け紅色の小さな実がぎっしりと。
酸味があり、食べられますが、あまり美味しいとは感じませんでした。
根や皮は薬にも広く利用され、平安時代には日本にも。

ギリシア神話にザクロに関わる話があります。
酒神のディオニューソスが、娘に王冠を授けるとだまして弄びます。
捨てられた娘は死んでしまいます。
それを嘆いたワインの神であるバッカスは彼女をザクロの木に変え、
その果実に王冠を与えたと言われています。

また、キリスト教美術ではザクロは希望や不死の象徴として描かれます。
ザクロの果実に沢山の種子があることから、豊穣や多産の象徴ともされてきました。

あらためて句を読んでみましょう。
豊穣のシンボルの石榴が熟れ、皮に裂け目ができました。
そこに光が射す。それを「光入る」と詠んでいます。
朝の光でしょうか。射し込む光に宝石のような美しさです。

石榴がひかりを受けれているようです。受胎の一瞬とも読めます。
みなさんはどのように読まれますか。
                   遅足
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