八重山諸島では、集落を一歩離れ裏山へ登って行くと、森の奥へと向かうこのような小道に出くわし、山の上にもかかわらず白いサンゴ砂が敷き詰められています。
石の角がすり減ったりしてかなり古そうですが、それなりに手入れが行き届いている。
暇人は、こんな小道を見つけると、森の奥に何か秘密基地でもあるんじゃないかとワクワクしながら入って行きます。この趣味は、ほとんど病気です。
森の奥にあったのはウガン(拝所)でした。
年に何度かある祭りのとき、ツカサ(神女)が神オガミする場所です。
近くにこの様な碑が立っていたから、祖納のウガンも15世紀ごろから有ったのかも知れない。
ここに書かれている「首里大屋子」とは、琉球王府から任命された地方行政官、地元の豪族などが登用され、今の県知事みたいなものかな。
東シナ海に日が沈む・・・・外離島の長崎さんはもう寝てしまったかな。
午後9:00、夜のとばりも下り南の空に天の川が輝くはずだったのだが、薄雲がかかってこの程度にしか見えません。左下に北斗七星を逆さにしたような、いて座の六つ星が見えている。
午前5:00頃の南の空、中央上部に輝くのが大犬座のα星マイナス1.4等星のシリウス・天狼星であります。その下、地平線から10度ほど上空の明るい星がりゅうこつ座のα星マイナス0.7等星のカノープス・南極老人星です。
シリウスに次いで全天で二番目に明るい星ですが、関東地方以南でなければ見ることが出来ない。北緯24度23分のここ西表島祖納では、当たり前のようにキラキラ輝いている。
右上はオリオン座の一部、オリオンと天狼と南極老人が同居しているのですから、豪華この上ない星空なのです。
この星空を見るために西表島までやって来たようなものです。
貧乏人は明るい広角レンズを持っていないので、オリオン座・おうし座・スバルを別枠で撮ってみた。右下は木星です。
天気の良くない日の夜、東シナ海で遠雷が光っていた。
西表島で一週間何をしていたかというと、東シナ海に沈む夕日を見ながらオリオンビールを飲んでいたのでした。夜はもちろん、月見酒・星見酒です。
10月下旬とはいえ、八重山の気温湿度はこれですぜ、ビールが旨いわけだ。
どこで飲んだくれていたか、西表島西部の祖納にある「素泊まり民宿 島の風」でした。
海に面した高台に建っており、ベランダからのロケーションはバツグンです。
ベランダからの眺め、左の小島がまるまぼんさん、中央奥が年中裸で暮らしている長崎さんの住んでいる外離島です。
今の時期、夜になるとこの正面にギラギラと輝く天の川がドーンと立ち上がるはずだったのだが・・・・。こればかりは天候次第。
食事はここで自炊するか、西表アイランドホテルの食堂または片桐ラーメン屋さんですます(祖納の食堂はこの二軒だけ)。
食材はここで購入するが、たいしたものは置いていない。
宿の管理人のオネオバさん(オネーさんとオバさんの中間ぐらいの年齢)は、宿のシャンプーなどの備品を石垣島まで買い出しに行っていた。
暇な人には楽園みたいに見えるが、そうでもない一面があります。
夜になるとヤモリが窓ガラスをはい回るし、部屋の隅はヤモリの糞だらけ。
部屋の中をクモなどの小さな虫がウロチョロしているし、台所の壁にはアリの列が。
ヤモリや虫がキライな人には耐えがたいかも。でも、八重山諸島は大抵こんなもんですよ。
奄美大島を出港したマルエーフェリーは、13時間の航行の後19:00那覇へ入港する。
翌日の飛行機で石垣島へ移動するため、那覇には一晩泊まるだけ。
本当は那覇~石垣島間も船舶で移動したいのだが、現在この間に貨客船の航路はない。
伊江島のタッチューが見えてくると、沖縄へ来たという実感がわく。
10月21日に鹿児島を出てから一週間が過ぎてしまった。
本部半島の円錐カルスト残丘と石灰岩採掘場を右手に見て、船は本部港へ入る。
沖縄方面へ旅する時の宿泊先は、「安宿沖縄」本とネットで下調べをして適当に決めている。
「安宿沖縄」本は、あまりヒドイ所は紹介していないが、たまに当たり外れはある。
今回は入港する時間も遅いので、何処とは言わないが那覇港近くの一泊素泊まり4000円のビジネスホテルに予約を入れておいた。
退職後旅を始めて数年になるが、こんなの初めてだっ!
古い・汚い・汚れが付いている・あちこちボロボロ・ベッドカバーにシミが付いてゴワゴワ・ロビーは薄暗く物置状態・その上得体のしれない女性がたむろしている。
蔵前仁一や下川裕治の旅行本によく出てくる、タイのバンコクの安宿はかくあらん、と思ったしだいであります。これで素泊まり4000円は高い、詐欺だ!
ホテルの窓から見た早朝の那覇市内、この街並みの雰囲気、やはり此処はアジアだ。
街角にはこんな楽しい物もある。
本日は早々に汚いホテルを抜け出して、西表島まで移動する。
10月25日13時20分に宝島を出港したフェリーとしまは、16時20分に奄美大島の名瀬へ入港します。
沖縄那覇行きのマルエーフェリーは、10月27日の午前5時50分出港ですから、奄美大島滞在は実質一日間だけです。
レンタカーで今まで行ったことのない島の南部へ向かいます。
まずは名瀬から国道58号を一路南下して、住用川河口のマングローブ林を見に行く。
西表島に次いで、国内二番目の広さがあるそうだ・・・・ふぅ~ん。
次に島の南部にある高知山展望台から、大島海峡と加計呂麻島を見に行きます。
国道58号線は一応二車線道路だが、カーブと勾配のきつさは林道なみ、「ここはいろは坂か」と突っ込みを入れたくなる所もあった。
さてこれが標高411mの高知山展望台、ヒカゲヘゴの木が有ったりして良い雰囲気。
古仁屋の市街地、大島海峡そして加計呂麻島です。
大島海峡は戦前から海軍の基地が有った所、今日も海自の艦船が停泊していた。
南の方角は逆光であまり美しくないので、海峡の西側を覗いてみる。
やっぱ亜熱帯の海はきれいですね。
奄美大島の海岸は、ほぼ全島複雑に入り組んだリアス式海岸です。
これで後程エライめにあった。
ヒカゲヘゴの葉っぱを真上から見るとこうなっているのです。
古仁屋から県道79号線を通って海岸沿いに走り名瀬まで戻るつもりだったが、これがとんでもない間違いだった。
県道79号線とは
①半分は林道並みの一車線道路
②カーブと勾配は林道以上のすさまじさ
③細かく曲がりくねった道であるため、実距離は地図上の倍はある
④あちこちで工事中・・・・などなど
宇検村の湯湾まで走ったところで気力を失い、県道85号線で国道58号へ抜け名瀬まで戻ってきた。
この写真は県道85号線と奄美中央林道の交差点、どちらが県道で林道かわかります?
左が県道ですが、作りは同じです。
そんな奄美に別れをつげて、早朝マルエーフェリーで沖縄へ向かいます。
マレエーフェリーの二等船室雑魚寝部屋、それなりに乗客がいた。