そうか、もう君はいないのか城山三郎新潮社このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆内容紹介◆
天真爛漫な面影、声にならぬ悲しみ。凜として純真な愛に満ちた、妻との半生記。
最愛の妻・容子が逝った……。特攻隊から復員した学生だった頃の奇跡的な出会い、文壇デビュー当時の秘話、取材旅行の数々、甦る人生の日々。そして衝撃のガン告知から、二人だけの最期の時間。生涯、明るさを失わなかった妻よ、君は天から舞い降りた妖精だった……。昨春、少年のような微笑を浮かべて逝った著者が遺した感涙の手記。
甦る面影、声にならぬ悲しみ。最期まで天真爛漫だった君よ……。亡き妻との人生の日々を綴った、凛として純真な愛あふれる「妻との半生記」。
◆内容(「MARC」データベースより)◆
癌とわかった妻。私は言葉が出なかった。かわりに両腕をひろげ、その中へ飛びこんできた容子を抱きしめた。「大丈夫だ、大丈夫。おれがついてる」 夫婦の絆を綴る、愛惜の回想記。「遺稿」の単行本化。
【読んだ理由】
城山三郎作品。
【印象に残った一行】
四歳年上の夫としては、まさか容子が先に逝くなどとは、思いもしなかった。
もちろん、容子の死を受け入れるしかない、とは思うものの、彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる。容子がいなくなってしまった状態に、私はうまく慣れることができない。ふと、容子に話しかけようとして、われに返り、「そうか、もう君はうないのか」と、なおも容子に話しかけようとする。
【コメント】
五十億の中でただ一人「おい」と呼べる妻へ―愛惜の回想記。