納棺夫日記 (文春文庫)青木 新門文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆出版社 / 著者からの内容紹介◆
"死"と向い合うことは、"生"を考えること。
長年、納棺の仕事に取り組んだ筆者が育んできた詩心と哲学を澄明な文で綴る"生命の本"
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
掌に受ければ瞬く間に水になってしまうみぞれ。
日本海の鉛色の空から、そのみぞれが降るなか、著者は死者を棺に納める仕事を続けてきた。
一見、顔をそむけたくなる風景に対峙しながら、著者は宮沢賢治や親鸞に導かれるかのように「光」を見出す。
「生」と「死」を考えるために読み継がれてほしい一冊。
【読んだ理由】
話題の本。
【印象に残った一行】
人の心なんて、他愛もないものである。
人を恨み、社会を恨み、自分の不遇を恨み、すべてが他者の所為だと思っていた人間が、己をまるごと認めてくれるものこの世にあると分かっただけで生きていける。
そして思想が一変する。
国立がんセンターのH教授が発言した言葉だけを覚えている。
ある末期患者が「がんばって」といわれる度に苦痛の表情をしているのに気づき、痛み止めの注射をした後「私も後から旅立ちますから」と言ったら、その患者は初めてにっこり笑って、その後顔相まで変わったという話であった。
そして、この原稿を書き終えたとき、正岡子規「病牀六尺」にある「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違ひで、悟りといふことは如何なる場合にも平気で生きて居る事であった」という言葉が実感として分かるようになった。
【コメント】
私には、後半は難解でよく解らなかった。