東の・・・巻一・四八 柿本人麻
東の・・・巻一・四八 柿本人麻呂
「東の 野に炎の 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ」
校訂原点(漢字)
「東 野炎 立所見而 反見為者 月西渡」
現代語訳と解説
「東の野に朝日の光がさしはじめる頃。振り返ってみると西の空には月がかたむき、地平に沈もうとしている」
太陽と月をシンメトリーに歌い、天空全体を見渡したスケールの大きさ。
柿本人麻呂が、のちの文武天皇である軽皇子と 阿騎野へ訪れたときの歌です。
本来、太陽と月は別の世界のものとされ、一緒に歌われることがありませんでした。ここではあえてそれを打ち破ることで、雄大さ、新たな美しさが表現されています。
昇る朝日が、新しく王位に就こうとしている若き軽皇子。沈む月とは軽皇子の父であり、若くして亡くなった草壁皇子のことを比喩したという説があります。
さらに冬至の日に歌われたのではないかとも言われています。冬至の日は、王の魂が甦ると信じられていました。なぜなら冬至の日を境に再び昼は長くなり、太陽が復活するからです。
東の空に昇る太陽と、西の地平線に沈みゆく月を 同時に眺めたこのとき、王位の世代交代という 大きな命の循環を感じたのかもしれません。
東の・・・巻一・四八 柿本人麻呂
「東の 野に炎の 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ」
校訂原点(漢字)
「東 野炎 立所見而 反見為者 月西渡」
現代語訳と解説
「東の野に朝日の光がさしはじめる頃。振り返ってみると西の空には月がかたむき、地平に沈もうとしている」
太陽と月をシンメトリーに歌い、天空全体を見渡したスケールの大きさ。
柿本人麻呂が、のちの文武天皇である軽皇子と 阿騎野へ訪れたときの歌です。
本来、太陽と月は別の世界のものとされ、一緒に歌われることがありませんでした。ここではあえてそれを打ち破ることで、雄大さ、新たな美しさが表現されています。
昇る朝日が、新しく王位に就こうとしている若き軽皇子。沈む月とは軽皇子の父であり、若くして亡くなった草壁皇子のことを比喩したという説があります。
さらに冬至の日に歌われたのではないかとも言われています。冬至の日は、王の魂が甦ると信じられていました。なぜなら冬至の日を境に再び昼は長くなり、太陽が復活するからです。
東の空に昇る太陽と、西の地平線に沈みゆく月を 同時に眺めたこのとき、王位の世代交代という 大きな命の循環を感じたのかもしれません。