【原文】
子曰、述而不作、信而好古、竊比於我老彭、
【読み下し】
子の曰わく、述べて作らず、信じて古(いにしえ)を好む。竊(ひそ)かに我が老彭(ろうほう)に比す。
【通釈】
先生が言われた、「[古いことに基づいて]述べて創作はせず、むかしのことを信じて愛好する。[そうした自分を]こっそりわが老彭(=殷王朝の賢大夫)の[態度]にも比べている」
【English】
The Master said, "A transmitter and not a maker, believing in and loving the ancients, I venture to compare myself with our old P'ang."
『論語』とは、読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。