![]() | 骨の記憶 |
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文藝春秋 |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
没落した東北の旧家の嫁のもとに届いた宅配便は51年前に失踪した父の頭蓋骨だった。
差出人は、中学卒業後、集団就職で町を出てその翌年に火事に遭って死んだはずの同級生。
いったい誰が、何のために―。隠されていた過去が、昭和の記憶とともに今、明らかになる。
人生の光と影を余すところなく描いた力作長篇。
◆出版社の内容紹介◆
東北の没落した旧家で末期癌の夫に尽くす妻、清枝のもとに51年前に失踪した父親の頭蓋骨が送りつけられた。
送り主は火事で死んだ同級生。
父親の失踪の理由と最期の様子、さらには最愛の夫が失踪事件の当事者だったという驚愕の事実が……。
少年期に罪の記憶を抱え、集団就職で上京した東北の貧農の少年が、下宿先の火事を機に、他人になりかわる。
金を掴(つか)み、起業して成り上っていくが、同時にかけがえのないものも失う。
集団就職から昭和をとらえつつ、人生の光と影をリアルに描いた重厚な傑作エンターテインメント。
◆著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)◆
楡 周平
1957年生まれ。米国系企業に勤務中の1996年に書いた『Cの福音』が30万部を越えるベストセラーとなり、翌年から作家業に専念する。ハードボイルド、ミステリー、冒険、SF、経済小説など幅広いジャンルで、綿密な取材によるスケールの大きな作品を送り出し読者を魅了している。
【読んだ理由】
新聞の紹介記事を読んで。
【印象に残った一行】
『一郎・・・・。この世の中にはな、人を利用して稼ぐ人間と、利用されて貧乏暮しに甘んじる人間の二つしかねえんだ。そのことを絶対に忘れんじゃねぇ。絶対に人を信じちゃなんねぇ。それだけは忘れんな』
【コメント】
主人公の長沼一郎が昭和19年生まれ、育った時代背景がほぼ同じで昭和の時代を懐かしく思い出しながら読んだ。父親が鶏を絞めるシーンなど。日本全体が貧困にあえいでいた時代だ。
約500pの長編だが一気に読んだ。この著者の本ははじめて呼んだが他の著作も読んでみよう。

