
【原文】
冉有曰、夫子爲衛君乎、子貢曰、諾、吾將問之、入曰、伯夷叔齊何人也、子曰、古之賢人也、曰怨乎、曰、求仁而得仁、叉何怨乎、出曰、夫子夫爲也、
【読み下し】
冉有が曰わく、夫子は衛の君を為(たす)けんか。子貢が曰わく、諾(だく)、吾れ将にこれを問わんとす。入りて曰わく、伯夷・叔斉は何人ぞや。曰わく、古(いにしえ)の賢人なり。曰わく、怨(うらみ)たるか。曰わく、仁を求めて仁を得たり。又た何ぞ怨みん。出でて曰わく、夫子は為(たす)けじ。
【通釈】
冉有が、「うちの先生は衛の殿様を助けられるだろうか。」と言ったので、子貢は「よし、私がお訊ねしてみよう」といって、[先生の部屋に]入って行って訊ねた、「伯夷と叔斉とはどういう人物ですか。」先生「昔の勝れた人物だ」「[君主の位につかなかったことを]後悔したでしょうか。」「仁を求めて仁を得たのだから、また何を後悔しよう。」[子貢は]退出すると「うちの先生は助けられないだろう」といった。
【English】
Yen Yu said, "Is our Master for the ruler of Wei?" Tsze-kung said, "Oh! I will ask him."
He went in accordingly, and said, "What sort of men were Po-i and Shu-ch'i?" "They were ancient worthies," said the Master. "Did they have any repinings because of their course?" The Master again replied, "They sought to act virtuously, and they did so; what was there for them to repine about?" On this, Tsze-kung went out and said, "Our Master is not for him."
『論語』とは
読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。