![]() | 路地の教室―― 差別を考える (ちくまプリマー新書) |
クリエーター情報なし | |
筑摩書房 |
【一口紹介】
◆内容紹介◆
「路地(地区、被差別)って何?」「差別なんて今もあるの?」「同和教育、利権とは?」すべての疑問に答えます。
問題を考える、はじめの一冊!
目次
・一限目 路地とは何か
私の故郷/幼い頃/差別はまだあるのか/結婚差別の対処法/路地の人が本当は困ること/路地は怖いか/てっとり早い解決法/情報公開/どうすれば路地はなくなるか/路地を知る
・二限目 路地を書くこと
なぜ路地を書くのか/路地を書く難しさ/ある政治家のルポ/ルーツが全てではない/ルーツとしての路地/路地への取材/立場を越えて
・三限目 路地のルーツ
ルーツ/渡来人説/人々の合流/集合体としての路地/系/系/教養としての路地
・四限目 同和教育と解放教育
各地の同和教育/学校に行けなかった路地の子/融和教育/同和教育/学力保障/解放教育/人権教育へ/同和教育の理念
・五限目 利権
発端/路地の運動団体/三つの解決法/同和対策事業/路地は儲かるか/エセ/路地とヤクザ/逆差別
・六限目 差別とは何か
差別する人間/差別と病気/コントロールする/底辺の視点/他者への気づき/男女の関係/多様性と気づき/多様性への嫌気/オンリーワン/オレオレ時代/若い時にしておくこと/素朴な疑問/イチから考える/路地の将来/よき日のために
◆著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)◆
上原/善広
1973年大阪府松原市出身。大阪体育大学卒業後、ノンフィクションの取材・執筆を始める。2010年、『日本の路地を旅する』(文藝春秋)で第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2012年、第18回雑誌ジャーナリズム賞大賞受賞
【読んだ理由】
新聞の紹介記事を読んで。
【印象に残った一行】
つまり路地とは、日本という国のさまざまな面を教えてくれる 、日本人が知っておくべき"教養"の一つなのだと私は思います。
社会のどこにいても、多少の差別はついてくるものです。まず「人は差別する」という前提に立つのが肝心です。極論すれば、「差別するからこそ人間でである」ともいえます
ですから、ここで大切なのは、差別をなくすことではなく、差別に抗う、つまり差別を無くすためにもがくことです。
しかし、ここで必要なのは、理解では無く「気づき」なのです。「他人を理解する」ということは、突き詰めて考えてみると不可能で傲慢なことです。
「他者への気づき」というのは、簡単にいえば、多くの人々がそれぞれ何かのものを背負って、事情をもって生きているのだというこことへの気づきです。
多様性への気づき、他者への尊重につながります。
例えば初めて会った人に対して「この人は自分とはまったく違う世界で生きてきたんだな」という気づきができれば、自己中心的な高慢さ、傲慢さを避けることにつながります。
また解放運動ではよく「被差別のことを理解していない」などと言いますが、これは先ほどにもいったように土台無理な話です。男女の例でも説明しましたが、すべて理解しようというのは所詮無理なことです。もし可能だとしたら、路地の者が一般地区のことを理解しようと努めてこそ成り立つと思います。
理解することは不可能であっても、理解しようと足搔くことが大切なのです。
【コメント】
路地という言葉の意味は知らなかったが、この問題への理解が深まると共に生き方の本でもある。多くの方にお勧めしたい。