日本男道記

ある日本男子の生き様

郷黨第十の二十一

2014年08月19日 | 論語を読む

【漢文】
子見齊衰者、雖狎必變、見冕者與瞽者、雖褻必以貌、凶服者式之、式負版者、有盛饌必變色而作、迅雷風烈必變、

【書き下し文】
子、斉衰(しさい)の者を見ては、狎(な)れたりと雖ども必ず変ず。冕者(べんしゃ)と瞽者(こしゃ)とを見ては、褻(せつ)と雖も必ず貌(かたち)を以てす。凶服の者にはこれに式(しょく)す。負版(ふはん)の者に式す。盛饌(せいせん)あれば必ず色を変じて作(た)つ。迅雷(じんらい)風烈には必ず変ず。

【通釈】
孔子は喪服を着た人に出会った時は、例えそれが友人であっても襟を正して敬意を表された。礼服を着た人や盲人に出会った時も、例えそれが友人であっても緊張した顔つきで敬意を表された。喪服を着た人に対して敬礼をされたが、死者の戸籍を持った役人に対しても敬礼をされた。豪華な食事を御馳走になった時には立ち上がって主人に謝意を表された。雷や風が吹き荒れる日には居住まいを正して天に敬意を表された

【English】
Confucius always straightened up when he saw a person wearing mourning, even if the person was his friend. He always straightened up when he saw a person wearing full dress or a blind person, even if the person was his friend. He saluted a person wearing mourning. He also saluted a person who held a book of family register of the dead. He always stood up and expressed his gratitude when he was treated. He always straightened up on the day of thunderstorm.

『論語』とは

読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。