日本男道記

ある日本男子の生き様

徒然草 第百六十二段

2022年07月26日 | 徒然草を読む


【原文】 
遍照寺の承仕法師、池の鳥を日来飼ひつけて、堂の内まで餌を撒きて、戸一つ開けたれば、数も知らず入り籠りける後、己れも入りて、たて籠めて、捕へつゝ殺しけるよそほひ、おどろおどろしく聞えけるを、草刈る童聞きて、人に告げければ、村の男どもおこりて、入りて見るに、大雁どもふためき合へる中に、法師交りて、打ち伏せ、捩ぢ殺しければ、この法師を捕へて、所より使庁へ出だしたりけり。殺す所の鳥を頸に懸かけさせて、禁獄せられにけり。
基俊の大納言、別当の時になん侍りける。 

【現代語訳】  
遍照寺の雑務坊主は、日頃から池の鳥を餌付けして飼い慣らしていた。鳥小屋の中まで餌を撒き、扉を一つ開けておくと、夥しいほどの鳥が誘き寄せられた。その後、自分も鳥小屋に入って鳥を閉じ込めると、捕獲しては殺し、殺しては捕獲した。その悲鳴がただ事では無いので、草むしりをする少年が、大人に言いつけた。村の男達がやって来て、鳥小屋の中に突入すると、大きな雁が翼をバタバタと必死に最後の抵抗をし合っていた。この中に坊主がいて、雁を地面に叩きつけ、首を捻って虐殺していたので、現行犯で逮捕された。判決が下りると、坊主は殺した鳥を首からぶら下げられて、豚箱にぶち込まれた。
久我基俊が、警視庁長官だった頃の話である。

◆鎌倉末期の随筆。吉田兼好著。上下2巻,244段からなる。1317年(文保1)から1331年(元弘1)の間に成立したか。その間,幾つかのまとまった段が少しずつ執筆され,それが編集されて現在見るような形態になったと考えられる。それらを通じて一貫した筋はなく,連歌的ともいうべき配列方法がとられている。形式は《枕草子》を模倣しているが,内容は,作者の見聞談,感想,実用知識,有職の心得など多彩であり,仏教の厭世思想を根底にもち,人生論的色彩を濃くしている。

Daily Vocabulary(2022/07/26)

2022年07月26日 | Daily Vocabulary
29021.complexion  (顔色、血色、顔の色つや、顔の肌  )the natural colour or appearance of the skin on your face
She has beautiful blonde hair and a fair complexion
29022.Do you mind  ~ing (~してくれますか )
Do you mind picking me up? 
29023.sufficient (十分な、足りる  ) formal    as much as is needed for a particular purpose SYN enough OPP insufficient 
This information is sufficient. 
29024.adequate  (適切な量や許容内という意味で、不足していないや「必要最小限は満たす ) enough in quantity or of a good enough quality for a particular purpose SYN sufficient OPP inadequate
Adequate preparation is necessary, we should work on this together  
29025.plenty  (たっぷりの、十分な  )a large quantity that is enough or more than enough
No worries. We have plenty of time.