<庭木の剪定を頼んだら・・>
先日、新居浜の旧友から下記のようなメールをもらいました。
日本という「近代国家」が持つ多面性・連続性・劇場国家性?などの一端を示す
エピソードかと思い、旧友の了解を得てここにご紹介します。
・・・千五百年ほど前に数百年間(あるいはその後も長く)、西国の大和朝廷系部族に
こてんぱんに蹂躙された東国諸国の一部族の末裔の一人としては、これを読んで
ちょっとした感慨を持って「へぇ-、へぇ-」というしかありませんでした。
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阿智胡地亭さん、お宅も知っとる新居浜の某社に旧皇室に連なる方がおられることは
ご存知でしたか?(はよから丁寧語口調になってしもとるわね...)
「有栖川宮家の詐欺事件」は滑稽な笑い話としてすでに記憶からほとんど
消えていましたが、今回、歴代皇室の本物の末裔にお会いして、家内ともども
しばらくこの話題で盛り上がりました。
少し前になるけど、庭木の剪定をその某社のOさんにやってもろたんです。
もう10年も前からそこの会社のグリーン部隊に剪定をお願いしているんやが、
このOさんが実は第29代欽明天皇(きんめい)の末裔であることが分かりました。
しかも百人一首で有名な小野道風や小野小町(美人で有名)とも親類にあたることが
家系図から判明し、我々はただ絶句と言うか、人は見かけとちゃうなーと、聞いてビックリしたんよね。
ではOさんのお話を下記します。
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その日の剪定が済んで、Oさんが帰りしなに私にこう言うたんが事の発端やわね。
こないだ、会社から帰ったら家内から、「お父さん、宮内庁から電話があって、歴代天皇大鑑が出来上がりました。無料です。
御入用ですか?と電話あったよ」と言うんで、宮内庁に電話して歴代天皇大鑑を送ってもろたんです。明日また剪定に来るんやけど、
見られるんやったらそのおり持ってきますが。 Oさんからの突然の話でしたが見せてもらいます、と返事した。
翌日は午前中に剪定が終わり、Oさんの独演会を約1時間あまりお聞きすることになりました。(もう完全に敬語になってしもとるがね)
桐の箱に丁寧に梱包された、日本皇室図書刊行の【新歴代天皇大鑑】と家系図を見
ながら有難く拝聴させて頂いた内容は、まず日本の天皇の始まりは天照大神(あまてらすおおみかみ)である、からスタートした。
第一代 神武天皇 (御名:神日本盤余彦尊:かんやまといわれひこのみこと)
在位:76年
崩御:西暦紀元前585年(御年137歳)
皇后:媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめのみこと)
陵(所在地):畝傍山東北陸(うねびやまうしとらのみささぎ=奈良県)
第二代 すい靖天皇(すいぜん) 84歳
第三代 安寧天皇(あんねい) 57歳
第五代 教昭天皇(こうしょう) 114歳
第六代 教安天皇(こうあん) 137歳
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第29代 欽明天皇(きんめい) 63歳
御名:天国排開広庭尊(あめくにおしひらきひろにわのみこと)
在位:32年 西暦571年
皇后:石姫皇女(いしひめのひめみこ)
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第122代 明治天皇 在位45年、 61歳
第123代 大正天皇 在位15年 48歳
第124代 昭和天皇(裕仁) 87歳
第125代 今上天皇(きんじょう)(明仁) 皇后:正田美智子
と現在に至るまでのまさに天皇家の歴史が記載された厚さ10㎝もある
御肖像、皇統譜を見せて頂いた。
Oさんは第29代 欽明天皇の末裔にあたり、鼻から上にかけては、見れば見るほど
欽明天皇の御肖像とそっくりであった。
また、滅多に人には見せない家系図をOさんは手を合わせて一礼しながら
巻物(長さ6から7mはあった)をユルリと開帳させながら拝見させてくれた、もとい、下さったが、
系図の中には小野道風や小野小町も記されており、まさに本物と信じるに足る証拠となるもので、
有栖川なんとかとは対照的ではあった。
Oさん自身は植木職もやってるという仕事柄、真っ黒に日焼けして
お見かけはお世辞にも皇室関係とは...。
ビックリはしたが、そやけど後で考えてみるとかなりの時間、自慢話を聞かされたような
印象しか残っていないのはなんでやろ?
いずれにしても摂政関白政治からより武家政治中心で天皇の政治力が落ちながらも時代、時代に適応しながら
形式的儀礼的であるが永く存続してきた秘訣はまさに驚異と想像するものです。
昔の天皇が100歳を越しているのは粗食が要因だとOさんは言っておりました。
しかし、Oさんをはじめ皇族の末裔の方々は近代社会とはいえ、現在もかなりの自覚を持って庶民には理解できない
ご苦労な生活がされておられるように感じました。
ちなみに新居浜市役所の東に立派な小野神社(今は名前は違うが)があり、境内の長さは大変立派で今も実在しています。
チョット浮世離れした経験でしたがアーァおもろかった。
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解釈、分析はいかようにも出来ると思いますが、この話自体はまごうかたなき現実のやりとりです。
これを読んだとき、私が知ってる新居浜の何人かのOさんたちのお顔が浮かび、
みなさん全員がお公卿顔だったような気がしてきたのも面白いことでした。
かしこみかしこみまおしました。
2004.02.17記
<庭木の剪定を頼んだら・・>続き
西からメールを頂けば、東からも便りを頂く。似非椅子徒(エセイスト)としては嬉しい限りです。
前回の阿智胡地亭便りの内容の真偽を、いささかなりとも問うものではないとの
但し書付きで、東の方から下記のような彼の総務部門責任者時代の経験談を頂きました、
これまたへぇ-へぇ-と面白く読ませてもらいましたのでご紹介します。
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新居浜のOさんなる方が、何と第29代欽明天皇の末裔!
しかも家系図付きでお顔立ちもそれなりに尊い由、あなかしこ。
俄かには信じられんが、なかなかにロマンもある実話かなと思いました。
小生、京都時代、職業柄怪しげな人名録商法とか家系図作成商法という
のにちょくちょくお目に掛かりましたもんです。
最初は無料奉仕と言いながら、実際には、なんだかんだと数10万円を
ふんだくられた方々や脅され途上で困り果て、相談を受けた身近なヤクインや
カンリショクが存外に大勢居ました。
さて、このお話は、そんなことは無いと思いますものの、桐箱入りで10cm厚の
貴き御本や巻物系図などは、宮内庁関連を標榜する出版社(右翼系の方々が多い)
サン達が最もお得意とする題材(商品)でして、特に、褒章や叙勲をもらった後に
「丁重なお祝いと共に売込まれるモノ」に 酷似しているようにも感じます。
今後、かのやんごとなきお方に、法外な金額の請求書が来ないことを祈りつつ、
興味深く 拝読させて頂きました次第です。
信じる 信じないとは別次元のコメントですんません。
以上
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追伸;将来、褒章や叙勲を受けられる方へ。
宮内庁が関係し、発行される正規の書籍・文献類は全て「宮内庁書陵部」編修と
なっているそうですのでご参考まで。
2004.02.19記