阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

東日本大震災が起こった後「阿智胡地亭の非日乗」が掲載したエントリーから   [ 2011年04月08日(金)のブログ]

2023年05月13日 | 東日本大震災ブログ
2011年04月08日(金)
原発での活動映像を初公開 東京消防庁
3月20日のエントリー[佐藤康雄東京消防庁警防部長と隊長たち] こちら
 
これ以上の放射能事故を押さえるのは原発の現場作業員の働きにかかっている。
☆ JMM [Japan Mail Media] No.630 Extra-Edition5
2011年4月7日発行から引用。

□ 国を守ろうとしている原発作業員を守ろうとしない国は、
やがて世界から孤立する

■ 有限会社T&Jメディカル・ソリューションズ代表取締役
木村 知


東電福島第一原発事故は、発生から三週間以上経過した現在も、未だ冷却装置の復旧がなされないばかりか、多量の放射性物質を含んだ汚染水の処理に難渋するなど、ますます深刻な事態に陥りつつあり、作業の長期化はもはや疑いようがない。

現場では、現在も多くの作業員の方々が連日作業にあたっているが、高放射線量が測定された水たまりでの被曝事故をはじめ、衣食住すべてにおいて非常に劣悪な労働環境、さらに線量計不携行での作業といった杜撰な放射線管理など、作業員の安全を脅かしている問題点が、次々と顕在化してきている。

このような杜撰な放射線管理の実情を耳にすると、驚くべきことで「あってはならないこと」ともちろん誰でも思うに違いないが、混乱を極めている実際の現場においては、むしろ驚くべきことではなく「そうせざるをえないこと」になっている可能性も否定できない。

「線量計が鳴らなかった」とか「数が足りなかった」というのは、おそらく言い訳にすぎず、「線量計など付けていては、あっという間に被曝線量上限に達してしまい、作業にならない」というのが、実態ではなかろうか。

これら作業員の方々の労働環境を監視・監督しているのは、いったい誰なのか?
そして作業員の方々の肉体的・精神的健康管理は、いったい誰が行っているのか?
それとも、これら作業員の方々の労務管理、健康管理は、いっさい誰も行っていないのか?

これらについて、明確な証拠を持って情報を開示する義務が、東電にはある。
 そしてこれらについて、東電が情報開示しないのなら、国が責任を持って現状調査し、国民に情報開示し、早急にそして適切に問題点を是正しなければならない。

もしもそれを行わず、杜撰な放射線管理がなされているのを知りながら、「見て見ぬフリ」をして、それを放置しているのであれば、それは国が作業員たちの「人権」を認めていないということに、他ならない。

これは、明らかに憲法違反だ。

もしもこれらが「放置」されているならばそれは、「国家的犯罪」と言わざるを得ない。

さらに、原子力安全委員会・緊急技術助言組織は、大量被曝の危険性がある作業員に対しての事前の造血幹細胞採取について、以下の見解を示し、その必要性を否定した。『造血幹細胞の事前採取については、作業従事者にさらなる精神的、身体的負担をかけるという問題があり、また関連国際機関等においても未だ合意がなく、国民にも十分な理解が得られてはおりません。このため、現時点での復旧作業従事者の造血幹細胞の採取は、必要ないと考えます』

一見、作業員の精神的、身体的負担についての配慮を窺わせる文体だが、いったいどのような「負担」がかかるというのか、これではまったく分からない。そしてその「負担」というのは、現場で作業を行っている作業員の方々が、今現在味わっている「負担」、そして今後味わうかもしれない「負担」と比べて、著しく大きい「負担」といえるものなのであろうか?

そしてこの見解は、大量被曝のために準備し得る施策についての、作業員の自由意思による選択肢さえも制限しかねない見解と言えるのではなかろうか。

これを行なうか行わないかの決定権は、本来、作業員の方々にあるのではなかろうか?

「大量被曝の危険性がないのだから、造血幹細胞採取という『負担』を作業員にワザワザ負わせる必要性はない」と言いたいのかもしれない。

しかし、線量計の管理も杜撰、被曝線量上限値も変更、そして「現場で線量について語るのはタブー」という作業員の証言の存在からは、「大量被曝はむしろ既に発生しているのではないか、と案じずにはいられない。

放射性物質には、何の匂いも色も味もない。

その放射性物質が多量に漂う事故現場で働く作業員たちの、姿も動きも声も叫びも、ほとんどわれわれは目にしない。

テレビだけを見ていれば、ややもすると「人格」のない「使い捨てロボット」が作業し続けているのではないか、と錯覚してしまうほどだ。

国は、はたしてこれら作業員の方々の「顔」や「名前」をすべて把握しているのだろうか?

国は、はたしてこれら作業員の方々を、本当に守るつもりはあるのだろうか?

前稿で私は、『「英雄」ではない「被害者」である原発事故作業員に、生涯にわたって医療補償を』と書いた。

しかし、私の考えは甘かった。

医療補償がなされる以前に、彼らは現在、「人権」すら認められていなかったのだ。

国は、彼ら作業員の方々を「英雄」などと思ってはいない。それどころか、彼らの人格や人権が著しく蹂躙されて続けていることを放置し「見て見ぬフリ」をしているのだ。

多量の放射性物質を含んだ汚染水を海に放水し続けるだけでなく、このような「人権蹂躙」を放置し続けていれば、日本は先進国として、やがて海外から著しく非難され、次第に孤立していくことになるだろう。

国民としても、このような「国を守ろうとしている作業員を守ろうとしない国」に対して、何も声をあげることをしないならば、それはこの国が世界から孤立していくのに加担する行為に他ならない、と言えるだろう。

今こそ、作業員の人権を守るための国民的議論の高まりを、強く訴えたい。

最後に、日本国憲法を供覧する。

これらひとつひとつを、今、じっくりと噛みしめるときではないだろうか。

日本国憲法

第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


木村 知(きむら とも)
有限会社T&Jメディカル・ソリューションズ代表取締役
AFP(日本FP協会認定)
医学博士
1968年カナダ国オタワ生まれ。大学病院で一般消化器外科医として診療しつつクリニカルパスなど医療現場でのクオリティマネージメントにつき研究中、2004年大学側の意向を受け退職。以後、「総合臨床医」として「年中無休クリニック」を中心に地域医療に携わるかたわら、看護師向け書籍の監修など執筆活動を行う。AFP認定者として医療現場でのミクロな視点から医療経済についても研究中。著書に「医者とラーメン屋ー『本当に満足できる病院』の新常識」(文芸社)。
きむらともTwitter: https://twitter.com/kimuratomo

○「東京電力に原発を運転する資格はない」  こちら
 
 
映画「東京原発」のweb公開。
☆webから引用。

⇒映画『東京原発』は、原子力発電の危険性、混迷を続ける政治・経済、若者による犯罪の増加……。現代の日本が抱える様々な問題を、痛烈なブラック・ユーモアを交えて描いたパニック・サスペンス・ムービー。

役所広司、段田安則、岸部一徳、そして紅一点となる吉田日出子など超豪華な演技派俳優たちが総出演。監督は、助監督として鈴木清順、降旗康男、伊丹十三、周防正行などの作品に携わってきた山川元。東京に原発誘致を掲げるカリスマ都知事VS反対派副知事。白熱する都庁へ爆弾と共にプルトニムがやって来る!?(2004年3月公開)

【出演】役所広司、段田安則、平田満、田山涼成、菅原大吉、岸部一徳、吉田日出子 他
【監督】山川元

映画は↓
 
映画「東京原発」全編  こち
 
今朝の河北新報のweb版一面
・宮城で震度6強 M7.4 一時、沿岸に津波警報(06:10)
・被災地に車の列 目立つ渋滞 見物人立ち入りか(06:10)
・石川遼は1アンダー マスターズゴルフ第1日(05:15)
・安全性確認まで操業停止 一時金含め補償要求へ 福島県漁連(06:10)
・「子どもたち、負けるなよ」闘将激励熱く 楽天1ヵ月ぶり帰仙(06:10)
・女川原発、基準地震動超える揺れ 津波も想定以上(06:10)
・笹かま製造苦境 沿岸部の工場被害・需要ダウン(06:10)
・仙台港に車運搬船 定期航路再開復旧に弾み(06:10)
・仙台七夕開催へ 商議所会頭「復興と鎮魂テーマ」(06:10)
・固い絆 力に 全国自治体、職員派遣や物資提供続々(06:10)
・東北6県で364万世帯停電 宮城県の6強地震(04:52)
・政府検討の被災者税制特例が判明 固定資産税を免除(02:02)

河北新報サイト
 
東京新聞のコラム「筆洗」から
筆洗
2011年4月7日

庶民感覚で本質を突く本紙の時事川柳には、はっとさせられることが多い。<専門家こんなにいたのに事故起こる><原発を薦めたタレント知らん顔>。その通り、と膝を打った

▼<マスメディア原発後押し一休み>。「原発ルネサンス」などと浮ついた言葉を吐いて、政府が進めてきた原子力政策に無批判だった新聞やテレビへの痛烈な批判と受け止めた

▼いま、こんなことを考えている。殺人や汚職事件の取材にかける百分の一の労力を、政局の取材に使う百分の一の知恵を、プロ野球や五輪、サッカーのワールドカップの取材に向ける百分の一の情熱を、国の原発政策の監視に注いでいれば、この人災は防げたのではないか、と

▼大地震が起きた場合、原発が暴走する危険性を指摘するなど、原発問題と真摯(しんし)に向き合っている記者は本紙にもいた。残念ながらその警告は大きな流れにはならず、大半の記者は目の前の事象を追うのに精いっぱいで原発の危険性に大きな関心を寄せなかった

▼高レベル放射能に汚染された大量の水が海に排出され、漁業への被害も深刻化している。暴走する福島第一原発は解決の道筋が描けない迷宮に入り込んでしまったかのようだ

▼マスメディアとして、原発の「安全神話」をつくることに加担した責任を自らの手で問い直さなくてはならない。新聞の再生はそこから始まるのだと思う。
 
原発避難対象区域内部の動画
☆神保哲生のサイトから引用・・

福島第一原発の放射能漏れ事故を受けて政府は、地震発生の翌日(12日)、原発から20キロ圏内の住民に避難を指示、15日には20~30キロ圏内の住民に屋内退避を指示している。

住民が避難した後、警察、消防などの行政機関も退避してゴーストタウンと化した避難対象区域は、今、どのような状態にあるのか。
地震で損壊した道路は危険な状態のまま放置され、置き去りにされたペットの犬や牛が、路上を我が物顔で闊歩する避難区域内部の最新の様子を、神保哲生が報告する。

こちら
(300kをクリックすると動画開始)
 
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