
巨匠と間違いだらけのクルマ選びの創刊号(1976年)
すでにご存知の方も多いと思いますが、異色の自動車ジャーナリストとして名を馳せた徳大寺
有恒(本名:杉江博愛)さんが逝去されました。
同じ自動車業界に身を置く者として、謹んでご冥福を祈りたいと思います。
氏の経歴は割愛させて頂きますが、氏のことは徳大寺以前より、よく存じておりました。

第一回日本グランプリに参戦!

トヨタのワークスドライバー
知名度や戦績はそれほどでもなかったと思いますが、日本のモータースポーツの
黎明期を自ら実体験されたのは稀少で、本当に恵まれた人しか不可能でした。
その後、不遇時代が続くのですが、起死回生とも言うべき間違いだらけの
クルマ選びで彗星のごとく再デビューされてからのご活躍は周知の通りです。
氏の最も素晴らしいと思うのは、自ら徳大寺有恒というキャラを作り上げたことでは
ないでしょうか?。
その命名からして、最も威厳のありそうな名前を選んだというのは、まさに計画的ですが、
素晴らしい企画力だと思います。

クルマも熟知!
誰が付けたのか知りませんが、いきなり巨匠とは少々胡散臭くも思えました。
しかし、氏の名言から察すると、巨匠と言うのも満更ではないと思いました。
クルマはデザインだ!
VWゴルフをこよなく愛されたのも頷けるというものです。

ベストセラー!
杉江氏以前の自動車評論家と言えば、評価するに値しない国産車の提灯持ち記事ばかりで、
その表現すら評価に値しないものでした。
個人的に実体験やお手本のCG(小林エディター)で、クルマの価値と言うものを理解して
たつもりですから、間違いだらけ・・を読んで特に感銘しなかったものの、一般的なユーザーに
とってはインパクトが大きかったでしょう。
自動車メーカーを敵にすることも臆することなく、いわば捨て身の戦法で一世を風靡した
異色の自動車評論家の徳大寺有恒氏の存在は唯一無二だったと思います。
最近のクルマと同じように、骨のある評論家が、また一人居なくなったのは寂しいと思います。
改めて、日本のクルマ好きへの、徳大寺氏の存在と功績は大きかったと思います。
徳大寺さん、お疲れ様でした。
(合掌)