孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

北朝鮮  「おしゃべり」金正男氏襲撃計画?

2010-10-15 21:49:04 | 世相

(長男・金正男氏 “”より by Kala | 卡拉
http://www.flickr.com/photos/nths/100383501/ )

“不思議の国”北朝鮮では三男・金正恩(キム・ジョンウン)氏への権力継承が進んでいるようですが、マカオ在住の長男・金正男(キム・ジョンナム)氏は権力の世襲に反対しているそうです。

****金正男氏、「3代世襲には反対」*****
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男・金正男(キム・ジョンナム)氏が、テレビ朝日とのインタビューで、弟である金正恩(キム・ジョンウン)氏への権力世襲に否定的な考えを示した。
インタビューは9日、中国の北京で行われたもので、日本では12日に放映された。

正男氏はインタビューのなかで、「1つの家族が3代続いて権力を世襲することに、個人的には反対だ」と述べた。だが、金総書記の後継に正恩氏が決まった背景には「ある内部的な事情」があるとして、「決定には従うべきだろう」と語った。
正恩氏が後継者とされたことについては、「わたしの父(金総書記)が決定したことだと思う。だが、わたしには関係のないことだし、関心もない」と語った。
また、正恩氏に対しては、「北朝鮮人民の生活が豊かになるよう、最善を尽くすことを願う」と述べ、「必要であれば海外からでも正恩氏を支援する用意はある」と協力する姿勢を見せた。
正男氏は現在、マカオに住んでいる。【10月12日 AFP】
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以前からのことではありますが、置かれた立場を考えると、金正男氏はずいぶん正直と言うか、自由な言動の人物です。こんなことまで言って大丈夫なのだろうか?と余計な心配までしてしまいますが、正恩氏側近による正男氏襲撃計画があり、それを中国が阻止したとか・・・。

****正恩氏の側近が正男氏襲撃を計画か、朝鮮日報****
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男で後継者に決定した金正恩(キム・ジョンウン)氏の側近が2009年、長男の金正男(キム・ジョンナム)氏を襲撃する計画を立て、中国から警告を受けていたと、朝鮮日報が13日報じた。
朝鮮日報は政府筋の情報として伝えたところによると、09年1月に金総書記が正恩氏を後継者に内定した後、正恩氏の側近が「おしゃべりな」正男氏に業を煮やし襲撃を計画。しかし、中国側から「わが国の領土では(正男氏に)接触するな」と警告を受けたという。
正男氏は、父親の寵愛を失ってからは、中国の北京やマカオに生活の拠点を移しており、中国共産党幹部の子弟のエリート集団「太子党」と親交が深いとされている。【10月14日 AFP】
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中国・胡錦濤国家主席は9月28日、北朝鮮労働党の総書記に再び推挙された金正日総書記に「党代表者会が成功裏に開かれ、選挙で最高指導機関が誕生したことも祝う」と祝電を送り、三男ジョンウン氏が後継者の地位を確実なものにした党人事にも支持を表明しています。

襲撃計画云々はありそうな話ではありますが、真相は全くわかりません。
もし記事のとおりだとすると、中国としては、今後北朝鮮が混乱した場合のカードとして長男・正男氏を温存しておこうという思惑でもあるのでしょうか・・・・。
正男氏なら、中国の意に沿った北朝鮮版改革・開放政策も進みそうです。

それにしても、次男の正哲(ジョンチョル)氏はどうなったのでしょうか?
古今東西、王位継承にあたっては、兄の存在はトラブルを起こすことも多々あります。

北朝鮮当局は世襲批判の取締を強化しているとか。
ただ、記事にある“北朝鮮住民の間で批判の声が強まっており”と言うのも、米政府系放送局の報道ですので、どの程度実態を反映したものかはよくわかりません。

****北朝鮮住民の権力世襲批判、当局が押さえ込みに必死****
米政府系放送局のラジオ自由アジア(RFA)は8日、金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男、正恩(ジョンウン)氏が正式に後継者に決まって以降、北朝鮮住民の間で批判の声が強まっており、当局が取締りと宣伝を強化していると伝えた。

咸鏡北道清津市の消息筋はRFAに対し、先月末に開かれた朝鮮労働党代表者会以降、同市で「子豚も親豚も食べてしまおう」との落書きが発見され、大騒ぎになったと述べた。市場には金総書記と正恩氏を非難するチラシが張られたとのうわさもあるという。
このため、当局はデマを流す者を通報すれば、身辺を保障し表彰すると触れ回っている。人民班(一定数の世帯で構成した組織)の会議では、ことし清津市だけでも熱心に通報した住民5人にカラーテレビが贈られ、8人が10万ウォン以上の賞金を受け取ったとも宣伝したという。

平安北道新義州市の消息筋も、当局が批判的な世論の拡散を防ぐため、講演会、人民班会議、「第3放送」(各家庭のスピーカーで放送される有線ラジオ放送網)など、あらゆる宣伝手段を動員していると伝えた。一部の講演会では、悪意あるデマを流した者が共和国法により厳しい審判を受けたと脅すこともあったという。

また、北朝鮮当局は韓国と米国の介入で、権力世襲を批判するデマが流布されている宣伝しているようだ。新義州市の消息筋は、米国と韓国が北朝鮮内部に不純なデマを流すため血眼になっているとの教育を受けたと話している。清津市の消息筋も、人民班会議で、韓国情報機関の国家情報院から金を受け取った者がデマを流しており、捕まえるべきだとの話が出たと伝えた。【10月8日 聯合ニュース】
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コメント
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