孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

中国  4日連続の言語問題をめぐるチベット族のデモ

2010-10-23 20:04:38 | 世相

(最近の中国国内におけるチベット族による抗議行動の写真を目にすることは殆んどありません。国外での抗議行動は多数行われていますが。上の写真は08年3月のチベット暴動のもの 軍用トラックに投石するラサのチベット族 “flickr”より By talwand  http://www.flickr.com/photos/talwand/2350457941/ )

中国でのデモと言えば「反日デモ」が連日報じられていますが、チベット族学生らによる「教育改革」(チベット語と英語を除く全教科で漢語による授業を行う)に対する抗議デモも行われています。

****数千人が3日連続の抗議デモ=言語問題でチベット族学生―中国****
中国西部の青海省で19日から21日にかけて、授業で中国語の使用を強制する新政策に反発するチベット族の大学生や高校生らが3日連続で抗議デモを行った。米政府系の自由アジア放送(RFA)が22日、伝えた。
デモが起きたのは黄南チベット族自治州同仁県や海南チベット族自治州興海県などで、連日数千人がデモに参加。同仁県では数日以内に授業ボイコットも計画されているという。

デモ参加者は「チベット語を返せ」と叫び、県庁前などを行進。20日の参加者は計8000人に達した。警察は各地の学校にデモを制止するよう要請したり、学生を学校に連れ戻したりしている。
青海省教育庁の当局者はRFAに「状況を把握するため、職員を現地に派遣した」と述べた。中国メディアは一連のデモを一切報じていない。【10月22日 時事】
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同仁県の高校6校の生徒が地元当局庁舎前でデモ行進を始め、周辺寺院の僧侶も加わったとのことで、参加者は「チベット語の使用を拡大しよう」「民族の平等を守ろう」などと、横断幕を掲げて抗議しています。
漢族の教員が大量流入し、チベット族は失業すると危機感もあったようです。

この動きは周辺にすぐに拡大しました。
“学生たちの抗議はすぐに、同じ青海省内で隣接するふたつのチベット自治州へ広がった。20日には海南チベット族自治州共和鎮で2000人の学生たちが「チベット語に自由を」などと叫びながら市庁舎前までデモ行進した。続いて21日にも同省の果洛チベット族自治州大武鎮で学生たちがデモを行った。警察は住民を戸外に出させないようにした。” 【10月23日 AFP】

更に、首都北京でのデモも報じられています。
****北京のチベット族学生もデモ=中国語使用の強制問題*****
中国・北京の中央民族大学構内で22日、チベット族の学生約400人が少数民族言語による教育の維持を求めてデモを行った。米政府系の自由アジア放送(RFA)が23日、伝えた。
西部の青海省各地で19日からチベット族の学生が授業での中国語使用強制に対して抗議デモを行っていることに呼応したもので、言語問題をめぐるチベット族のデモは4日連続となった。【10月23日 時事】
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しかし、「反日デモ」については「日本側の誤った言動に怒りを表すのは理解できる」と一定の理解を示す中国当局がチベット問題で理解を示す可能性はなく、デモ参加者への対応などが懸念されます。

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