経済界の新春パーティーに参加してきました。話題は専ら景気のことでしたが、ある電子関連メーカーの社長は、どこも今までが過剰生産だったし、自社でも生産設備部門がさっぱり動いていない、このまま最低2年は我慢しなければならないと仰っていました。パーティーで出された飲み物もアルコールは控えてソフトドリンクだけです。タイトルにパワーが入って、なんとなく元気になりそうなアルバムを聴いてみました。
DEXTER GORDON (デクスター・ゴードン)
THE TOWER OF POWER (PRESTIGE 1969年録音)
アルバムタイトルを直訳すると「力の塔」ということになり、無骨そうなジャケット写真とあいまって太いテナー・サックスの音が聴こえてきそうです。ところが、メリー・ホプキンの歌で1968年に大ヒットした「Those were The Days」(悲しき天使)が収録されていて、しかもその哀感のあるメロディーをストレートに吹いているので、そのギャップにちょっと驚いた覚えがあります。
メンバーはデクスター・ゴードン(テナー・サックス)、ジェームズ・ムーディー(テナー・サックス Montmartre1曲のみ)、バリー・ハリス(ピアノ)、バスター・ウィリアムス(ベース)、アルバート・ヒース(ドラムス)です。リズムセクションは、実力者を揃えていますが、特にバリー・ハリスはどの曲でも地味ながらメロディアスなソロをとっています。
曲目は、「Montmartre」、「The Rainbow People」、「Stanley The Steamer」というデクスターのオリジナル3曲と「Those Were The Days」の計4曲です。デクスターは太いけどやわらかい音(ソニー・ロリンズとちょっと似てるかもしれません)で、リズムにほんのちょっと遅れ気味に吹いています。やや早いテンポの「Stanley The Steamer」では、スムーズな動きをしています。
「Those Were The Days」はバラードで、デクスターはゆったりとしたテンポで旋律をどっしりと吹いていきます。これがなかなか哀愁が漂っていて、アドリブに入ってもそのイメージが持続します。バリー・ハリスのソロの後、またテーマを奏してくれます。この曲のジャズ・ヴァージョンは、私は他に見かけたことがないので、よくぞ録音してくれたと思います。
ホームページにジェニー・スミス(ヴォーカル)を掲載しました。よかったら覗いてみてください。
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