この土、日は安曇野市の自宅(実家)でいろいろな用を足していました。長野市から安曇野市へ行くと寒さがひとしおです。そこで、自宅から車で15分くらいのところにある市営「しゃくなげ荘」の日帰り温泉に入って温まってきました。一帯は北アルプスの麓で、ホテルや美術館があり訪れる観光客の方もシーズンには多いところです。車の中では、いわゆるジャズ・ファンクといわれる作品を聴いていきました。
NATHAN DAVIS (ネイサン・デイビス)
IF (Tomorrow International 1976年録音)
ネイサン・デイビスのジャズ・ファンクあるいはジャズ・グルーヴ分野の作品で、かなり有名なようです。ヨーロッパに渡り活躍していたネイサンは、ジョン・コルトレーンの流れを汲むマルチ・リード奏者として、ケニー・クラークと共演した「PEACE TREATY」(1965年録音)などハード・バップに根ざしたプレイをしていましたが、後年はリズムも多彩に別方向の作品を作っています。
これは副題に「Introducing Abrahama Laboriel」とあり、新人ベースプレイヤーを紹介する意味もあるようで、メンバーはジョージ・コールドウェル(ピアノ、エレキピアノ)、アブラアム・ラボリエル(エレキベース)、ウィリー・アモアク(パーカッション)、ジョージ・コールドウェル(ドラムス)にネイサンです。日本語のライナーノートでも、本作品に関してはリズム隊への言及が主になっています。
曲目は、すべてネイサン・デイビスの作曲で、「STICK BUDDY」、「IF」、「BAHIA」、「AFRICAN BOOGIE」、「TRAGIC MAGIC」、「A THOUGHT FOR CANNON」、「MR. FIVE BY FIVE」など8曲です。僕はどちらかというと、テーマと彼のフルート、サックス、ベースクラリネットなどを追いかけて聞いているので、もしかしたら、ジャズファンクやクラブミュージックが好きな方とはちょっと意見が異なるかもしれません。
2曲がよかったのですが、「STICK BUDDY」は、フルートによるテーマの吹奏が表現に変化をつけて見事です。テーマそのものも湯あがりにぴったりの、ゆったりとしたルーズ感があるもので、これはいい曲です。そして「MR. FIVE BY FIVE」のごつごつとした音の塊を吐き出しているようなテナー・サックスのソロには興奮させられました。
<安曇野市営 しゃくなげ荘>
左が施設全体の入口表示板です。ここは宿泊施設もあります。右は日帰り用の温泉施設で、湯船は広いですが露天風呂はありません。