昨年末に長野駅前の書店で、スイング・ジャーナル誌の本年1月号(2008年12月20日発売)をパラパラめくっていたら、キャロル・スローンのポートレートが目に飛び込んできました。記事をみたらCBSソニーから発売されて長らく廃盤になっていた「ボディ・アンド・ソウル/Early Hours」が名前を変えて21年ぶりにCD復刻されたのです。
CAROL SLOANE (キャロル・スローン)
HUSH-A-BYE (SSJ 1959年録音)
さっそく雑誌を元に戻して、タワーレコードに走りました。キャロル・スローンのアルバムは結構持っていますが、とりわけ初期のものが気に入っています。CBSソニーから出たラリー・エルガート楽団在団中の本作品は持っておらず、手に入れたくて仕方がありませんでした。今回復刻されたSSJレーベルに感謝です。
伴奏は、チャック・ウェイン(ギター)、バッキー・ピザレリ(ギター)、ラルフ・パット(リズム・ギター)、ケニー・オブライエン(ベース)、ヴィニー・バーク(ベース)、ビル・フィネガン(チェレスタ)で、曲によりギター2本を中心とした編成です。そのせいもあり、小さなクラブで歌を聴いているようなリラックスした雰囲気が漂います。
1937年生まれのキャロルは逆算すると22歳ということになりますが、ここで歌っているバラードは、もう既に聴いている人を引き込むような実力があるように感じます。曲目は、スタンダード中心で「Hush-A-Bye」、「Wait Till You See Him」、「Guess Who I Saw Today」、「In the Wee Small Hours of the Morning」、「Angel Eyes」、「Body and Soul」、「Summertime」など11曲です。
「Wait Till You See Him」は曲そのものも傑作で、歌も訴えかけてきます。「Hush-A-Bye」で「ルルルルールー・ハッシャバイ」と歌っていくところなどは安らぎにあふれています。「Angel Eyes」など他の曲もよく素晴らしい作品だと思います。ジャケットも綺麗で、近年リリースされた復刻盤の最右翼に挙げられるものでしょう。