安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

スタン・ゲッツ STAN GETZ IN STOCKHOLM

2012-09-23 17:56:47 | テナー・サックス

いささか旧聞に属しますが、日本経済新聞2012年8月15日付文化欄に「音盤探しの友新たな楽章」と題し、針谷順子さんの寄稿が掲載されました。”「レコードマップ」最終号に万感、電子化への決意新た”という副題で、1986年から毎年出版してきた「レコードマップ」が、7月に刊行された2012年版で最終号を迎えたという内容です。僕はこの本のお世話になり、各地のレコード店を訪れていただけに、仕方ないとはいえ残念です。そんな時に買ったアルバム。

STAN GETZ (スタン・ゲッツ)
STAN GETZ IN STOCKHOLM (Verve 1955年録音)

 Instockholmstangetz

「レコードマップ」は、地方に住んでいる者にとってはありがたいものでした。ジャズの雑誌などには、レコード店の広告も載るので、東京都内の有名レコード店はわかるのですが、都内でも小さな専門店とか、地方のレコード店については、この本で初めて知ったところが大半でした。札幌、博多、松山、高松、金沢などの街をこの本片手に歩いたことが忘れられません。

スタン・ゲッツ(ts)は、膨大なアルバムを残していますが、僕はややクールな音色で、自在にメロディを歌わせていた初期のものに手が伸びることが多いです。とりわけ、スウェーデンで録音した、1951年の「Dear Old Stockholm」を含む録音と、この55年のアルバムは、現地のミュージシャンを起用し、リラックスしたムードが溢れていて、お疲れ気味の時など、心身の回復剤ともなりました。

メンバーは、スタン・ゲッツ(ts)、ベンクト・ハルベルク(p)、グナー・ヨンソン(b)、アンドリュー・パーマン(ds)。曲は、スタンダードで、「Indiana」、「Without A Song」、「I Don't Ghost of A Chance」(恋のチャンスを)、「I Can't Believe That You're In Love With Me」(恋のため息)、「Everything Happens To Me」、「Over The Rainbow」(虹の彼方に)、「Get Happy」、「Jeepers Creepers」の8曲。リズム陣は、控え目ながらゲッツをもり立てていて、ハルベルク(p)のソロは、モダンスイングといった趣きがあります。

録音時、ゲッツは、肺炎などの闘病生活から復帰した直後だったというのですが、全くそんなことを感じさせず、好調なプレイに終始しています。「Indiana」のテナー・サックスによるイントロは、ゲッツならではの流麗さ。バラード「Without A Song」では、ハルベルク(p)の繊細なイントロから、ゲッツのウォームな音色による幻想的といってもいいソロが展開されます。「I Can't Believe That You're In Love」や「Get Happy」は、ウォーキングベースに乗ったスインギーなプレイ。

【レコードマップ2012年版】
購入しました。年々掲載するお店の軒数は、少なくなっているようですが、重宝します。

  Recordmap2012_2