先週の13日(木)に長野市で開催されたヴォロディーミル・シレンコ指揮キエフ国立交響楽団の公演に行ってきました。久しぶりにオーケストラの響きに触れることができましたが、そのコンサートの感想は別に拙ブログにまとめました。長野県内にはプロの管弦楽団はないので、東京などへ出かける必要がある中、こういう公演はありがたいです。比較的近くだと、高崎市に群馬交響楽団があるので、一度聴きに行くつもりです。「Russian Lullaby」(ロシアの子守唄)が入ったアルバムを聴いてみます。
AL COHN (アル・コーン)
STANDARDS OF EXCELLENCE (CONCORD 1983年録音)
「Russian Lullaby」は、アーヴィング・バーリンが1927年に作詞作曲した歌です。バーリンは、シベリアの出身で幼いころ(2歳~4歳)に家族でニューヨークへ移住したので、おそらく出身地のことは覚えていなかったのではないかと思います。けれども、メランコリックな曲調は、ロシア音楽に通じるものがあります。原曲は、ワルツですが、ワルツでやっているものは少ないようです。
「Russian Lullaby」の演奏は、ヴィック・ディッケンソン(tb)やジョン・コルトレーン(ts)のものが有名ですが、他に僕のもっているヴァージョンだけでも、アル・コーン(ts)、ウラディミール・シャフラノフ(p)、ヤン・ラングレン(p)とあって、近年でも録音がされているのが意外でした。さて、このアルバムのメンバーは、アル・コーン(ts)、ハーブ・エリス(g)、モンティ・バドウィック(b)、ジミー・スミス(ds)。
曲は、タイトルどおりスタンダードです。「Russian Lullaby」(ロシアの子守唄)、「When Your Lover Has Gone」、「O Grande Amor」、「You Say You Care」、「I Want To Be Happy」、「Embraceable You」、「I Remember You」、「When Day Is Done」の8曲。ジュール・スタイン=レオ・ロビン作「You Say You Care」と、ロバート・カッシューが1924年に作った「When Day Is Done」は、スタンダードとはいっても珍しい。
ハーブ・エリスの参加を得て、アル・コーンがメリハリをつけながらよくスイングしています。 「Russian Lullaby」は、コーン(ts)が、豊かなトーンで吹き始め、哀愁漂う曲想にそったプレイをしています。急速調の「I Want To Be Happy」は、コーンのドライブの素晴らしさが味わえ、エリス(g)との絡み合いもスリリング。「O Grande Amor」は、ゲッツやズートのボサノヴァに負けず劣らず、スムーズで心地よい出来具合です。アル・コーンは、「アル&ズート」のもので聴くことが多いですが、ワンホーンのこれは欠かせません。
【クラシック情報誌 ぶらあぼ11月号】
コンサート会場などで無料で配布されています。毎号いただいてきて読んでいますが、音楽家のインタビュー、国内や海外のコンサート情報、テレビのクラシック放映情報などクラシック関連の情報はこれ一冊あれば充分です。以前この情報誌を掲載したことがありますが、継続して発行されているのがすごい。