和田誠、平野レミ著「旅の絵日記」という面白そうな文庫本が書店にあったので、購入して読みました。
表紙
(カバー裏にある本書の紹介)
(著者について)
和田誠
1936年生まれ。グラフィックデザイナー、イラストレーターとして書籍の装画、装丁を数多く手がけた。1977年から「週刊文春」の表紙を担当したことでも知られている。絵本を含む自著は二百冊を超える。村上春樹さんのものなど、映画やジャズ関連の本も多く担当している。2019年死去。
平野レミ
料理愛好家・シャンソン歌手。父は仏文学者平野威馬雄氏。主婦として家庭料理を作り続けた経験を活かし、〝シェフ料理〟ではなく、〝シュフ料理〟をモットーにテレビ、雑誌などを通じて数々のアイデア料理を発信。全国の町おこしなどにも参加。著書に、『平野レミの新・140字レシピ』(扶桑社)など多数。
(感 想)
平野レミさんの読みやすい文章と、和田誠さんのほんわかとした絵で綴られた旅行記で、楽しい読み物です。1989年7月25日から8月17日までの約3週間、フランス在住の日本人写真家が同行し、レンタカーで欧州4国を回る旅は豪華ですが、ホテル探しなど臨機応変の対応もあってワクワクしました。
ルーヴル美術館の「モナリザ」や「ピサの斜塔」など観光名所の記事も良いのですが、フランスの「サン・ぺ・ドゥ・ビゴール」で観たサーカスやスペインの「オンダラ」で観た闘牛の模様などが、詳しく描写されていて、興味深かった。闘牛の実際がいくらかわかりました。
お料理に関する具体的な記述も楽しい。例えば、リモージュで食べたクスクスについて、『火にかけたお鍋に各種のスープ煮があつあつになっている。各自のお皿にスムール(小麦を砕いて蒸したもの・・)をとって、スプーンでお鍋の中味をかけて、胡瓜やニンジン、カブの煮たものを添えて食べる。』
(本書のカバー裏にある著者の詳しい紹介)
(掲載された地図や絵などから)
地図。パリからリモージュ、ラスコー、そしてピレネー山脈を越えて、グラナダへ行き、ヴァレンシア、バルセロナを経由し、モナコ、フィレンツェ、ローマという行程です。町の名前だけでもワクワクします。
エッフェル塔。夜ですね。
パリの「自由の女神」
サン・ぺ・ドゥ・ピゴールという町でいきあった犬と猫を連れた家族。
スペインのアンポラという小さな海辺の町のレストラン。海老のスープなど美味しかったようです。和田さんが描く、こういう線だけの絵も良いですね。
バルセロナの手前にあった石で作られた橋。
【和田誠著「装丁物語」(中公文庫)】
この本も面白かったです。感想などを記した拙ブログの記事へのリンク。