ビル・エヴァンス・トリオ最後の二年間(草思社)を読みました。ジョー・ラ・バーベラ、チャールズ・レヴィンによる執筆内容、荒井理子さんによる翻訳が良く、読みやすい本です。
表紙
(本書の紹介)
(感 想)
ジャズ・ジャイアントの一人、ビル・エヴァンスについて書かれた本や雑誌は数多ありますが、ジョー・ラ・バーベラとチャールズ・レヴィンにより書かれたこの本は、エヴァンス晩年の生活と音楽について核心に迫るもので、読んで良かった一冊です。
ジョー・ラ・バーベラは、エヴァンスのピアノトリオでドラムスを演奏し、日常でも接点を多く持っていたので、伝聞ではない文章に迫力があります。エヴァンスは、薬物依存によって命を落としましたが、最後まで音楽に愛情を持ち、高いプロ意識を持っていた点に感銘を受けました。
アルバム「We Will Meet Again」の収録当日の様子について書かれた第7章は、特に興味を惹かれました。エヴァンスが音楽を作っていく課程が描かれ、さらに、録音場所がマイルス・デイヴィスのアルバム「Kind of Blue」と同じだったので、そのことが話題に上るなど、ジャズファンの琴線に触れてきました。
(掲載された写真から)
リックス・カフェ・アメリケインで行ったギグ(1979年1月)の休憩中のビル・エヴァンス・トリオ。左から、マーク・ジョンソン(b)、ジョー・ラ・バーベラ(ds)、ビル・エヴァンス(p)。
(執筆者のプロフィール)
(読みながら、また、読了後聴いてみたCD)。
ビル・エヴァンス「We Will Meet Again」
本書の第7章に登場するアルバム「We Will Meet Again」(Warner Brothers)。ビル・エヴァンスの作曲した「Bill's Hit Tune」は、このアルバムが初出です。これは、僕の大好きな曲です。
ジャン=イヴ・ティボーデ「Conversatioons with bill evans」
フランスの有名なクラシックのピアニスト、ジャン=イヴ・ティボーデによるエヴァンス曲集。エヴァンスが素晴らしい作曲家でもあったことがわかります。
田窪寛之「WALTZ FOR DEBBY A TRIBUTE TO BILL EVANS」
ピアノトリオによりエヴァンスの曲を演奏しています。エヴァンスが大好きで、影響も受けたというピアニスト、田窪寛之さんによるエヴァンス曲集。こういう作品が、日本で作られたというのが嬉しいです。
のLIVEを、通読中には聴いてたり
しましたが、そのほかには、「パリス・
コンサート1・2」とか、
「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・
スプリング」とか聴きなおしていました。
ご紹介にあった、ティヴォーテのピアノ・
アルバム。そのアルバムが出た当時、
クラシックのピア二ストがエヴァンスの
曲を弾いてアルバムにしたと話題になった
ようなことを思い出しました。
ティヴォーテだったのか・・・。
合点がいきました。
この本ですが、エヴァンスと演奏し、日常的にも頼りにもされていた、ラ・バーベラの書いたものだけに、興味深く、心を打つところもありました。
実は、僕は、晩年のエヴァンスのタッチが強すぎると思っていて、その時代の演奏は敬遠気味でした。しかし、この本をんだら、晩年にエヴァンスが作曲した曲や、ラストトリオの演奏は聴くに値するなと、考えを少し替えています。
最近は発掘とかで、山のようにエヴァンスの音源が出ていますが、まずは、正規スタジオ録音からと思い、「We Will Meet Again」を聴いてみました。ティボーデと田窪寛之さんのCDは、昔に購入したものです。
コメントありがとうございます。