安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

スタン・ゲッツ THE DOLPHIN

2009-04-09 21:28:52 | テナー・サックス

東京に住んでいる娘から、お誕生日プレゼントとしてネクタイをもらいました。ななめにストライプが入った柄で、色は淡いグリーンやグレイです。イメージがかなり春らしいもので、ちょうど季節にあうのでさっそく使っています。春にちなんだ曲目はいくつかありますが、今夜は「Joy Spring」を聴いてみます。

STAN GETZ (スタン・ゲッツ)
THE DOLPHIN (CONCORD 1981年録音)

 Thedolphin

「Joy Spring」は、トランペット奏者のクリフォード・ブラウンの作曲で本人の演奏した録音がよく知られています。冒頭からうれしいという気持ちが感じられるメロディーです。春の喜び(Joy of Spring)の意味にとりましたが、曲想からしても多分正しいと思います。「Joy Water」といえば「お酒」のことで、Joyは続く単語との組み合わせでいろいろな意味に用いられます。

スタン・ゲッツ(テナー・サックス)の作品「ドルフィン」に「Joy Spring」が入っているので、それを聴いています。メンバーはゲッツの他、ルー・レヴィ(ピアノ)、モンティ・バドウィック(ベース)、ヴィクター・ルイス(ドラムス)です。サンフランシスコのキーストーン・コーナーにおける実況録音で、コンコードレーベルへの第1作です。

曲目は、「Joy Spring」、「The Dolphin」、「My Old Flame」、「The Nihgt Has a Thousand Eyes」、そしてジョニー・マンデル作曲の2曲「A Time For Love」と「Close Enough for Love」の6曲。よく知られている曲ばかりですが、ジョニー・マンデルの2作品が取り上げられているのが目立ちます。ゲッツの好みなのでしょう。

「Joy Spring」ですが、ミディアムテンポで、ゲッツはテーマを丁寧に奏した後、メロディアスなソロを繰り広げます。特に後半部が美しい。ルー・レヴィも長いソロをとります。「The Night Has a Thousand Eyes」もよいですが、僕の好みは「Close Enough for Love」で、ゲッツがクール気味なトーンでぐいぐいと盛り上げていくアドリブ部分がかっこいいです。


ハワード・ロバーツ GOOD PICKIN'S

2009-04-05 21:21:27 | ギター

新譜で発売されるCDのジャケットにいろいろな趣向が凝らされています。スイング・ジャーナルの広告を見ただけでも、ヴィーナスやバーズレーベルのものなどは脚線美を強調したものが目につきます。例えばグラント・スチュアートのものです。脚線美ものは昔からありますが、ギターの横から綺麗に脚が伸びている下記作品のジャケットは好みです。

HOWARD ROBERTS (ハワード・ロバーツ)
GOOD PICKIN'S (Verve 1957年録音)

 Goodpickinshowardroberts

ハワード・ロバーツ(ギター)は、日本のジャズファンの間であまり話題に上ることがないような気がします。60年代にキャピトル・レーベルに多数の録音がありますが、多くをスタジオ・ミュージシャンとして過ごしていることも理由のひとつかもしれません。けれども、スイングする洗練されたプレイは一聴の価値があります。

このアルバムはロバーツの第2作目でウエスト・コーストの仲間とジャズを演奏したもの。ロバーツ(ギター)の他に、ビル・ホールマン(テナー・サックス)、ピート・ジョリー(ピアノ)、レッド・ミッチェル(ベース)、スタン・リーヴィ(ドラムス)というメンバー。

このアルバムを買った理由は、好きな曲「Will You Still Be Mine」と「When The Sun Comes Out」が入っていることです。他にもスタンダードの「All The Things you Are、「Lover Man」、「Relaxing at Camarillo」、「Easy Living」、「The More I See You」やロバーツ自作の「Terpsichore」など全10曲です。

スローな「Easy Living」は、ロバーツのプレイをフューチャーしており、単音を繊細に響かせ、コードワークも聴きごたえがあります。「When The Sun Comes Out」では、ギターがメロディーを快適に奏でます。「Relaxing at Camarillo」でのプレイはスピード感もあってなかなかのものですが、テナーやピアノとソロを分け合う曲が多く、もっとギタープレイを聴きたくなるアルバムでもあります。


チャーリー・ラウズ YEAH!

2009-04-01 21:25:46 | テナー・サックス

今日4月1日から部署が変わり、かなり忙しそうなところに配属になりました。仕事が優先だから仕方ありませんが、音楽を聴く時間や散策に出かける時間がとりずらくなるのは切ないところです。工夫しながら、ブログやホームページ作成を続けたいと考えていますが更新の方は遅くなるかもしれません。タイトル「ヤー!」で気合いを入れてみます(笑)

CHARLIE ROUSE (チャーリー・ラウズ)
YEAH! (EPIC 1960年録音)

 Yeah

タイトルが面白いです。日本語で言うと「はい!」という威勢のいい返事なのでしょうが、ジャズファンだと掛け声の「ヤー」を連想してしまいます。YEAHまでは英字ですが、!(驚きマーク)の上の部分はラウズ自らテナー・サックスを持って立っています。

この作品は人気盤として定評があります。ラウズ(テナー・サックス)、ビリー・ガードナー(ピアノ)、ペック・モリソン(ベース)そしてデイブ・ベイリー(ドラムス)という中庸をいくメンバーです。ベイリー参加のアルバムは、すべからくよくスイングするのでこの名前を見つけると購入意欲が湧きます。

曲目は大スタンダードの3曲「You Don't Know What Love is」、「Stella by Starlight」、「There is No Greater Love」に、ラウズ作曲の3曲「Lil Rousin'」、「Billy's Blues」、「Rouse's Point」の6曲です。ただし、「Billy's Blues」は表記はラウズになっていますが、ビリー・ガードナーによるものと思われます。

「You Don't Know What Love is」は、ソニー・ロリンズの名演を思い起こさせるプレイ。「There is No Greater Love」も温かみの感じられるバラード。「Rouse's Point」は、早めのテンポによる緊張感のあるラウズの吹奏とモリソンのベースが印象的な曲です。落ち着いて聴いていられる良質なハードバップ盤としてお気に入りです。

ホームページにデイブ・ベイリーを掲載してあります。時間があればご覧ください。 モダンジャズやヴォーカルを聴こう デイブ・ベイリー