安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

エリック・ドルフィー IN EUROPE VOL.1

2012-07-04 20:52:59 | その他木管楽器

先日、タワーレコード(ミニ)の松本店に寄ったら、クラシックの売り場に999円シリーズのパンフレットが置いてありました。ジャズと同じく、EMIJAPANからの発売です。クラシックの再発CDは廉価盤も多いですが、国内盤で999円は安いほうです。パンフレットを見てみると、第1期100タイトルの中に、エマニュエル・パユ(ベルリン・フィルのフルート奏者)のテレマンやハイドンのフルート協奏曲集がありました。このあたりは買おうかと思います。今夜のジャズもフルートで。

ERIC DOLPHY (エリック・ドルフィー)
IN EUROPE VOL.1 (Prestige 1961年録音)

  Ineuropevol1

実は、別のアルバムを聴いてみたのですが、いま一つなので、こちらのドルフィーのものを取り上げました。はじめに聴いたのは、ビル・エヴァンス(p)が参加しているハービー・マン(fl)の「Nirvana」(Atlantic)です。かつてLPで持っていて売却したことがあり、今回廉価盤CDが出されたので購入し、改めて聴いてみましたが、残念ながら感想は変わりませんでした。

エリック・ドルフィーですが、ブッカー・リトル(tp)やフレディー・ハバード(tp)などと、ジャズ史上に残る作品を作っています。それらは、もちろん素晴らしいのですが、僕の好みは、どちらかというと、ドルフィーとリズム・セクションだけでやったワン・ホーンもので、「In Europe」や「Last Date」、「Out There」あたりの作品です。

メンバーは、ドルフィー(bc, fl)、ベント・アクセン(p)、エリック・モーズホルム(b)、チャック・イスラエル(b、Hi Flyだけ)、ヨルン・エルエフ(ds)で、コペンハーゲンにおけるライブ録音です。曲は、ドルフィー(fl)とイスラエル(b)による「Hi Fly」、ドルフィー(fl)とリズムセクションによる「Glad To Be Unhappy」、ドルフィーのバスクラリネットソロによる「God Bless The Child」、ドルフィー(bc)とリズムセクションによる「Oleo」の4曲。

フルートによる演奏では、息遣いも録音されていて、音圧の強さが伝わってきます。チャック・イスラエル(b)のステディなリズムに乗って、楽想を発展させた「Hi Fly」では、ドルフィーの出している音を洩らさず聴こうとずっと集中して追いかけました。ベース・クラリネットによる2曲は、ドルフィーだけにしかできない演奏で、音色の面白さとともに、ことに「Oleo」における闊達で迫力のあるプレイは、かなりスリルが感じられて、木管楽器一本によるものとは信じられない。

【CLASSIC名盤999パンフレット】

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ダスコ・ゴイコヴィッチ SLAVIC MOOD

2012-07-01 10:11:54 | トランペット・トロンボーン

南信州は山林が多くを占め、林業が盛んな地域でもあり、スギやヒノキを生産しています。飯伊森林組合に新たに製材施設が出来て、見学会が催されたので行ってきました。貯木場(市場を兼ねていて月1回入札が行われます。)もある広い敷地の一画に工場は立地していました。最新鋭工場で、作業効率はいいのですが、「信州の木」の販売先の確保が課題とのことです。地域性ももった作品。

DUSKO GOYKOVICH (ダスコ・ゴイコヴィッチ)
SLAVIC MOOD (VISTA 1974年録音)

   Slavicmoodduskogoykovich

ユーゴスラヴィア出身のダスコ・ゴイコヴィッチ(tp)の書く曲は、素朴で哀感に溢れていて、個性的です。スラブ民族はヨーロッパ各地に住んでいて、その民謡に取材したドボルザークのスラブ舞曲などといった有名なクラシック曲がありますが、ダスコの書く旋律もそれに負けず劣らず魅力的です。そんな自作曲ばかりを収録したのが、このアルバム。

メンバーは、ダスコ・ゴイコヴィッチ(tp)、Vince Benedetti(p)、Ben thompson(ts,ss)、Joe Nay(b)、Andy Scherrer(ds)。当時、ダスコは、クラーク=ボラーン・ビッグバンドで活動する傍ら、ドイツやスペインのレーベルで作品を作っていましたが、しばらくイタリアに住んでいたことがあって、その際に、伊RCAのジャズ部門のVISTAレーベルへ録音したもので、ローマで収録されています。

曲は全てダスコ・ゴイコヴィッチのオリジナルで、「Slavic Mood」、「Got No Money」、「No Love Without Tears」、「Old Fisherman's Daughter」、「Kosmet」、「East of Montenegro」、「Flying Rome」の7曲。最も名高いのは、「Old Fisherman's Daughter」ですが、「Kosmet」や「East of Montenegro」もスラブの香りがします。

最初の「Slavic Mood」では、ドラムによるイントロに続き、ピアノ、2管で奏されるテーマがエキゾチック。次の「Get No Money」は、スイングして、ややモーダルでかっこいい曲。一転して、スロー・バラードの「No Love Without Tears」は、味わい深く、ダスコのソロからは、寂しさがにじみ出てくるようです。最も知られている彼の曲「Old Fisherman's Daughter」は、ミュートで慈しむように演奏され、「Kosmet」は哀愁味を帯びたテーマを持つ曲で、ダスコのソロがよく歌っていて、聴きごたえがあります。

【飯那森林組合】 

長野県下伊那郡喬木村に新設の製材工場をはじめ、貯木場、木材乾燥施設、プレカット工場などがあります。

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                 貯木場

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                製材施設

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              製材施設内部