安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

アーネスティン・アンダーソン HOT CARGO

2014-01-08 22:23:43 | ヴォーカル(E~K)

泰阜村(長野県下伊那郡)に住んでいる知人から柚子カステラをいただきました。柚子チョコレートを作っている、(株)ゆず姫が発売した新製品で、柚子はもちろん地元の泰阜村産です。ほんのりと柚子の香りが漂い、しっとりとして、甘味とともに爽やかさが感じられて美味しいカステラでした。そんな味わいのヴォーカルを。

ERNESTINE ANDERSON (アーネスティン・アンダーソン)
HOT CARGO (Metronome 1956年録音)

   Hotcargoernestineanderson

アーネスティン・アンダーソン(vo)は、1970年代後半から、コンコードレーベルに優れた作品を多数録音し、現在では「Live From Concord to London」や「Never Make Your Move Too Soon」などが代表作として挙げられます。しかしながら、この1956年のスウェーデンにおける録音も忘れることができません。もとはスウェーデンメトロノームからリリースされた「It's Time」で、「Hot Cargo」のタイトルは、Mercuryが米国での発売に当たり付けたものです。

ロルフ・エリクソン(tp)の招きによって、スウェーデンを訪れたアンダーソンが、現地のハリー・アーノルド楽団の伴奏を得て録音したものです。また、同時期にデューク・ジョーダン・トリオの伴奏で、5曲録音しており、僕の持っている国内盤LPではそのうちの4曲が収録されています。スウェーデン録音の全てはフレッシュ・サウンドから出ているCDで聴くことができます。

曲目はスタンダードです。「Mad About The Boy」、「Did I Remember」、「Day Dream」、「Experiment」、「That Old Feeling」、「The Song is Ended」、「Love For Sale」、「Autumn In New York」(ニューヨークの秋)、「My Man」、「Ill Wind」、「Little Girl Blue」、「Wrap Your Troubles In Dreams」(苦しみを夢にかくして)、「Zing Went The Strings of My Heart」(心の糸をかきならせ)、「Looking For A Boy」、「Supper Time」、「Our Love Is Here To Stay」(わが恋はここに)の16曲。

上記のうち、デューク・ジョーダン・トリオの伴奏によるものが。「Zing Went The Strings of My Heart」、「Our Love is Here To Stay」、「Looking For A Boy」です。この他に、同メンバーで「You Go To My Head」が録音されており、それは、フレッシュサウンドから発売されたCDで聴けます。

歌よし、伴奏よしの最高の一枚。アーネスティン・アンダーソン(vo)の、あくの強さがなくさらっとしていて、軽快にスイングし、ブルースの香りも漂う、若いころの歌唱は素晴らしい。デューク・ジョーダン(p)・トリオの飛び切りの伴奏を得た「Zing Went The Strings of My Heart」や「Looking For A Boy」は軽やかで瑞々しく、ハリー・アーノルド楽団伴奏の「Day Dream」、「That Old Feeling」、「Wrap Your Troubles In Dreams」、「Littlr Girl Blue」などは、既にしてキャリア充分のゆとりある歌唱に聴こえます。

【(株)ゆず姫の柚子カステラ】

ゆず姫住所: 長野県下伊那郡泰阜村大畑7520
電話番号:0260-25-2200

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レッド・ロドニー BIRD LIVES!

2014-01-05 18:18:49 | トランペット・トロンボーン

年末年始は、長野市~安曇野市~飯田市をいったりきたりでした。長野から安曇野には、国道19号を使ったのですが、東筑摩郡生坂村の水鳥公園(犀川の一部です。)から眺める北アルプスの景色が美しかったので下車して写真を撮りました。水鳥は3羽ほどが遠くに泳いでいてよく見えず、代わりに電線に大型の鳥が一羽止まっていました。種類はよくわかりませんが、鳥には間違いないでしょう。バード・リブズです。
(1月6日追記)鳥の名前は、トビだそうです。猛禽類で安曇野市近辺にもいます。バードウォッチングが趣味のKさんから教えてもらいました。ありがとうございました。

RED RODNEY (レッド・ロドニー)
BIRD LIVES! (MUSE 1973年録音)

   Birdlivesredrodney

正月休みは、長野市の自宅にいたので、LP(アナログレコード)を引っ張り出しては聴いていましたが、その中の一枚です。レッド・ロドニー(tp)は、チャーリー・パーカーの共演者として知られていますが、1950年代以降は麻薬などでキャリアが途絶えがちになり、ジャズ界への本格的なカムバックは1970年代を待たなければいけませんでした。これは、ロドニーの復帰作ですが、1927年生まれなので、録音時は46歳でした。

メンバーは、レッド・ロドニー(tp)、チャールズ・マクファーソン(as)、バリー・ハリス(p)、サム・ジョーンズ(b)、ロイ・ブルックス(ds)。ロドニーが存分に吹けるように人選には注意が払われたと思えるメンバーです。ことに、バリー・ハリス(p)は、淡々と弾いていますが、随所で味わいのあるソロをとっていて、大きく寄与しているように思います。

曲は、チャーリー・パーカー作が3曲、セロニアス・モンク作が2曲、スタンダードが1曲です。「Big Foot」、「I'll Remember April」(四月の思い出)、「Donna Lee」(ドナ・リー)、「Chasing The Bird」、「Round Midnight」(ラウンド・ミッドナイト)、「52nd Street Theme」の6曲。よく知られているものばかりですが、僕は特にパーカー作の「Donna Lee」が好きで、タラタラタラタラと続くメロディを口ずさみながら、聴きました。

メンバー全員が好演をしたバップセッションです。主役のロドニー(tp)は、ミュートによる「Big Foot」、オープンによる「Donna Lee」と、ブランクを感じさせない音色、スピードで吹いています。「I'll Remember April」では、バリー・ハリス(p)が長いソロをとりますが、変化に富んでいて、さすがと思わせますし、ロイ・ブルックス(ds)のバッキングも細やかです。マクファーソン(as)も好調で、「Donna Lee」や「52nd Street Theme」で生き生きとしたプレイをしています。

【生坂水鳥公園】

所在地:長野県東筑摩郡生坂村岩の田

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     種類はわかりませんが、結構大型でした。わかる人教えてください。

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         カモだと思いますが、泳いでました。


フランク・ストロージャー DOWN HOME REUNION

2014-01-01 17:23:30 | アルト・サックス

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。長野市では、北陸新幹線の長野から金沢までの開業が平成27年3月に迫ったことが話題に上っています。長野駅もそれに備えてでしょうか、駅ビルの改修工事を行っていました。金沢は何度か訪れていますが、友人がいることに加え、歴史のある街並みがあり、料理も美味しいので、何度でも訪れたい街です。新幹線が開業したら訪問するのが今から楽しみです。REUNION(再会)というタイトルのアルバム。

FRANK STROZIER (フランク・ストロージャー)
DOWN HOME REUNION (UNITED ARTISTS 1959年録音)

   Downhomereunionunitedartists

副題は、「Young Men From Memphis」であり、当時のメンフィス出身の若手を集めたセッションです。誰の名義にしようかと悩みましたが、出番が多いフランク・ストロージャー(as)にしました。一般的には、ブッカー・リトル(tp)の名前を冠していることが多いようです。グルーヴィーで、比較的知られているアルバムですが、お正月休みに久しぶりに聴き返してみました。

メンバーは、フランク・ストロージャー(as)、ジョージ・コールマン(ts)、ルイ・スミス(tp)、ブッカー・リトル(tp)、カルビン・ニューボーン(g)、フィニアス・ニューボーン(p)、ジョージ・ジョイナー(b)、チャールズ・クロスビー(ds)。かなりの顔ぶれですが、録音当時はみな若手で、これからといった感じだったのでしょう。若くして亡くなった、ブッカー・リトルの演奏が聴けるというので注目されることもあります。

曲は、マーサ・エリント作「Things Ain't What They Used To Be」(昔は良かったね)、ガレスピー作「Blue 'N Boogie」(ブルーン・ブギ)、パリッシュ作「After Hours」、ジーン・ディ・ポール作「Star Eyes」の4曲。いずれもスタンダード化していて、例えば「Star Eyes」には、チャーリー・パーカー(as)の名演があるなど、それぞれの曲には代表的な演奏があります。

リラックスしたジャムセッションという雰囲気ですが、それぞれのソロは聴きごたえがあります。「Things Ain't What They Used To Be」は、通常より遅いミディアムテンポで、フランク・ストロージャー(as)のやや丸みを帯びたトーンによるロングソロが、よく歌っています。「After Hours」は、管楽器が抜けたピアノトリオにギターという編成で、フィニアス・ニューボーン(p)と弟のカルヴィン・ニューボーン(g)が、曲想通りに黒っぽいプレイをしています。「Star Eyes」もストロージャーをフューチャー。

【2014年1月1日の善光寺と工事中の長野駅ビル】 

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 見えるのは山門です

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         参道の光景

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   長野駅ビル改修工事

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工事の一画に設けられた絵の展示