ドイツの中国へののめり込みを第5813回の「中国失速でドイツの退潮鮮明」などで取り上げてきましたが、その筆頭のVWが今度はアメリカでピンチのようです。
これは、下手したらVWは終わるかもしれませんよ。完全にトヨタの時代の到来かも。それにしても、ディーゼルの優秀さを誇ってきたドイツがこんなことをやっているとは想像もしませんでした。やはり、世界の国は日本とは違うようですね。
ブルームバーグより 2015/09/19
独VW、米排気ガス検査での不正認める-制裁金は2.1兆円超か
(ブルームバーグ):ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW )は、米国の排気ガス規制に関する検査での不正行為を認めた。巨額の制裁金に加え、刑事訴追を受ける可能性も出てきた。
VWとアウディ部門のディーゼルエンジン車は、当局による検査の時だけ排気ガスをコントロールする機能がフル稼働するソフトウエアを搭載して販売されていた。米環境保護局(EPA)によると、通常走行時の排気ガスは基準の10-40倍に達する。
EPAは、米国の大気浄化法への違反に対して司法省による刑事訴追につながり得ると説明。EPAのシンシア・ジャイルズ氏によると、同局は1台当たり 3万7500ドルの制裁金を科す可能性がある。対象車は48万2000台で、その場合、最大180億ドル(約2兆1600億円)となる。2009-15年 型が対象。
ジャイルズ氏は「こうした仕掛けを車に搭載し大気浄化規制を逃れることは違法であり、国民の健康を脅かすものだ」と指摘した。
VWは発表文で調査に協力しているとした上で、それ以上コメントはできないとした。
EPAはVWへの18日の書簡で、VWが規制逃れに向けたソフトウエアの搭載について認めたと指摘していた。
これがトヨタなど日本メーカーだったら、遠慮なく制裁金が取られそうですが、果たしてドイツのメーカーにアメリカが強く出るのでしょうか。興味深いものがあります。是非、きちんと罰して欲しいものです。
こうなると、VWとの提携を解消したスズキの株が上がりそうです。スズキはこのあたり、VWの体質に気が付いていたのかもしれませんね。
中身を知らない私などは、どんな理由があって提携解消するのだろうかと不思議に思ってましたが、スズキ会長の決断は称賛されそうですね。
中日新聞より 2015年9月18日
スズキ 提携解消のVWから全株を買い戻し
スズキは十七日、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の保有するスズキ株を全て、市場を通じて買い戻したと発表した。取得額は四千六百二億円。六年近くにわたった両社の資本・業務提携は正式に解消された。
東京証券取引所の通常取引開始前に、前日終値で買い付けを実施。VWが保有するスズキ株19・9%分となる一億一千百六十一万株を含め、一億一千九百七十八万株を取得した。
両社が二〇〇九年十二月に資本・業務提携を結び、VWがスズキ株を保有した際の取得額は二千二百八十九億円。その後株価が上昇し、買い戻し額は大きく 上回ることとなった。一六年三月期の業績予想について、スズキ広報は「現時点で修正する必要を見込んでいない」と説明している。
両社は提携後間もなく経営戦略の違いが表面化し、スズキはVWから環境技術の提供がないことなどを理由に提携解消を決めた。一一年十一月、スズキ株の返還を求めて国際仲裁機関へ仲裁を申し立て、八月末に提携解消を認める判断が出た。
◆環境・安全技術“両輪”カギ
スズキとドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の資本・業務提携が解消されたことで、スズキが今後、VWから買い戻した株式をどうするかに注目 が集まる。厳しくなる環境規制や安全技術の開発競争をめぐって、合従連衡が進む自動車業界。スズキが新たなパートナー探しに踏み出す可能性もある。
「今後は決めていない」。十七日午後、浜松市内で本紙の取材に応じたスズキの鈴木修会長は慎重な姿勢を崩さなかった。
VWとの提携解消をめぐる係争は四年近くに及んだ。国際仲裁機関から解消を認める判断が下ったのは八月末。鈴木会長は数日後「もう懲りたよ」と漏ら し、〇八年に資本関係を解消した米大手ゼネラル・モーターズ(GM)に続くパートナーを性急に決めたことへの反省の色をにじませた。
VWとの提携失敗で自社開発を強めた結果、ハイブリッド技術などは市販化にこぎつけた。鈴木会長は「(技術的な)問題はほぼ解決できた。自立して生きていくことを前提に考えていきたい」と話す。
自動車業界に詳しいナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表兼アナリストは「スズキの主力市場は新興国。当面、技術で困る可能性は低く、提携先選びを焦る必要はない」と分析する。
ただ、長期的には他社との提携が不可欠との見方が強い。最大の理由は、環境技術や安全技術への対応に巨額の資金が必要となるためだ。
世界の主要市場では二〇二〇年以降、燃費や二酸化炭素(CO2)排出の規制が厳しくなる。自動運転など安全技術の競争も激しい。開発コストを減らすためライバルと共同開発したり、相手の技術を生かしたりする動きが活発化している。
トヨタ自動車は五月、環境や安全技術の分野でマツダと業務提携を強化したほか、独BMWと燃料電池車(FCV)を共同開発している。株式の16%を出資する富士重工業にはハイブリッド技術で協力した。ホンダや日産自動車も海外メーカーとFCV開発で協力関係を築く。
クレディ・スイス証券の秋田昌洋アナリストは「FCVや自動運転など高度な技術開発は、スズキ単独では限界がある」と指摘。
新たな提携相手の候補として、資金や技術で強みを持つトヨタがささやかれる。しかし、そのトヨタの傘下には、スズキが軽自動車市場でし烈な販売競争を 繰り広げてきたダイハツ工業がある。トヨタ幹部の一人はスズキとの提携について「スズキが考えること。こちらからどうこう言う話ではない」と静観の構え だ。
自動車メーカー各社にとって、人口約十三億人のインド市場で四割超のトップシェアを握るスズキの存在は魅力だ。スズキが得意の小型車で切り開いたインド市場の取り込みを狙い、各社が提携を持ち掛ける可能性は十分にありそうだ。
(矢野修平、平井良信)
それにしても、VWにとっては、中国・アメリカで大きな打撃を受ければ、現実問題として立ち直るのは大変でしょう。下手をすれば、倒産もあり得るのじゃないでしょうか。
こうなると、ドイツ自体もただでは済まないでしょうね。陰で日本を貶めて来た報いなどと言えば言い過ぎでしょうか。
サムスン・ロッテ・ポスコなど韓国の錚々たる 企業の危機が本物になってきているようで、これでいよいよ、日本は韓国と手が切れるかと毎日期待でワクワクしています が、それ以上に崩壊を期待している第 830回の「ソフトバンクは何時終わるのか」で取り上げた、孫社長が決算会見で、「スプリントを必ず改善してみせる」と明言したそのスプリントが 大変なことになっているようです。これは、面白くなりそうです。
ブルームバーグより 2015/09/17
ジャ ンク債エアポケットにご注意-スプリント債格下げで急落
エネルギー債に近寄らない限り1兆3000億ドル(約156兆8000億円)規模のジャンク債市場の大混乱から無縁でいられると考えている投資家に とって、米スプリントの事例は良い教訓になるだろう。
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは15日、スプリントの格付けを引き下げた。同社 の債務残高は300億ドル余り。ス プリントは資本の面で勝るAT&T やTモバイル との競争で厳しい状況に置かれている。ムーディーズはスプリントの社債の大半について格付けを数段階引き下げて「Caa1」とした。これはデフォルト(債 務不履行)状態に近い水準。
これに市場は激しい反応を示した。2028年償還債(発行額25億ドル)の価格は額面1ドルに対し一時 80.8セントと、14日の 88.4セントから下落。また23年償還債(発行額42億ドル)では一時90.1セントと、14日の98.6セントから 下げた。
パシフィック・インベストメント・マネジメントやフランクリン・アドバイザーズ、ブラックロック といった高利回り債の運用を手掛ける資産運用会社はスプリント債を保有している。スプリント債は、ジャンク債市場では最も頻繁に取引される社債の一つ。ス プリントが難題を抱えていることは意外なことではない。同社債がそもそも投機的格付けとなっているのはそのためだ。
だが一部の投資家は、明らかにムーディーズの格下げに不意を突かれた。格下げで一部のスプリント債は最 も低い格付けとなった。一部のファ ンドではジャンク債の中でも最も格付けの低い債券については保有制限を設けており、あまりに多くの保有債がそうした低い 格付けに引き下げられた場合はファ ンドは売却に動く。
これは、最も取引が活発で人気のある銘柄であっても突然の状況悪化には脆弱(ぜいじゃく)になり得るこ とを示している。
こうした価値のエアポケットを経験するのはスプリントだけではない。15日には通信会社フロンティア・ コミュニケーションズの社債が下落。スプリントの格下げが影響し、通信関連全般の社債の保有を減らす動きが広がったとみ られる。
さて、この危機をどうやって乗り越え、改善に持って行くのでしょうか。孫さんほどの人ですからきっと素晴らしい戦略 をお持ちなのでしょう。お手並み拝見ですね。
こちらも、危なそうです。
ロイターより 2015年 09月 16日
コ ラム:ソフトバンク、時価総額の「ディスカウント」が定着
[香港 15日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ソフトバンク(9984.T)の時価総額は、保有資産の総評価額を大幅に下回る「ディスカウント」状態が定着してしまった。
孫正義社長が率いる巨大な複合企業全体に対する投資家の評価は、事業や投資などを別々に評価した額の合計よりもずっ と低い。中国電子商取引最大手アリ ババ・グループ・ホールディング(BABA.N)の上場後は、ソフトバンクの価値の大半は同社が保有する他の上場銘柄と 密接に結びついている。
まずはソフトバンクが保有する内外の上場銘柄に目を向けてみよう。アリババのほかには、米携帯電話大手スプリント (S.N)やインターネット検索のヤ フー・ジャパン(4689.T)、オンラインゲームのガンホー(3765.T)があり、時価評価の総額は780億ドル前 後となる。
次に利払い・税・償却前利益(EBITDA)に基づく株価収益率(PER)で6倍という業界平均をソフトバンクの日 本国内における通信事業に当てはめて、そこから債務を引くと事業価値は170億ドルと見積もられる。
だがソフトバンクの時価総額は610億ドルで、上記合計の950億ドルより36%も低い。このディスカウント比率 は、昨年のアリババのニューヨーク上場前に比べると2倍以上に拡大した。
孫氏は以前、自身が「金の卵を産むガチョウ」と称するソフトバンクグループを投資家が正当に評価していないと不満を 漏らしている。アリババだけみても、2000年に行った2000万ドルの出資が今や520億ドルの価値を持つようになっ た。
ソフトバンクは最近、タクシー配車アプリからオンライン小売りまでアジアの新興企業に幅広く投資しており、投資案件 は1300件余りに及んでいる。しかし投資家はそれらのほとんどについて、ごくわずかの価値しかないか無価値だとみな す。
今後ソフトバンクが保有銘柄の売却、もしくはスピンオフ(分離)に動くというのは可能性の1つとして存在する。とは いえ、大規模な保有銘柄を処分する なら売却額は時価を下回るだろうし、課税もされてしまう。さらにこれまで築いてきた投資や出資のネットワークを壊すの は、ソフトバンクを世界最大のイン ターネット企業にするという孫氏の目標とは相容れない。
より過激なアイデアとしては、ソフトバンクの非公開化が挙げられる。ブルームバーグによると今年になって孫氏は経営 陣による買収を通じた非公開化を検 討したもようだ。ただし提示するプレミアムを控えめの20%と想定し、孫氏の持ち分19.3%を対象から外したとして も、買収には株式と債務で約600億 ドルが必要になる。
孫氏は大胆な人物だが、過去最大規模のレバレッジド・バイアウト(LBO)となる案件の資金調達となれば実現までの 道のりはあまりにも遠い。孫氏としては、ソフトバンクの評価に関しては現在の投資家目線に慣れなければならないかもしれ ない。
●背景となるニュース
・ソフトバンクの孫社長は今年、経営陣による買収を通じた同社の非公開化をいったん検討したが、少なくとも3カ月前 に断念した。ブルームバーグが11日に伝えた。
・ブルームバーグが関係筋の話として報じたところでは、孫氏は「海外のパートナー」と買収を協議したものの、金銭面 の条件で合意できなかった。同氏はさらに少なくとも1人の資金提供者に話を持ちかけた後で、計画をあきらめた。
・孫氏はソフトバンクの筆頭株主で持ち分は19.3%。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
今まで、成功して来た得意の錬金術がことごとく裏目に出ているように思えるのですが、やはり、乗り越える勝算がある のでしょうね。あの球団の早々の優勝を喜んでいる熱烈な不安もきっと心から応援してくれているのでしょう。日本人とは本 当に情弱のお人好しですね。
それにしても、未だにソフトバンクのスマートフォンを使い、球団に熱中している人達には感心するしかないですね。ど うぞ、最後まで、孫さんに付いて行ってあげてください。
ねずさんのお蔭で、第428回の「日本を救うか防災用地下シェルター」でも取り上げたように先進国では核シェルターの装備が進んでいることを知り驚きました。
まだまだ、戦後教育の自虐史観から完全に抜け切れていないのか、私には、そんな考えは思いつきもしませんでした。しかし、日本にもやはり、考えている人はいるようです。
桜チャンネルで水島さんが曽野綾子さんがそういうことを言っていると紹介されていました。
このシェルター装備は、この災害大国日本にとっては一番備えるべき施設というのは最高の考え方じゃないでしょうか。このところの、地震・津波・豪雨・噴火などを考えるに、早急にやるべきことですね。
これが、完備されれば、核攻撃にまで供えることができるし、安倍さんのアベノミクスにも最適ですね。とりあえずの安保法案の可決が終わったので、安心して経済対策にも取り組めるようになったのですから、これは、是非取り組んでもらいたいですね。
昨日取り上げた民主党議員による「セクハラ暴行」について稲田さんと次世代の党の和田さんが抗議してくれたようです。産経新聞が取り上げてくれています。
相変わらず、殆どのメディアは触れようとしていないようです。
産経ニュースより 2015.9.20
【安保法成立】 稲田VS辻元、採決時の混乱めぐり舌戦 「セクハラ叫び審議妨害」「与党は法案通していただく立場」
自民党の稲田朋美政調会長と民主党の辻元清美政調会長代理が20日のNHK番組で、安全保障関連法制の採決時の混乱をめぐり応酬を繰り広げた。
稲田氏は16日夕から17日未明にわたる与野党の攻防劇について「(野党側が)理事会室に委員長を閉じ込めたり、女性議員を使って『セクハラ』だと叫 んだり、計画的に審議を妨害した。『良識の府』といわれる参院でこのようなことがなされたのは恥ずかしい」と指摘。なりふり構わない民主党などの徹底抗戦 を批判した。
これに対し辻元氏は「私たちは最後まで質疑をして採決に臨もうとしていたが、与党が審議を断った。よく戒めていただきたい」などと反論。「『法案を通していただく』という立場が与党で、与党の立場としてあまり仰らない方がいい」と説いた。
産経ニュースより 2015.9.20
【大沼議員セクハラ暴行疑惑】 辻元氏「しっかり調査して対応したい」 次世代・和田氏、民主議員の“セクハラ暴行”糾弾
「混乱と関係ない場所で無抵抗の女性議員を背後からいきなり引き倒してけがをさせる。人として議会人として女性の人権を守るためにも満身の怒りを持って抗議をしたい」
次世代の党の和田政宗幹事長は20日のNHK番組で、安全保障関連法案の参院平和安全法制特別委員会採決の際、自民党の大沼瑞穂参院議員が民主党の津田弥太郎参院議員から暴行を受けたとされる問題について、民主党を強く非難した。
和田氏は同じ番組に出演した民主党の辻元清美政調会長代理に対し「映像が残っており、民主党の議員も近くで見ている。民主党としてどう対処するのか」 と追及した。これに対し、辻元氏は「しっかりと調査して対応していきたい」と述べるにとどめた一方、「民主党の議員も足を引っ張られた」と指摘。和田氏は 「それは混乱の場所だった」と強調した。
次世代の党の和田さんが結構マスコミに登場するようになっていますね。良いことです。来年には、民主党や公明党の代わりに野党第一党になって貰いたいものです。それこそが、日本再生の近道です。
この動画の後半でセクハラ暴行を語ってくれています。
安保法案 参議院本会議で可決
大沼議員への「羽交い締めにして引き倒しセクハラ暴行疑惑」!「辻元清美」氏民主党の対応言及避ける!【和田政宗×辻元清美】
稲田さんの動画もありました。17分20秒頃から稲田さんが発言されています。