どうやらChinaの世界制覇には半導体技術が必要なようです。とうとう本音が出たようです。
なんと、台湾のあのシャープを食い物にしたTSMCこそが狙いなのだそうです。
宮崎さんが報告してくれています。とは言え、手に入れてもそれを継続して発展させる力は無いようです。
結局は、Chinaが世界を混乱に陥らせてしまうことになるのじゃないでしょうか。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和四年(2022)6月10日(金曜日) 弐 通巻第7364号
西側からハイテク技術をせっせと盗み出した中国だが
入試のカンニングと同じで、そのあと追いつく能力に欠けるのでは?
次の事件報道に何を連想しますか?
「1月に行われた一橋大(東京都国立市)の外国人留学生向け入試の試験時間中に数学の問題が流出した事件で、警視庁が20 歳代の中国人受験生の男を偽計業務妨害容疑で逮捕したことが、捜査関係者への取材でわかった。受験生は1月31日に行われた 私費留学生の選抜試験で、試験時間中に数学の問題用紙を何らかの機器で撮影し、すでに逮捕されている中継役の中国人の男を通 じて外部に流出させ、同大の業務を妨害した疑いがある。
受験生は試験前、中継役の男を通じ、外部の中国人男性に『問題を解いてほしい』と依頼しており、警視庁が詳しい経緯を調べ ている」(読売新聞、6月9日)。
日米欧から中国はスパイを駆使して先端技術を大量に盗んだ。
川崎重工から伝授された新幹線車両技術を『中国製だ』と傲慢に言い放った。中国新幹線は事故を起こして世界の笑いものに なったが、「中国製」ゆえに他に責任を転嫁出来なかった。
鉄鋼は日本が日中友好のシンボル事業として中国の鉄鋼業界を育てた。やがて特殊鋼、自動車鋼板の技術も習得し終えるや、ダ ンピング輸出で日本の顧客を奪い、日本の鉄鋼メーカーの多くが高炉を止める仕儀となった。鉄鋼の城下町に不況の風が吹き荒れ た。
中国製のペットフーズでアメリカでは犬猫一万匹が死んだ。
空母はウクライナを欺して鉄の塊を手に入れ、『自主開発』でカタパルト、信号システムを構築するのに十年かかり、ようやく 空母「遼寧」として就航させた。
パイロットの練度不足で着艦に失敗する死亡事故が連続した。
中国の自動車メーカーは雨後の竹の子、しかし自動車エンジンは依然として外国製に依拠しており、自慢の宇宙船もエンジンは ロシア製である。
米国で「千人計画」を遂行し、鉦と太鼓でハイテク技術者を中国に呼び込んだが、所詮、インフラが整っていないため、多くの ハイテクプロジェクトが挫折した。一方で、ハーバード大学のリチャード・リバー教授ら協力者は逮捕された。疑惑のあった中国 人研修生はさっと米国を去った。ハイテクスパイの牙城とされたシリコンバレーの責任者は「自殺」した。
半導体技術を先進国から盗んで、自主製品を作った。ところが二世代、三世代遅れである。いま喉から手が出るほど欲しい半導 体製造装置も、試験のカンニングと同じで、合格しても、そのあとをついていけないようにかならず途中で脱落する。実力がない のに背伸びしても、追いつけないのである。
ならば、中国は次にどうするか?
奪うのである。次は産経新聞(6月9日)の報道である。
「(中国の著名エコノミストである)陳文玲氏は8日までに、中国がロシアのように西側から厳しい経済制裁を受けた場合、台 湾を支配下に置いて半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)を手中に収める必要があると主張した。米政府系メディア、 ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。異例の強硬発言だ。
陳氏は5月下旬に中国で開かれたフォーラムで発言し『米国など西側が中国に壊滅的な制裁を科すなら、台湾を取り返す必要が ある。特にサプライチェーン(供給網)の面では、TSMCを奪い取らなければならない』と訴えた」。
TSMCはすでに世界トップクラスの先端製ゆえに、アメリカはアリゾナ州へTSMCの最先端半導体工場を誘致した。 TSMCじしんも、安全保障に死活的に関わると認識し、中国工場は旧世代の半導体だけを生産し、ハイテク関連製品は台湾に二 倍の投資をなして先端技術を防衛する態勢に切り替えた。
筆者は大川周明の『日本二千六百年史』を必要あって二回読んだが、中国の文明を考える際、思わず次の箇所を思い出すのだ。 大川はシナ文明をこう喩えた。
「王室の転覆、塞外民族の入寇、凶暴なる民衆の凌奪、総てこれらの出来事が幾度となく繰り返されたために、今日残るところ のものは、唯唐代諸帝の光栄と宋代社会の文雅とを偲ばしめる文学や遺跡があるに過ぎぬ。その文明の根底をなせる儒教および老 子教の精神は滅び果て、この精神が生み出したる麗しき芸術も、打ち続ける天災や戦乱の為に消え失せた」(大川周明『日本二千 六百年史』、毎日ワンズ)
▲米国、さらに台湾への武器供与を追加
6月9日、米国は第四次対台湾武器供与を発表し、1・2億ドルの中味は戦艦のシステムと部品であるとしたが、『部品』の中 味には触れていない。
第一次供与は7・5億ドルでM109A6(自走ハウザー=榴弾砲)を四十両。
第二次供与は1億ドルでパトリオット・システム。
第三次供与は9500万ドルで軍事訓練並びにミサイル・システム。
いずれも中国軍の脆弱な兵站、兵力のアキレス腱をつくものと考えられる。とくにM109A6(自走榴弾砲、通称「パラディ ン」)は射程30キロ。ウクライナへ供与される155ミリ榴弾砲と同型である。
それにしても、TSMCの工場を爆破してChinaに渡さないというのは面白いですね。本当にやるのでしょうか。Chinaも必死でどうやって奪うかを考えているのでしょう。
こうして見ると、台湾進攻も難しそうです。さて、習皇帝はどうするのでしょうか。