何だかロシアが思った以上に元気なようです。ロシア制裁はかえって西側経済を痛めた様相があるようです。
その原因としてChinaとインドの助けがあるようです。
宮崎さんが取り上げてくれています。Chinaは理解できますが、インドにはがっかりさせられますね。時刻の利益も大事でしょうがここはやはり世界のことを考えて欲しいものです。甘いのでしょうか。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和四年(2022)7月 8日(金曜日)
通巻第7397号 <前日発行>
ロシア制裁はかえって西側経済を傷つけたのではないか
なぜなら中国とインドが輸入を二倍にし、ルーブルの安定を助けた
中国は五月末までにロシアから189億ドルもの石油とガスを輸入した。同時期のインドは51億ドル。合計240億ドルがロ シアに支払われ、プーチン政権は比較安定を得た。
とくにインドは2月24日のロシア軍のウクライナ侵攻の日から6月末までに88億ドルの石油並びに石油製品をロシアからダ ンピング価格で輸入していたことが貿易統計で判明した。
決済はロシアがSWIFTから排除されているため、中国の決済網CIPSを利用したが、あるいはインドはロシアと貿易が多 いのでルーブル支払いだったのか、委細は不明である。
ほかにロシア制裁に加わらない主要国にブラジル、南アがあり、BRICS諸国は対ロ
制裁には加わらないとしている。
またシリア、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアなども常日頃からの反米で、ロシアとの貿易関係を維持している。こうみると、 一番の裨益はインドではないか。西側の制裁団結を破った交渉上手。なにしろ印僑というのは華僑より商売、とくに交渉ごとは狡 智に長けている。
結果、西側のほうが経済を痛めた。欧州はガスの逼迫で価格高騰、石油は中東から代替できるが、LNGタンカーによるガス輸 入は代替が容易ではない。
米国はシェールガス開発がふたたび軌道に乗り石油の輸出国だが、国際価格の高騰で国内のインフレが20%、トルコは80% 近い。イスラエルは海底油田が順調に稼働し、いまでは資源輸出国だから影響を受けない。
おそらく一番の困窮は日本だろう。
米国のイラン制裁につきあっているため、イラン原油の輸入がままならず、高い石油を中東から輸入し続けなければならず、あま つさえロシアがサハリン2を接収する構えだ。ガスの10%を他国のルートに振り替える必要がある。
国際市場では原油が値下がりを始めた。平行して金価格が下落し、レアメタルもばらつきがあるが、一時期の暴騰場面はなく なった。
やはり、世界は一筋縄ではいかないようです。結局利用されるのはお人好し日本ということになるのでしょうか。情けないことです。