明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



以前にも書いたが、人の顔を作る場合、真ん中で目立つ鼻などより、よっぽど額のニュアンスが大事である。額に比べれば、鼻はたんにウズタカイでっぱりである。額には前頭葉の内容が表に滲み出しているかのようで、後にライティングにて表情を抽出するためにも、ないがしろにはできない。 私が手がけた実在の人物で、表情豊かなオデコの持ち主はマルコムXと三島由紀夫が双璧であろう。三島の額は、三島が嫌った蟹の甲羅にもにて、実に複雑な起伏を持っている。というわけで三島の頭部が完成。しかし、もう、できた完成だと言わないでおこう。 知り合いの編集者から近所にいるのでと電話。彼は運が良い。ポケットに三島を入れて喫茶店へ。ひとしきり話した後、彼と別れてスーパーにて買い物。レジでポケットから手を出す時に、三島こぼれる。落とさないよう慌てると、レジのおばさんの前へゴトリ。おばさんの口から「ウッ」 これは失礼。


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