明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ベニスに向う列車内で、世紀末から20世紀初頭のサロンの女王ミシア・セールとディアギレフが写っている写真がある。ミシア・セールはディアギレフ曰く”何ひとつ月並みのものがない女性”ということだが、ポリニャック大公夫人、ココ・シャネルと並んでバレエリュスの重要なパトロネスの一人である。車窓からの光で、ディアギレフの顔が逆光となり良く見えないのだが(異様な額の形はわかる)ミシアにディアギレフがじゃれついているかのようである。バレエに大金を注ぎ窮地におちいると、こんな感じで金を引き出していたのだろうか?ケチなシャネルからも引き出しているのだから、たいした人物である。 それまで女性が中心であったバレエからニジンスキーを始めとする男性舞踏家にスポットを当てたのはディアギレフの功績だが、今にしても客の大半は女性なのであるから、そうでなければバレエの興隆はありえないであろう。 

過去の雑記

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