明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



久しぶりに徹夜をした。早寝の習慣がつき始めていたので久しぶりである。寝る前に富岡八幡の骨董市を覗いてみることにした。先日、やっていない日に工務店のSさんに誘われ無駄足を踏んだから、半年振りくらいだろうか。こんな日は何か必ずある。鳥居の下で、青山のビリケン商会の店長T君に会う。川端康成の写真がありましたよと教えてくれる。なるほど、これだろうか? 私は川端を作ることを考えないではなかったが、ただ人物像を作るだけでなく、その作品世界の中に作者を置くわけである。となると、あの目玉がいけない。川端的世界のどこかに、あの猛禽類的目玉がランランと光っていて画になるであろうか。 それは某新聞社の紙袋の中に30枚近く入っていた。どうやらノーベル賞受賞前後のドタバタ時のものであり、スウェーデンで撮影されたと思しき物もある。吉永小百合との写真もあったそうだが、映画マニアに売ったそうである。そんな物はどうでもよいが、おそらく受賞を聞き、すぐに駆けつけた三島由紀夫と一緒に写った写真もあったはずである。いかにも原稿に使ったものから、受賞インタビューのマイクをセッティング中や、記者に囲まれ、本人が見えないものまである。僧侶姿の今東光と歩く写真の裏には『金色堂落慶式で五十年らいの親友、今東光氏と連れ立って歩く川端さん43・5・1』と鉛筆書き。今時、モノクロ印画紙のプリント自体が貴重だと購入。この目玉を主役にするべきかも。 家に向かうと工務店のSさん。私をハゼ釣りに誘おうとしていたらしい。「冗談じゃないよ徹夜明けだよ」 結局夕方になり、さすがに寝ようとするとSさんから電話。[K越屋で鍋やるから行こう」人恋しげな七十過ぎの老人にいわれるのでしかたなく休日のK越屋に。結局、Sさん飲みすぎで大変なことになり、家に電話しないでくれというので、親仁さんがそっと次男坊を呼んできた。Sさんこの次男坊とは仲が悪いらしい。脂汗をかいて息子に担がれ帰った。シミジミとして酔いもさめる。あと数時間で、2日完徹になるところであった。 

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